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異世界人現れる

「実は、僕は、転生者なんだ。盗賊を討伐するんだ」

「盗賊を討伐?ほお、お暇、ご苦労なこって」


「洞窟とか探しても、全然、盗賊いないし。悪い奴って、洞窟に隠れているだろ?」


 ・・・こいつ、何言っているんだ。洞窟に盗賊がいる?意味不明だ。洞窟は汚いだろ。家ぐらいあるわ。



 俺はフランキー一家のフランキー、盗賊だ。

 縄張りに、変な格好をして、奇妙なものを持っている奴がウロウロしていると通報が来たから、声を掛けた。


「あ、これ、20式小銃っていうんだ」

「ほお、頑張って下さい」


 としか言えないな。


 俺は、盗賊だ。いや、盗賊って、馬で遠くに行って、そこで、悪さを働くよ。そりゃ、盗賊なんだもの。

 近場でやる馬鹿はいない。そりゃ、自分の足を食うタコのようなものだ。

 盗賊は民の間を泳ぐ魚だ。そんなことをしたら、すぐに通報される。


 主に、飢饉とか。こっちで、商売が出来なくなったらやるよ。


 ここの領主は頭がいい。秋、税金で王都に麦が集まると、王都近郊の麦が安くなる。そこで、買い付けて、飢饉の時の備えをしているよ。


 冬に、橋なんかを作って、村人を餓死させないようにしている。

 橋が出来ると便利だからって、今まで、遠周りをしていた商隊とかが来る。


 すると、領地の特産なんかも拾ってもらえるのさ。

 助かるさ。


 だって、民に金があると、俺らが儲かるもの。


「頭目、そろそろ、農作業終わったみたいですぜ」

「おお、開けろ。暖かくしてお迎えしろ」


「「「いらっしゃいませ!」」」

「お寒い中、農作業ご苦労様です!さあ、あつ~い紅茶をご用意しています」


「助かるよ。今日は、ルーレットやるぞ!」

「俺は、夕食はエールとつまみですます。独身者だから助かるよ」

「毎度!エールは無料ですぜ」


 ワイワイガヤガヤ~~~


 そうだ。賭場と居酒屋を開いているのさ。

 エールは無料、すると、人が集まる。どんな些細な情報でも金儲けにつながるかもしれない。


 客が集まってきたな。

 今朝の奇妙な奴のことを聞いてみるか。


「あいつ?何か、イベントを探しているとか。盗賊はどこにいるのかと聞いてきたから、『あっち』とこの邸の方角を指さしておいたぜ」


「おれは、フランキー一家のことを教えておいたぜ」


「ほお、そうか。まあ、そうなるよな」


 チャリン

 ドアが開いた。客か?いや、あいつだ。


「いらっしゃいませ。お、異国の方ですか?」


 さっそく来やがった。


「フランキーと言う盗賊を探しています」


 シーーーーーーン


 一瞬で静まった。


 俺は、声を掛けた。俺を殺しに来るのは仕方ない。

 しかし、理由も知らずに、死にたくないな。

 あれか、違法奴隷商を襲った時か?あれは、村人を襲うから、追跡して、

 それとも、詐欺の商売人を懲らしめた時に、殺したから・・・・


 いかん。俺のやっていることは正義じゃない。


「で、フランキーと言う奴を討伐する理由は?」

「レベル上げで必要だから、・・『ヒック、ウエー』・・ウワー」


 女魔道士のリリーが割って入った。褐色の肌で、店内でもローブを羽織っている変わり者だ。


 ヒデェ、いくら奇妙な奴だからって、ゲ○をはきやがった。


「おい、おい、リリーよ。飲み物同然のエールで良っばらうなよ」

「いつも、無料で飲みに来やがって!」


「やめんか。ここに来た奴は、無料で飲ませるのが、流儀だぜ!おい、坊主、大丈夫か?」


 リリーは、金貨をチャリンと奇妙な奴に渡しやがった。


「ごめん。坊や、あっちに、宿屋があるから、リリーの名前を出して、泊めさせてもらいな。洗濯もしてもらえるさね。ここは楽しむ所ださ。衛兵隊の真似事はごめんださ。ヒック、ウウ~、またはきたく~」


「ウワー、BBA、きたねえ。畜生、やっぱり、冒険者ギルド始まりか?」


 奴は、ボソボソ言いながら、去って行った。


「フランキーのおっさん。奴は転生者だよ~ヒック、二度と、話しちゃいけない・・・ヒック」


「何だ。転生者って」


 話を聞くと、異世界から来る者で、特徴は、黒髪、黒目、時々、金髪や茶髪の者がいるが、すぐに、黒髪になるから、注意だそうだ。

 異界渡りをするときに、不思議な能力を授かる?


「あの、奇妙な杖は、「じゅう」と言って、見えない速さで鉄の礫を放つのさ。あんた、死んでいたよ」


「そうか。ありがとうな」

「良いってことよ。ヒクッ、でも、対策法はいくつかあるのさ。ヒック、まあ、あんたは関わらない方がいいさ。ヒック」


「おお、全くだぜ」


 これが、異世界人絡みの始めになるとは思ってもみなかった。


最後までお読み頂き有難うございました。

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