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モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
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番外編(下) 癒優と彩花との決着

「ほぅ、魔力の衣といったところか」


「そうよ。あなたはこの力の前には何も出来ないわ」


 彩花達は勝ち誇った顔でそう言ってくる。しかし、真耶にとってそんなものはあってもなくても同じだ。どうせ魔法を使えば破壊できる。


 じゃあ、どうしようか。一撃で終わらせるようなことをすれば、あいつらは自信を失うかもしれない。


 かと言って本気の技……例えば、断罪之矢ジャッジメントアローを使えば確実に彩花は死ぬ。癒優なら回復し続ければ耐え切るかもしれないが、それでも1割程度の確率だろう。


「……」


「何よ?」


「いや、どうやって倒そうかなって思ってさ」


 そんなことを言った。すると、彩花は怒る。それで閃いた。怒ったせいで冷静じゃなくなって負けたことにすればいいんだ。


 じゃあ、倒すなら今だ。


「終わりだよ」


 真耶は一瞬で距離を詰めて彩花の首に手刀を決め込んだ。すると、彩花は倒れる。ついでに癒優にも手刀を決め込んだ。


「終わったな。さて、こいつらをどうするか……て、その前に奏達を助けないとだな」


 そう言って檻の前に立つ。今になって思えば、楽しい一日だったな。久しぶりに日頃の鬱憤を晴らすことが出来た。


 本当はまだ叩き足りなかったけどこれ以上やるとお尻が血まみれになりそうだからやめておこう。


「……”物理変化ぶつりへんか”」


 真耶がそう唱えると、檻に人一人分の穴が空いた。正直に言うと、初めから檻から出るのは簡単だったんだ。


 でも、奏達のお尻を蹴りたいし叩きたかったから出なかっただけだ。


「さてと、外すか」


 真耶はそう言って奏の前に立った。そして、ふと思う。今の奏に真耶の体重をかけたらどうなるのだろうと。


 気になったことは直ぐにやる。それが真耶だ。だから、真耶は奏の背中の上に乗って体重をかけてみた。


「ふわぁっ!やだっ!」


 奏は小さくそんなことを言う。しかし、そんな声も真耶には聞こえない。聞こえていたとして、無駄だ。


 そのまま奏は真耶の体重でしゃがんでしまった。


「いぎぃっ!いだぁぁぁぁぁ!」


 奏の悲鳴が聞こえる。真耶はその悲鳴を聞いてすぐにお尻を見た。酷いことになっている。普段は固く閉ざされている門が、今は緩みきって開ききっている。


 まぁ、多少臭いがするが、それ以上に驚きの方が勝ってしまい気にならなかった。


 真耶はそんな奏を見ると、何も無かったかのように静かにその場を去る。そして、かなり遠くから奏の鎖を外した。


「奏、大丈夫か?」


「今ので死にそうだよぉ」


 奏は、泣きながらそう言う。それを見ていると罪悪感に包まれてしまう。……が、真耶はそんなこと気にするタイプの人間じゃないのでやっぱり無視する。


 そして、膝を着いてお尻を上空に向かって突き出しながらさする奏に近づくと優しく頭を撫でた。


「なんだか犬みたいだ」


「もぅ!からかわないでよぉ!」


 奏は真耶の言葉にプンプンする。まぁ、その、なんて言うか、多分こういうのをこう言ったんだろうなって思ってしまう。


 え?なんて言ったかだって?多分誰でも知ってるぞ。多分今の奏を激おこプンプン丸って言うんだろうな。


「てか、まーくん早くみんなを助けないと。アロマちゃんなんかもう力つきて泣いてるよ。浮いてるし……絶対にグ二ーんってなってるよ」


「そうだな。どこがとは聞かないが、早く助けないとだな。”物理変化ぶつりへんか”」


