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モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
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第68話 簡単な入試

 ━━あれから2日が経った。絨毯で飛んでいこうと思ったが、結界が張ってあり歩くことしか出来なかったためだ。


 そして、皆はセイントマジカル女学園の校門の前に立っていた。


「どうやって入るんですか?ここは度にんでも男性を入れないんですよ」


「こうするのさ。”物理変化ぶつりへんか”」


 真耶は少し校門から離れたところに移動すると、自分の体を魔法で変えた。すると、真耶の体に謎の文字が巻きついてきた。それらは、1つ1つ魔力を帯びており魔法を使用する。


 その文字のおかげもあってか、前より魔法が上手くなった気がする。そして、真耶の体は光に包まれた。


「ま、眩し……!」


 全員は目がくらむ。そして、少しして光が収まってきた。光が収まると、その中からあるはずの無いものを持った真耶が立っていた。


「え……なんで!?」


「どうだ?完璧だろ」


 ルーナ達は、変わってしまった真耶の体をベタベタと触る。上半身には無いはずの2つの山があり、下半身にはあるべきはずのぞうさんがない。


「……おい、さ、触りすぎんなよ。恥ずかしいだろ……」


 真耶は顔を赤くして言ってきた。ルーナ達は顔を真っ赤にして急いでその場を離れた。


「ご、ごめんなさい!……でも、そのままじゃダメですよ」


「何故だ?」


「……ぶ、ブラジャーとか……ぱ、パンツとか……男物じゃ……それに、ブラ無しは……」


 ルーナは顔を真っ赤にして言ってくる。確かにこのまま入れば怪しまれる。もしくはただの変態と言われて罵られるだろう。


 真耶はその場で服を脱ぎ始めた。その様子を見ていた紅音が突然慌てだした。


「おい、なんだよ?」


「お、女の子はそんなことしないよ!!!」


 紅音の言葉がその場に響き渡った。


 ━━それから数十分が経った。真耶はルーナ達にその場に正座させられ、女の子の仕草や、言葉遣いを徹底的に学んだ。


 そして、完全に女の子になることが出来た。真耶はそれが分かるとすぐに実践してみる。


「では、行ってまいります」


『おぉー』


「声まで女の子だ。可愛い!」


「もっと触りたいです!揉み揉みしたいです!」


「や、やめてください。私、そんなことされると恥ずかしいです……」


 真耶は上目遣いで目尻に少し涙を浮かべながら言った。その様子はまるで男だったことを忘れさせるかのようだった。


 真耶は少し微笑んで頭を下げると学校に向かって歩き始めた。すると、校門をくぐってすぐのところで教師らしき人が目の前に立った。


「お前、入学希望者か?」


「え?あ、はい」


「わかった。来い」


 その人はそう言って歩き始める。真耶はその人について行った。


 ━━それから5分後、ある部屋まで連れてこられた真耶は椅子に座らされ問題のプリントを裏向きに持ってこられた。クロバが言うには、その問題は異常に難しく、合格率は1パーセント程しかないらしい。


 真耶は合図と共にプリントをめくって問題を見た。すごく簡単だ。この問題を解けない人の方が少ないんじゃないだろうか。これは楽勝だな。


 その後は魔法のテストだった。自分の得意な魔法で的を壊すというものだ。新技を使おうと思ったがやめておこう。


 ちなみにだが、神眼や時眼クロニクルアイはコンタクトでかくしている。だから、バレることは無い。


 ここは、無難なやつで行こう。安全に、範囲を搾って、かつ威力は高めに……


「”ゴッドフェニックス”」


 真耶の掌から炎の不死鳥が飛び出した。その炎の不死鳥は周りの空気を燃やしながら的に向かって突き進む。


 真耶はその時思った。さすがに威力が大きすぎたかもしれない。物理変化を使ってだしたのはいいが、威力がデカすぎてここら辺全部消し飛ばしそうだ。そうなる前に消しておこう。


「”ブリザードフラワー”」


 真耶は炎の不死鳥を的ごと凍らかした。そして、パラパラと崩れ落ちていき的ごと消滅させた。


「……あ、すみません!すみません!魔法2回も使っちゃって!」


 真耶は即座に謝る。試験官は一瞬のことに驚きすぎて何も言えなくなった。


「……はっ!あ、つ、次の試験に行こうか」


 そう言って試験官は歩き始める。真耶はそれについて行った。


 ━━それから2時間ほどでテストは終わった。実に簡単なテストだった。そして、実に不思議な学校だ。所々に拷問部屋がある。ここは軍事施設なのだろうか。


 そんなことを考えていると、いつの間にか校長室の前まで来ていた。どうやら試験官に着いてきていたらしい。この学校はテストの終わりに校長から合否を言われるそうだ。


「えー、マヤさん。…………合格です」


 だろうな。多分だけど、テスト100点だろ。


「君は素晴らしい!筆記も実技も全て満点!君は天才だ!!」


 だろうな。だって簡単だったもん。まぁ、実技の方はやりすぎたがな。


「ようこそ。今日から君はこの学校の生徒だ!!!」


 ━━それから制服に着替えたあと、少し学校の説明をしてもらい教室へと案内をしてもらった。まだ、ホームルームは始まってないらしい。だから、その時に説明すると言ってきた。


 先生が先に教室に入る。そして、先生の話が始まった。真耶はその話を外から聞く。そして、先生の紹介が始まった。真耶はそれに合わせて教室に入る。真ん中まで歩いて女の子のように自己紹介をした。


「皆様初めまして。わたくし、マヤと申します。よろしくお願いします」


『……』


 その様子は女の子というよりお嬢様と言った感じだった。そのせいか、全員唖然とする。


 ……えぇぇ……反応うっす。


 真耶は心の中でそう呟いた。


「では、これからマヤさんと一緒に仲良くしていきましょう」


 先生のその言葉でホームルームは終わり、皆は次の授業の準備を始めた。


「あの、すみません、教科書とかって……」


「無いですよ」


「ありがとうございます」


 変な学校だ。教科書がないなんてな。いや、そんなことはどうでもいい。今は、クロバの言っていた先生を見つけるのが先だ。


(昼休みにでも探しに行こう)


 そんなことを考えていると、次の授業が始まった。


 そして、時間はあっという間に過ぎ昼休みとなった。この学校の昼休みは長い。1時間半ほどある。それだけ時間があればすぐに見つかるだろう。


「……めんどくさいな。神眼で探すか」


 真耶はトイレに入ると神眼を発動した。一応コンタクト越しにでも使えるようにしてある。この学校の中にある全ての情報が頭の中に流れ込んできた。


「うふふ、見つけたわ」


 真耶はそう言って不敵な笑みを浮かべると早速その場所まで向かった。


 その場所は、霊媒室と呼ばれる部屋だった。他の生徒の話だと、霊媒魔法や解呪魔法を研究する部屋らしい。


 コンコン……


 真耶は部屋をノックした。すると、中から声が聞こえてくる。


「誰だ?」


「今日入学したマヤです。少々お話があるのですが……」


「入れ」


 部屋の中からただならぬオーラが漂ってきた。真耶はそれのせいか、少し身構えてしまった。

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