第71話 3人の友達
「ひぎぃ!あがぁ!いだいよぉ!もうやめでぇぇぇぇぇぇ!やだぁぁぁぁ!」
メロンの叫び声は強くなっていく。鼻フックをされ、ありとあらゆる拷問を受け始めた。
男の時の真耶ならなんとも思わなかっただろう。だが、女体化した代償がまだ残っていたらしい。つい、目を背けてしまう。
その様子を見ていた2人は、手を握って目を見つめてきた。
「もうここから出ましょう」
「はい……お願いします……」
そう言って3人は闘技場から離れた。闘技場を出ると、既に人だかりは無くなっていた。そして、あれから30分が経っていた。
「もうこんな時間が」
「では、戻りましょ、マヤ様」
「……はい、そうですわね。少し取り乱してしまいましたわ」
3人はそういう会話をして教室に戻った。そして、その日の授業が終わった。
「マヤ様!一緒に帰りましょう!」
「よろしいのですか?嬉しいです!」
「ふふ、マヤ様可愛い」
2人はそう言って頭を撫でてくる。本当は男だからだろうか、すごく嬉しい。ハーレムになってる気分だ。
その時、ふと思った。ルーナ達は大丈夫なよだろうかと。もしかしたら何かにまきこまてるかもしれない。すごく心配だ。その時、真耶の足が止まった。
「あの……」
「ん?何か言いましたか?」
「……いや、なんでもありませんわ」
「そうですか……また何かあったらすぐに言ってくださいね!」
「はい。すごく頼もしいですわ」
真耶は2人に微笑みかけると再び足を進めた。そして、後ろを振り返る。
「……」
聞かなくてもわかってる。この学校から逃げることは許されない。外に出れば罰が待っている。
「ところで、そのお方は一体……」
「あ!気づきましたか!?光栄です!」
「この子は同じクラスの……て、ちょっと待ってください!私達の自己紹介だってまだじゃないですか!もぅ、言ってくださいよ。私はリナ、そしてこっちがジェシカです。そしてこの子がクラスのマスコット的存在!ユーリカですわ!!」
「ユーリカでス。よろしくお願いしまス」
「……あらあら、なんとも可愛い子なのでしょうか。毎日抱いて寝たいくらいですわ」
「ひぇっ!?す、少しだけなラ……」
「本当ですの!?」
つい真耶はそのままの勢いで抱きついてしまった。だが、これは仕方がないことだ。こんなに可愛いなんて抱きつくなと言われる方が難しい。
「ま、マヤ様の意外な一面を見れた……嬉しいですわ!」
リナはそんなことを言ってくる。しかし、真耶はそんなことは気にせずユーリカを抱き続けた。
そんなこんなで何とか寮まで着いた。まさかの、4人全員が同じ部屋でベッドが2つしかなかった。
くじ引きで決めた結果、真耶とユーリカが一緒に寝ることになった。真耶なすごく喜んでいたが、ユーリカは少し嫌がっていた。それは気にしないでおこう。
真耶達は部屋を確認すると、すぐにふろ場に向かう。この寮には大浴槽が地下にあり、そこまで歩いていく必要がある。……ちなみにだが、寮で魔法を使用した場合お尻鞭打ちの刑だそうだ。前にリナがバレて血が出るほど叩かれたらしい。1ヶ月ほど椅子に座れなかったとか……
(怖すぎだろ……)
それにしても、本当に自分は男なのだろうか。こうしてみると、女にしか思えない。1日経つと、もしかしたら自分は女だったのかもしれない。そして、男である真耶が偽物なのかもしれない。そんな考えを持ってしまう。
「どうかしましたか?」
「え?あ、いえ、なんでもありませんわ」
真耶は誤魔化すように微笑むとすぐに浴室まで入っていった。浴室の中はかなり広い造りになっている。
「お風呂なんて入ったのいつぶりなんでしょう」
「あれ?お風呂に最近入ってなかったんですか?」
「え?あ、はい。少々遠いところから来ていたもので、体を拭くぐらいしか出来なかったのです」
「へぇ〜そーなんだー。ダメだなー。不衛生だぞー」
そんなことを言って胸を指でつんつんしてくる。その時はじめて知ったが、胸はつんつんされるとかなり恥ずかしいらしい。自然と頬が赤く染る。
「す、すみません……そのような施設がなかったもので……」
「あれれー、言い訳は良くないなー。そんなマヤ様にはお仕置が必要だなー」
「ふぇ?お、お仕置ですか?」
リナ達は少し怖い顔で見つめてきた。なんだか嫌な予感がする。これは、先に上がらないとまずい。今は皆裸だから何も持ってないのが分かるが、更衣室に行くと分からない。
真耶はすぐに風呂から出ると、体を急いで洗っていく。急いでシャンプーをつけ髪を洗おうとする。しかし、なれない量の髪の毛で手こずってしまいなかなか洗えない。
(うぅぅ、まずいですわ……じゃなくて、まずい。俺はお仕置なんて受けるのはいやだ)
真耶は急いで髪の毛を洗う。しかし、その途中で手を捕まれてしまった。
「きゃっ!?」
「マヤ様ー、ダメですよー、ちゃんと洗わないとー。お仕置もう1つ追加ですね」
「も、もう1つですか!?」
リナの一言で、素っ頓狂な声を上げてしまった。今の真耶からしたら、リナ達の顔は悪魔のようだった。
だが、何故かお仕置をすると言われても悪い気はしない。男の時ならこんなこと思うわけないのに、思ってしまう。
(はっ!もしかしたら、これも代償の1つ……)
「あ、あの……い、痛くしないでくらしゃい……」
『……可愛いですーーー!!!!』
3人は真耶を揉みくちゃにした。真耶は何とか逃れようと必死にもがく。そして、ついに離れることが出来た。
(クッソー、俺ドMになってんじゃん。女体化したせいでこんなことになるなんて……しなきゃ良かったよ)
「マヤ様ー、どこに逃げようと言うのですか?」
「い、いや、逃げるなんてとんでもないですわ」
「そんなこと言いながら後ずさってますよー」
当たり前だろ!逃げないとやられる……
その時、突如背中に冷たいものが当たった。
「んっ!冷たっ!……そんな……壁があるなんて……」
どうやら壁際に追い込まれてしまったらしい。壁があるせいでやられる。いや、壁がない建物なんて無いんだが、今はこの壁を恨みたい。
そして、そんな考えも一瞬で無くなった。3人が飛びついてきたのだ。真耶は逃げきれずに捕まる。そして、どこから出したか分からないロープで両手足を縛られる。さらに、どうしてあるのか分からない、天井のフックに紐をかけられ両手をつられた。
「な、何をするのですか?」
「まずは体を洗います。そして、部屋に戻ったら……にしし」
すごくイタズラしてきそうな目でリナは笑った。そして、ジェシカも真耶の胸を揉みながら笑っている。
真耶自身はと言うと、すごく恥ずかしい。女の子に揉まれているのにすごく恥ずかしい。そのせいで、頬が真っ赤に染まってしまう。
そして、真耶の地獄……いや、今のドM真耶からしたら天国が始まった。
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