第72話 謎の攻撃と地獄の罰
「……」
真耶の顔がどんどん赤くなっていく。なにかに耐えているようだ。
「……ぷっ、ぷははははは!もうダメ!やめてぇ!」
「だめですよー。お仕置はまだまだこれからなんですからー」
「そんなぁ!死んじゃう!」
真耶はそう言って逃げようともがく。しかし、両手足を縛られ、両手を釣られてる状態で逃げることは出来なかった。
しかし、3人の罰はまだまだ続く。そもそも、今なんの罰を受けているかと言うと、こちょこちょだ。
真耶は、脇の下、足の裏、膝、胸など、色々なところをくすぐられていた。男のときならなんともないだろうが、女体化したせいで敏感になっている。
「あれれー、くすぐられてるだけでこんなにビンビンになっちゃってー、悪い子ですねー」
「だって……こ、こんなこと……はじめて……でしゅもの……んっ♡あっ♡やっ♡」
変な声を上げてしまった。すごく恥ずかしい。恥ずかしさで死にたい気分だ。神眼を使って逃げるのもありだが、もしそれで魔法を使ったと言われたら嫌だ。
「じゃあ、あめの次は鞭ですね」
そんな声が聞こえた。どういうことかは分からないが、嫌な予感しかしない。その時、突如鼻に何かを引っ掛けられた。鼻フックだ。
「ひぐっ!いらいれす……!やめれくらひゃい……!」
そんな情けない声を上げてしまった。しかし、3人はやめてくれない。……何かがおかしい。さっきまではこんな人達じゃなかったのに……
「……まさか!」
真耶はバレないように神眼を発動した。何も起こらない。どうやらバレなかったようだ。
真耶は神眼で3人を見た。どうやら幻惑状態に陥っているらしい。どうしてそんなことになったのかは分からないが、仕方がない。
「り、リナさん!お、おやめくらひゃい!」
「やーですよー。マヤ様ー」
「そう……ですか……なら仕返しです!」
真耶は縛られた両足で何とか自分の両手を釣り上げれいるロープを切った。
「あー!良くないですよー!悪い子ですねー!」
「悪い子は……リナさん達の方ですわ!」
真耶は両手を縛るロープを無理やり引きちぎるとその場から飛び退く。
「うわぁっ!」
おっと、忘れていた。両足を縛られていのだった。忘れていたせいで、コケて盛大に尻もちを着く。
「痛たたた……もぅ!」
真耶はそのロープを指で着る仕草をして切り裂いた。
「あれれー、魔法使ってるー。お仕置が必要だなー」
「いえ、魔法ではありませんよ。これはただの拳圧です」
真耶はそう言って空中を殴った。すると、空気中に漂う気体が1つの塊となり一瞬にも満たない速度でリナ達へと飛んで行った。そして、3人は殴られ気絶した。
「……はぁ、一体なんだったのでしょうか」
(もしこれが学園内で起こったことならかなり問題だぞ。何者かが侵入しているということだ。だが、それだとセンサーが反応するはずだ。でも……)
「でも、外から魔法をかけたのなら相当な実力者だ」
なんせ、この学校は入口の門から100メートル程離れている。だから、100メートルの距離を届かせるような魔法を使えるほど強いということだ。
実際のところ、奏のゴッドフェニックスでも威力を落とさずに進めるには100メートルが限界だ。だから、ここまで完璧に魔法をかけるということは、奏以上の実力ということだ。
……もしそうなのであれば、倒すことは難しい。それも、女体化した状態では……
「まぁ、戦いになれば男に戻るだけだがな……」
真耶は小さく呟く。
「ん……」
その時、3人が目を覚ました。3人は目を覚ますなりすぐに体を起こして真耶の顔を見つめる。
「あれ?マヤ様……なんで私達寝てたのでしょうか?」
「あらあら、覚えてないのですか?」
「え?も、もしかして私、何かいけないことをやってしまいましたか!?」
「いえ、皆さんは何もしておりませんわ」
「そ、そんな感じには見えないでス……許してくださイ」
どうやら何も覚えてないらしい。別に、これといってなにかされた訳でもないから怒ってない。だから、そんな謝らなくていいのだが……
「ふふ、別に怒ってませんわよ。さ、皆さん。こんなにお風呂に入っているとのぼせてしまいますわよ」
真耶はそう言って風呂場の扉まで歩いた。皆はそれを追いかけるように、立ち上がるなりすぐに向かった。そして、扉を開ける。すると、そこには先生が4人居た。
「あら?一体どうなされたのですか?」
「知らないのですか?」
「え?どういう……」
「あぁ!」
突如ジェシカが大声を上げた。その声で、ついびっくりしてしまう。そして、その言葉で何かを思い出したのかリナとユーリカの顔が青ざめ始めた。
嫌な予感がする。そして、すぐに理解した。多分、この寮で風呂に入る時は……
「あら、気づいたようですね。では、そこで準備しなさい」
「そ、そんな……先生!マヤ様は今日が初めてなのですよ!今日だけは見逃して貰えませんか!?」
「ダメですよ。ルールですから。そこにお尻を出しなさい。お尻それぞれ100叩きの刑よ」
先生はそう言って色々な道具を取り出した。恐らくあれで100回もお尻を叩くのだろう。だが、それぞれという言葉が引っかかる。
「ごめんなさイ……私達が言わなかったかラ……」
「……仕方ないでわね。罪を犯したのはわたくし達、重んじて受けますわ」
真耶はそう言って先生の目の前に立った。リナ達は、そんな真耶を見て申し訳なさそうに先生に向かってお尻を突き出した。真耶も真似してお尻を突き出す。
「それではいきます。数を数えなかったらやり直しですからね」
先生はそう言い残して真耶達のお尻を力いっぱい叩き始めた。バチィィィィン!という音がする。その音と共に、とてつもなく強烈な痛みがお尻を襲った。
「あ……痛っ……」
その痛みはとてつもなく、誰一人として数を数えられない。さらに、たった1回で真耶達のお尻は真っ赤になった。
「数が数えられませんでしたね。やり直しです」
再びバチィィィィン!という音が響いた。今度は4人はちゃんと数える。
『い、いちっ……!』
そして、2、3回というふうに数は増えていき、お尻は赤くなっていく。しかし、罰は終わらない。途中でユーリカが数を数えられなくなかった。74回というところでやり直しを食らってしまった。
「そんな……ひぎぃ!い、いちぃ……!」
再び1からやり直しだ。そして、30回ほどやり直しをしたところで第1段階の終わりだ。合計で、2600回以上叩かれた。お尻は変形するのではと思うほど叩かれている。その様子は、赤を通り越して血のようだ。
「ひぐっ……いだい……」
「もぅ、終わり……でしょうか……?」
「いいえ、まだですよ。あと、この鞭、革製のベルト、バット、板、棒で叩くのですよ」
「そ、そんなぁ……」
もしかして……それぞれって、全部のやつをそれぞれ100回叩くってことだったの。やだぁ。もうお尻が耐えきれないよぉ。
真耶は涙を流し、先生におしりを突き出しながらそんなことを考える。先生は、10秒ほど休んで良いと言った。その間に全員は震える足の力が抜け倒れ込む。しかし、座ってしまうとお尻が痛い。やはり立っしか無かった。そして、次のお仕置が始まった。それは、地獄のような時間だった。
読んでいただきありがとうございます。感想などありましたら気軽に言ってください。




