第123話 夜の始まり
「……あっ♡んっ♡やっ♡ダメっ♡」
「ふわぁぁ♡まや様ぁ、そこはらめれす♡そんなに激しくされたら、いっちゃいます♡」
「マヤさん♡んっ♡頭が、トロトロで……あっ♡らめ……れす♡ずっと絶頂です♡」
3人の訳の分からない声が聞こえる。
「……これならどうだ?」
真耶はそう言ってさらに強い力を入れた。すると、突然奏達の締め具合が強くなる。
「……急に引き締めが強くなったな。気持ちいいのか?」
「き、気持ちよすぎだよぉ♡もぅらめぇ♡」
奏はヨダレをダラダラと垂らしながら目をハートにさせて真耶にそう言う。
「ふわぁぁぁぁぁぁ♡イクゥ♡イッちゃう♡」
「もぅイキっぱなしですぅ♡これ以上は……らめぇ♡」
奏、ルーナ、アロマの3人は頬を真っ赤に染めながらそう言ってヨダレをダラダラと垂らす。
真耶はそれを見てさらに不敵な笑みを浮かべる。
「……てかさ、声だけ聞いたら今の状況はいかがわしすぎるだろ」
真耶はそう言って寝そべる奏達の肩甲骨付近に足を置いた。そして、少し強く踏みつける。
「ふわぁぁぁぁぁぁぁ♡それ気持ちよすぎれしゅぅぅぅ♡」
そう言って目をハートにしながら叫ぶ奏を見て真耶は何も言えなくなる。……本当に自分はマッサージをしてるのだろうか。
実際のところ、今真耶達がやっているのはただのマッサージだ。
あの時シャインオーブの力で闇が晴れた。その時今昼だってことがわかった。だから街に帰ろうかと思ったが、時間がかかる上モルドレッドや奏達の疲労が溜まっていたので城下町の宿に泊まった。
全員避難しるため、人は誰もいなかったが、きちんとお金は払ってある。だから安心してくれ。
まぁ、そんなことは置いといてだ、今やっているのはマッサージ。でも、声はマッサージではなくえっちいことなのだ。そもそも、マッサージをして欲しいと言い出したからやったのだが、手でやると痛いだのどうのこうの言いやがったから足で踏みつけることにしたのだ。
すると、気持ちいいとか言い出しやがって。Mだ。超ドMだ。奏達全員はな。
「てか、マッサージでそんな声出すなよ」
「だってぇ♡」
その時、コンコンという音と共にドアが開けられた。
「ん?誰だ?」
「私……」
「モルドレッドか。どうした?」
「真耶くんにして欲しいことがあって……」
そう言いながらモジモジとする。なんだか照れているといった感じだ。なんだか自分はこの感じをどこかで見たことがあるぞ。
……多分日本の漫画で見たな。だとしたらこの後どうなるかわかる。テンプレートならな。
「どうした?」
「あの……その……うぅぅ……真耶くんとセックスがしたいよ!」
な。予想と全然違うだろ。普通ならここは告白してくるところだ。好きです!とか、愛してます!とか、助けて貰って嬉しかったよ。だから、付き合って、とか言うところだ。
なのになんだ?俺とセックスがしたいだと。奇想天外すぎるにも程があるだろ。てか、なんでセックスなんだよ。
「待て、まだ俺とお前は会ってすぐだろ」
「嘘だよ!ずっと前から会ってたじゃん!ヴィヴィアンちゃんとガウェインくんと私で日本の公園で遊んだじゃん!」
「……覚えてたのか?」
「当たり前じゃん!」
「フッ、可愛いヤツめ」
そう言ってモルドレッドの頬をぷにぷにする。そして、鼻を少し強く押して豚みたいにする。
「でも、セックスはまだ早いかな。なんせ、俺か上手すぎてお前ら絶頂状態から抜け出せなくなるぞ。常に敏感な女の子になるぞ」
そう言うと、モルドレッドは顔を真っ赤に火照らせて俯きながら近づいてきた。そして、いきなり抱きついてくると、ポカポカと真耶の胸の辺りを殴る。
そして、ある程度殴り終えると手が疲れたのか急に真耶を抱きしめてきた。そして、ズボンを脱がそうとする。
「おい」
「……」
「……」
真耶も無言でモルドレッドのズボン……いや、パンツの中に手を入れた。そして、お尻を揉みしだく。
「っ!?」
モルドレッドは一瞬驚いた顔になって真耶の目を見たが、すぐに俯いてズボンを脱がそうとしてくる。その時のモルドレッドの顔は、どこか恥ずかしそうな感じで赤くなっていた。
だから、真耶は何も言わずにただモルドレッドのお尻を揉み続ける。奏達はそれを寝そべりながら見つめるだけだった。
そして、ある程度時間が経つとモルドレッドが急にもがき出した。どうやらズボンが脱がせなかったらしい。それどころか、お尻を揉まれ続けて恥ずかしい気持ちが限界点まで達したようだ。
「おい、逃げるなよ」
「……やだぁ♡」
「フフフ……」
真耶とモルドレッドで謎の戦いを始める。だが、この戦いは直ぐに決着が着きそうだ。
「モルドレッド……お尻だけじゃ満足出来ないな」
「っ!?……やめて……くらしゃい……♡」
勝った。そこまで言われれば仕方がない。手を離すか。
真耶は勝ち誇ったような顔でモルドレッドのパンツの中から手を出す。
「……うぅぅ」
モルドレッドは負けたことや、やりたかったことが出来なかったこと、お尻を揉みしたがれたことで頭の中がぐちゃぐちゃになったような気がした。
そのせいで、自然と涙が溢れてくる。
「あ、まーくんが泣かせた」
「マヤ様……こんないたいけな女の子を泣かすなんて……酷いです」
「マヤさんがそんな人だったなんて……」
3人はわざとらしくそう言ってくる。しかし、真耶はこれっぽっちも悪いとは思わない。だって、真耶は悪いことをしてないから。
だから真耶は平然としていた。さすがにそこまでされるとモルドレッドも泣き落としが効かないとわかったらしい。
再び勝った。
「ま、やりたいならもっと場所は選ぼうな」
そう言ってベッドの上に座った。気がつけば空は暗くなってきている。久しぶりに夜空が見えそうだ。
真耶はそんな夜空を見つめながらベッドの上に横になった。
すると、モルドレッドが馬乗りしてきた。
「おい」
「まだ、諦めない」
「諦めろ」
「やだ♡」
そう言って真耶のズボンを何とか脱がそうとしてきた。しかし、本当に無理だと本当に無理だと悟った瞬間に突如ディスアセンブル砲を放った。
「は?」
その攻撃で、ベルトが壊れる。そしてついに、真耶のズボンを脱がすことが出来た。
「……はぁ、そこまでやりたかったのかよ。……仕方ないな」
真耶はそう呟いてモルドレッドをベッドの上に押し倒すような形になるようにひっくり返った。そして、モルドレッドのズボンをぬがした。
「後悔はないな?」
その問いに小さく頷く。そうして、2人の夜が始まった。
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