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モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
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エピローグ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━あの日から1年が経過した。1年という時間はあっという間に過ぎていき、アヴァロンの人々の中から、名前も分からなくなってしまった彼のことを話す人はいなくなってしまった。


 初めはアーサー王や、ラウンズの皆が彼を賞賛し表彰した。歴代の王の中で最も勇敢で、頭が良く強かったとアヴァロンの人々に言った。


 しかし、1年という時間はそんなことをすぐに忘れさせた。


 モルドレッドはそんなことを頭に思い浮かべながら、今日もベランダで彼のことを思う。しかし、毎日思い続けていても、その声や思いが届くことは無いし、気を抜くと忘れてしまう。


 恐らく今この世界で彼のことを覚えている人はモルドレッドしかいない。


「……」


「モルドレッド、何をしている?」


「思想。彼のことを考えていた」


「彼?お前に彼氏が出来たのか?てか、なんでまた口調が戻ってんだよ」


「否定。私に彼氏は居ない。夫が1人だけ。それも、この世で1番愛した人が1人」


 モルドレッドはそう言って空を眺める。言われて気がついたが、自分の口調が戻っていた。


 この口調は彼に出会う前にモルドレッドが人見知りだった頃の口調だ。気がつけば、彼のいる前ではもっと流暢に話していた気がする。


「悲哀。悲しい」


「え?何でだよ。てか泣くな」


「……無理」


 モルドレッドはそう言って下を見つめた。すると、門の前に何かを見つけた。モルドレッドはその場から飛び降りて門の前まで走る。


「おい、我を置いていくな」


 アーサーも後ろから着いてきた。


「これは……!?」


 モルドレッドとアーサーが門の前に着くと、謎の剣が地面に突き刺さっていた。その剣はどこかで見たことがあるような形だ。


 禍々しさも感じるが、どこか神々しさも感じる。だが、それ以上に彼を強く感じる。


「これは……アヴァロンの剣が含まれている。どういうことだ?」


「……真耶……」


「ん?誰だそいつは?」


「……無知。分からない。でも、自然と口から漏れちゃった。この剣もどこか懐かしい気がする。多分この剣の持ち主だと思う」


「この剣って……そう言えば、1年前に王になった奴がいたな。記録も残ってないから名前は分からないがな」


「多分その人だよ。多分……」


 モルドレッドはその剣を手に取った。そして、優しく抱きしめる。すると、誰かから頭を撫でられているような気分になった。


 そのせいでモルドレッドは涙を流す。名前も忘れてしまった彼を思って涙を流す。アーサーはそれを見て少しだけ微笑んだ。


(なぁ、見てるか?真耶。お前の愛した人は今こうしてお前の剣を持って泣いている。なぁ、もしこの言葉が届いたなら、もう一度帰ってきてくれ。なぁ、月城真耶)


 アーサーは頭の中でそう考えると、モルドレッドの頭をわしゃわしゃと撫でた。


「驚愕。何?」


「泣くなよ」


「無理」


「じゃあ泣いてていいから戻ろうぜ」


「……ん!」


 モルドレッドはそう返事をしてアーサーと共に王城に戻った。


「っ!?」


 その時アーサーとモルドレッドはどこかで強い気を感じて振り返った。それは一瞬だったから本当のことか分からないが、それでも感じた。しかも、それはとても懐かしいような感じだ。


「……」


「……行ってみるか?」


「ん!」


 アーサーとモルドレッドはそう言って、その場所に行くために1度王城に準備をしに戻る。しかし、その時まで誰も気がついていなかった。


 今、再びこの世界に危機が訪れようとしていることに。そして、この世界に、理の王者が復活したことに……。

長い間読んでいただきありがとうございます。


 皆様の応援があったおかげでモブオタクの異世界戦記をここまで続けることが出来ました。本当に感謝してもしきれません。


 今後この作品の続編として『モブオタクの異世界戦記Re~復活せし理の王者~』と、『モブオタクの異世界戦記番外編~最強のヒーローと理の王者~』を公開しようと考えています。


 いつになるかわかりませんが、それまで待っていただければ幸いです。


 ちなみにですが、真耶はナスが嫌いだって言ってたけど、ナスの他にも大根や人参も好きでは無いんですよ(ノ≧ڡ≦)☆


 まぁ、そんなことは一旦置いといて、これまで読んでくださったこと、応援してくださったこと、アドバイスしてくださったこと全て感謝しています。


 今作だけでなく、次作も読んでいただけたら幸いです。これまでありがとうございました。

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