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モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
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第149話 関係者

 その何かを倒すとやはりいつもと同じように後ろの壁が壊れやすくなった。


 ……ん?なんでそれがわかったかだって?それはだな、神眼があるからだよ。


 まぁ、それは一旦置いといて、真耶はその壁の前に立ち壁を殴り壊した。すると、当然のように後ろに空間が出来る。真耶はその空間に入っていった。癒優と彩花はその後ろからついて行った。


 それから3分程歩いた。その先にはゲームやアニメで見たことがあるような宝箱が置いてある。真耶はその宝箱を見ると、すぐに蹴り壊した。


「えぇぇ!?」


「何してるの!?」


 2人は驚いて素っ頓狂な声を上げる。真耶はそんな2人を横目に宝箱の中から現れたものを手に取った。


 それは、時計の針のようなものだった。真耶はそれを見て少し怒りのオーラを出す。そして、もう1つの時計の針のようなものを取り出した。


「ど、どうしたの?」


「……当分帰れそうに無いな……」


「え?」


「どうやら俺達が帰るためにはこのパーツを全て集めて時計を作らなければならない。それは前に言ったよな?それでだな、その時計を作るために了解必要なパーツの数は見た感じあと5つだ」


「意外と少ないじゃん」


「そうだ。意外と少ないんだ。だがな、数の問題じゃないんだ。このパーツを全て集めたとして、どうやって合成するのか、それがずっと分からなかったが今わかった」


 そう言って顔をくもらせる。彩花と癒優は少し不安になった。もしかしたら、合成させるために真耶が死ぬのかもしれない。そう思ったからだ。


「もしかして、死ぬの?」


「……いや、死にはしない。下手を打たなければな……。お前ら見てねぇだろうから言うけど、その宝箱に模様が描かれていた。その模様は多分皆も知っている……」


 癒優と彩花はそう言われ少し悩んだ。自分達の知っている模様はなんだろう。そんな考えが頭の中に流れてくる。


 模様、それは多分何かしらの団体のものだろう。そして、癒優と彩花はこれまで勇者と共に行動してきたということもあって、多くの団体と対決してきた。でも、その団体を真耶は知らない。


 と、言うことは、癒優と彩花が知っていてかつ真耶も知っている団体。そんな団体1つしか思い当たらない。


 いや、それを団体と呼んでいいのか分からない。実際のところ、癒優と彩花にも詳しくは知らないのだ。この世界で唯一その団体について詳しく知っていると思われる人物は、何故かその内の何人かと接点がある真耶だけだ。だが、癒優と彩花はそのことについて知らない。だから、2人からすれば誰も本当のことを知らないが、名前くらいは知っている団体なのだ。


 そして、その団体のことを思い出した癒優と彩花は言葉を失った。


「……フッ、分かったか……。そう、この模様はラウンズのものだ。この意味わかるな?」


「っ!?まさか、時の里の人達がアーサーの手下だって言うの!?」


「あぁ、そうだ」


「っ!?」


 真耶の言葉を聞いて癒優と彩花は更に言葉を失った。もうこれ以上失ったら何も喋れなくなりそうだ。だが、2人はそれほどに驚いていたのだ。


「……これでわかったよ。ここまでアイツらの勢力が増してきているなら、早めに潰さなければならないってね。向こうに残してきた人達が心配だ。早く戻るぞ」


 真耶はそう言って周りを見渡し壁に向かって歩き始めた。そして、その壁を殴り壊す。


「さ、行くぞ」


 真耶はそう言って歩き出した。癒優と彩花はその後ろを急いで追いかける。そして、3人は次の場所に向かった。


 それから真耶達が次の神殿を見つけるまでにかかった時間は42年だった。


 ━━一方その頃奏達は……


 拘束されてから1時間ほど経過していた。さすがに1時間も何もしないのは疲れたのか、希望もシュテルも眠ってしまった。


 雷斗はずっと反撃の機会を伺っていたが、何も出来ずに眠ってしまった。しかし、奏達は違った。


 何故かこの紐は時間が経てば経つほど縛りがきつくなっていく。初めはこんなにきつくなかったから胸も苦しくはなかったが、今では縛りがキツすぎて胸が押しつぶされ変な形になっている。恥ずかしいしきつい。今の奏達はそんなことが頭に浮かんで眠れなかった。


 しかも、縛りがきついせいでなにかに目覚めそうだ。所々でこのまま鞭でお尻を真耶に叩いて欲しいなんてことを思ってしまう。


 その時奏達は気がついた。私達は全員変態なんだと。まぁ、そんかことはおいといて、早くここから抜け出す方法を探さなければならない。なんせ、いつまで時の里の人達が、自分達を生かしておくか分からないからだ。


「やるしかないわ」


「任せて。”ウーヴリール”」


 玲奈は小さく魔法を唱えた。しかし、何も起こらない。


「っ!?なんで?”ウーヴリール””ウーヴリール”……」


 何度唱えても魔法が発動しない。しかし、魔力は減っていく。玲奈は困惑した。どうしてここまで魔法が発動しないのか?


「ルーナ!博識スキル使える!?」


「え?あ、はい!”世界の森羅万象を知り、世界を作りしものよ、その知識を教えたまえ”」


 ルーナはいつも通り魔法を唱えた。すると、いつも通り男性が出てくる。しかし、その男性は少し怒っていた。


(……フッ、貴様ら、理を変える者を守りきれなかったな。愚かな。もし、あの者が死にでもしたら、貴様らには死ぬよりも苦しい罰を与える。……ま、それは置いといてだ、1つ言っておこう。そのロープは魔法を全て打ち消す能力が着いておる。だから、手でちぎるか、剣で切り裂くか、理を変える以外に解く方法はない)


 そう言ってこっちを指さして魔力の塊のようなものを投げてきた。


(今回はそれで許してやる)


 男性はそう言って消えていった。


「……どうだった?」


「このロープは魔法が効かないんだって。打ち消す力があるらしい。だから、ちぎるか切り裂くか理を変える以外に解けないんだって」


「そんな……だからこの2人を真っ先にねむらせたのか……て、ルーナちゃん、どうしたの?」


 玲奈は純粋に聞いた。すると、ルーナは少しずつしゃがんでいき顔を伏せる。よく見ると、地面にはヨダレや涙が垂れている。


「ルーナちゃん!?大丈夫!?」


 その問にルーナはフルフルと首を横に振る。そして、かすれるような声で言った。


「博識が……私に罰……を、与えるって……。で、今はすっごくお腹が……痛い……!それに、尿意も……!」


「え?」


 よく見ると、ルーナの腹が以上に膨らんでいる。それに、ぐるぐるというなんだかお腹を壊した時のような音が聞こえてきた。


「もう……ダメ……てす……!」


 そう言って倒れ込む。どうやら博識にお腹を緩くさせられたらしい。そのせいで、下痢の状態になっているのだ。


「……すっごい悪質な嫌がらせね」


 奏は小さくそう呟いた。そして、その数秒後に聞いてしまえばルーナを傷つけてしまうとんでもない爆音の悲痛な音が聞こえ、悪臭が漂ってきたのだった。

読んでいただきありがとうございます。

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