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モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
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第91話 反逆の始まり

「”物理変化ぶつりへんか”」


 真耶はすぐに魔法を唱えた。その数秒後にありえないほどの大爆発が起こった。その爆発はとてつもない光と風を発生させ、砂埃や煙を巻き上げる。


 真耶は壁をドームのように作ることで、風と光を全て防いだ。そして、すぐにその場を離れる。このままでは家ごと消されかねないからだ。


 真耶がその場から逃げ出すと、すぐにもう1つの光る球体が襲ってきた。それは、追尾するように真耶に向かってくる。


「”消えろ”」


 真耶は目に太極図を浮かべそう言った。しかし、光る球体は消えるような感じはしない。反魔法レジストマジックが使われているらしい。


「……マーリンの手先か」


 魔法は通用しなさそうだ。だったら肉弾戦で行けばいい。だが、アルテマヴァーグは置いてきてしまった。これはまずいな。


「肉弾戦もダメとなると、やっぱり魔法か」


 そう呟くとすぐにその光の球体が向かってくる方に走り出す。多分向かって来る方向に敵がいる。


 真耶はそう考えその方向に向かって走り出した。そして、右手で球体に触れる。


「”物理変化ぶつりへんか”」


 魔法を唱えた。真耶は球体に触れた途端右腕の手のひらの皮が削られるように無くなっていった。


 しかし、魔法によって球体は形を変える。さっきまで危険だった光る球体は一瞬にして鉄の塊に変えられた。


「フゥ……危なかった。まさか、ここがバレるとは」


 一応ここは奏に頼んでバレないように魔法をかけてある。だが、バレてしまった。恐らく魔法をかけたのが良くなかったのだろうな。


 そろそろ潮時か……俺も、外に出る必要があるみたいだ。そう言えば、忘れてたが俺は勇者パーティの1人だ。世界を守る義務がある。


 だが、俺はこの世界の人間じゃない。日本人だ。本当に守る必要はあるのだろうか。奏達は……いや、俺自身はどう考える?今でも家に帰りたいか?この異世界でのんびりスローライフする。それも良いんじゃないのか?


 だとしたら……それのために……俺は……


「世界を守らないといけないな」


 そう呟いて再び右目を見開いた。その目には、金色に光る円が浮かんでいる。その円も、炎のように揺らめきオーラを放っている。


 真耶はその目を発動させると両手を前に突き出し握りしめ合わせた。そして、ゆ身を引くような動作をする。すると、さっきまでなかったはずなのに、とてつもないエネルギーを秘めた金色に光る弓矢が現れた。


「俺だって、この5ヶ月間何もしてなかったわけじゃない!”世界を裁け、悪を断絶しろ、金色に光る制裁の矢……断罪之矢ジャッジメントアロー”」


 金色に光る矢は真耶の詠唱が終わると周りの空気を巻き込みながら放たれた。放たれた矢は凄まじい威力で周辺の木々を破壊していく。


 そして、その矢は凄まじい威力をさらに増しながら森の中にいた謎のフードを被った人に当たった。


 ━━時は遡って5分前……


「うふふ……マーリン様のためよ。悪く思わないで欲しいわ。それに、まさかこんなところに隠れてるなんてね。まだマーリン様に報告してないけど、これであの男を仕留めれば私もラウンズになれるわ」


 謎の人はそう言って杖を取りだした。そして、指輪をつけて詠唱を始める。


「”光を集めろ……光球シャイニングボール”」


 すると、とてつもない魔力を秘めた光の球体が放たれた。その光の球体は木々をなぎ倒しながら一直線にどこかに向かっていく。


 そして、突然その球体が消滅した。いや、消滅したという訳では無いみたいだ。なにか別の物質になったような感じがする。


「っ!?一体どういうこと!?」


 謎の人は慌てた。そして、すぐに状況を理解しようとする。しかし、分からない。だからもう1つ光の球体を作る。そして、放った。


 その瞬間、光の球体は消滅した。そして、自分の胸に金色に光る矢が刺さっていた。


「っ!?なん……で!?」


「フッ、当たったか」


 真耶はそう呟いて静かに笑った。そして、ゆっくりと矢が向かった方向に向かって歩き始める。


 矢が刺さった人は衝撃でフードが脱げてしまっていた。そして、その素顔が顕になる。


「どうやら女だったみたいだな。この感じ……マーリンの手先か」


 真耶はすぐにその女の近くまで行くとそう言った。その女は驚きのあまり声を失う。


 そして、さらにあることに気がついた。なんと、自分のフードが消えているのだ。それだけじゃない。自分の体全体が段々と透けていっている。


「あまり驚くことじゃない。この矢は触れたものを光の粒子にして次元の歪みとして超空間に封印する技だ。天眼てんがんを使った時に超空間が見えたんでな。試しに使ってみたわけよ」


「そんな……!?」


 真耶の話を聞いてその女は苦しそうな顔をする。そして、目から涙を流し始めた。


「泣いて許されると思うなよ」


 真耶はそう言うと、右目をもう一度見開き金色に光る剣を作り出した。そして、そのままその女の腹部に突き刺した。


「いぎぃ!いだぁい!やめでぇ!」


 突然その女は苦しみ出した。その様子はまるで地獄に落ちたかのようだ。……いや、さすがに言いすぎた。痛みが2倍になったようだ。


 いや、これも違う。痛みが2倍になったんじゃない。3倍になったんだ。この剣は相手に与える苦痛を3倍以上に倍増させる。これも天眼の力だ。だから、奏達にお尻ペンペンする時はだいたいこの目を使う。


 そしてだいたいその後奏達は泣きながら土下座をして謝ってくる。これはいつも通りなんだが何故かこれだけ楽しい。フフフ、やっぱり俺はやられるよりやるタイプの人間なようだ。


「フハハハハハ!とりあえず初めまして!そして、さようなら」


 真耶がそう言うと、一瞬にして女の体が光の粒子となって消えた。そして、その粒子は虹色の光を少しだけ放つと揺らめき出し消えていく。


「……さて、そろそろ俺もこの世界に抗う時か。今度はモブを脱却できるように頑張ろう」


 そう呟いて家に足を向け進めだした。

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