 魔法が発動される。座標、もしくは真耶自身が目視しているものや場所なら遠隔で魔法が使える。真耶はそれを使って遠隔で魔法を発動した。


 皆の鎖やらなんやらが外れる。真耶は1番危なそうだったアロマの所に駆け寄った。


「アロマ、大丈夫か?」


「……」


 アロマはまるで感情が無くなったかのように無表情で何も話さない。


「嫌な記憶だったか……仕方ない。アロマ、俺の目を見てくれ。この記憶を消す」


 そう言って邪眼を発動した。しかし、アロマは急に起きると真耶を突き飛ばす。


「え?なんで?」


「それはダメなの!記憶は消しちゃダメなの!」


「えぇぇ……」


 アロマもプンプンしている。多分今皆と話したら全員激おこプンプン丸だろうな。


「まぁ、何でもいいけどさ、お前ら全員こっちに来れるか?」


 真耶の問いに、全員頷くと歩いてまやの元に向かう。


「どうしたのですか?マヤさん……」


「マヤさん……もしかしてですけど……」


「お察しの通り、帰れなくなったな」


「やっぱり……」


 皆は真耶の言葉を聞いて呆れて何も言えなくなる。しかし、真耶は平然と笑ってる。まるでこの状況を楽しんでいるみたいだ。


「……もしかしてだけどさ、まーくんは帰れる算段がついてるんじゃないの?」


「なぜそう思う?」


「なんとなく」


「フフフ、ご名答。帰れる算段はついてるよ。でも、それには少し代償を払わなければならなくてね」


「代償?」


 皆は不思議そうに首を傾げる。全員シンクロしていてすごいな。そう言う競技に出たら世界チャンピオンなんじゃないかとか思ってしまう。


 てか、このまま日本に帰ったら俺達は全員世界一の身体能力を持つやばい集団になるぞ。


「まぁ、そんなことはさておき、お前らは俺が癒優と彩花で遊び始めたら止めるか?」


 その問いに、誰1人頷かなかった。普段なら止めるはずなのに、皆痛い思いをしたから怒って止めない。


「よし。じゃあ帰れるよ。この空間を作っているのはこの2人だ。だったらこの2人の魔力が乱れればいい」


 だから、こいつらの心を乱せばここから出られるという訳だ。


 真耶はそんなことを思いながらどんどん癒優と彩花の服をぬがしていく。そして、全部ぬがし終えると癒優と彩花の胸を揉んだりお尻を揉んで叩いたりした。


 すると、2人は突然飛び起きる。そして、すぐに自分の服がないことに気がついた。当然2人はその事に酷く困惑する。そして、ある仮説が生まれた。


 真耶が私達を犯したかもしれない


 というような仮説だ。そう思うと突然魔力が安定しなくなる。そして、2人は空間の維持が難しくなってその空間は壊れた。そして、辺りが光に包まれる。


 気がつけば全員は街の道の真ん中にいた。しかも、真耶以外全員裸でだ。


「あ、戻った。一件落着だ」


「全然らくちゃってないよ!」


「私達裸ですよ。恥ずかしいです……」


 皆そう言って顔を赤くする。そして、赤くなったお尻を擦りながらキョロキョロと周りを見る。


「仕方ないなぁ」


 真耶は癒優と彩花に制約の印を書き込むと、皆を連れてすぐにその場を離れた。


「……はぁ、めんどくさい奴らだ」


 真耶は逃げながらそう言う。


「何したのですか?」


 フェアリルが聞いてきた。それに対し真耶は不敵な笑みを浮かべながら言った。


「約束を守ってもらうだけだ」


 そう呟いて真耶は宿に帰って行った。


 癒優と彩花は、真耶との約束を守らないつもりだったが、真耶によって制約の印を刻まれ、1ヶ月の間服を着れなかったという。


 そして、その様子を見て真耶が笑ったり煽ったりお尻を叩いたりして嫌がらせを続けたらしい。


 まぁ、それはまた別の話だけどな。

読んでいただきありがとうございます。

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