第118話 罰
まず1人目……1人目であるルーナはたった10回で立てなくなるほどに弱ってしまった。
両足をガクガク震えさせ、下腹部をびしょびしょに濡らしている。
お尻は真っ赤でリンゴのようだ。
そんなルーナは真耶にお仕置きされたあと、絨毯か、外に出され、お尻を通行人に突き出すような姿勢で立たされていた。
まぁ、実際のところ普通の通行人は少ない。だが、いない訳では無い。正直言って冒険者がめちゃくちゃ多い。その冒険者達は皆ルーナのお尻を見ながら街を出ていく。
ルーナは顔を真っ赤にしながらその恥ずかしさに耐えた。
2人目……2人目はクロバだった。クロバはルーナと同じように1発でダウンした。1発叩かれただけで、その痛みに耐えきれず漏らしてしまった。
しかし、真耶は鬼である。それでもきっちり10回叩いた。クロバはその痛みがとんでもないところまで行ってしまったのか、その後もなかなか立ち上がれず、立ち上がっても馬立の子鹿のように震えていた。
しかし、それでも真耶はルーナの隣に立たせた。クロバはルーナと同じように顔を真っ赤にしながら恥ずかしさと痛みに耐えたのだった。
3人目はアロマだ。正直言ってアロマは強かった。慣れてるのか?と聞きたいほど強かった。だが、真耶の勝ちだった。
1発目は余裕の表情を見ていたが、2発目で突然黙り込み静かに漏らした。やはり、痩せ我慢をするのは良くないな。
最後はアロマも2人と同じようにした。
4人目はフェアリルだ。フェアリルは叩かれる前からダウンしていた。どうやら恐怖心には勝てなかったらしい。
そもそも、フェアリルはこんなことするやつじゃないと思ったんだがな。どうやら俺の抱き枕を作ったのに1番貢献してるらしい。
当然最後は3人とおなじになった。
5人目は紅音だ。紅音はあんまり乗り気では無かったらしい。それを聞いて優しくしようとしたところ、ポッケから俺の絵柄が書いてあるハンカチやらなんやらが出てるのが見えた。
まさかほかのグッズまで作っているとは……
最後はみんなと同じ結果になった。しかし、紅音だけ特別に30回叩いたので、他の人より辛そうだった。
6人目は姉貴だ。姉貴は問答無用で100回叩いた。なんだか途中で泣きながら命乞いしてきたが許さない。
途中で漏らしたが、それも関係ない。問答無用で100回叩いたのだった。
すると、姉貴は諦めて泣きながらずっとお尻を叩かれていた。潔いところが良かったので、いつもより2倍の力で叩いてあげた。
そして、いつも通り皆と同じにした。
最後にヴィヴィアンとリルだが、2人に関しては何も関係がなかったので許してあげた。
そして、ここからが本当の勝負である。ここに寝ている人物……そう、奏だ。みんなの話を聞く限り、この枕を作ることも、作ったのもほとんどこいつが仕切っていたらしい。
だから、この枕を作ったのはだいたい奏だというわけだ。
もしかしたらだが、こいつの家には俺の等身大フィギュアとかあるのではと思ってしまう。
「おい、奏……起きろ」
「んん……むにゃむにゃ……まだ夜だよぉ」
「もう朝だ。起きろ」
「え?」
奏は寝ぼけているのか、少し嫌そうに目を覚ました。体を起こして眠そうに欠伸をすると、その目で俺の顔を見た。
そして、俺の顔を見るなりすぐに正座を決め込んだ。
「いい心けだ」
真耶は奏を見下ろすと、静かにそう言う。
「ごめんなさい」
「うんうん。謝るのはいい心がけだ。だがな、謝ればすむ問題でもないんだよ」
「何で?」
「何でって……こんなのが夜にでまわってみろ。俺が行動しずらいだろ」
「世に出回さないもん」
「で回さなければ良いって言うわけじゃないんだよ。ま、なんでもいいけどさ、普通に考えろ。俺の抱き枕って、本人が見たら気まずいだろ」
真耶が呆れながらそう言うと、奏はフルフルと首を横に振る。なんでだよ。てか、お前が気まずくなくても俺は気まずいんだよ。
てか、俺が寝てる横で俺を抱きながら奏が寝てたら気持ち悪いだろ。ちょっと寝返りをうったら俺がいるとか想像するだけでホラーだ。
「じゃあ、これ以上そういうことやるって言うなら俺は毎日お前を抱いて寝る。毎日胸とか揉むし毎日抱きしめて寝る」
真耶がそう言うと奏は少し驚いた表情をして顔を俯かせる。
「おい、なんか言え」
真耶はそう言うが、奏は俯いたまま何も言わない。てか、よく見ると顔が赤い。
ほぅ、なるほどな。俺を抱いて寝るのは恥ずかしくないのに俺が抱いて寝るのは恥ずかしいのか。可愛いヤツめ。
「あれ?自分はされたら嫌なのか?自分がされたら嫌なことを人にしてたのか?悪いやつだな。お仕置として俺はこれから毎日お前と寝ることにするよ」
真耶がそう言うと、奏は突然顔を上げて真っ赤な顔をして目を見開いた。めちゃくちゃ驚いている。
「わかったか?自分がされて嫌なことは人にしたら行けないんだよ。で、お前はもうやったからお仕置が必要というわけだ」
真耶はそう言って奏の頬をぷにぷにした。そして、お尻を出すように言って出させる。そして、手で叩……かずに、タイキックした。
「いぎぁぁぁぁぁぁ!」
奏がとんでもない悲鳴をあげる。そして、倒れ込んだ。さすがはキックだ。殴るより2倍や3倍の威力が出る。
「これでわかったか?」
「……はい……わがりまじだ……」
奏は泣きながらこさそう呟いた。そして真耶は、倒れ込む奏を抱き抱えると外まで歩いていく。
そして、外でたっているみんなのお尻を1人ずつ叩いて行くと、街の門の前に立った。ルーナ達もなにか察してズボンと下着を急いで履くと追いかけてくる。
奏は門の前に来ると、真耶の腕の中から降りて下着とズボンを履いた。
「さて、この中がインベルの街だ。多分この中に空達が居る」
「出会わなかったしね」
「あぁ……お前ら、準備は出来てるか?」
『うん!』
真耶はその返事を聞いて、不敵な笑みを浮かべた?
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