表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
116/181

第115話 スペースアイ

「だが、ここがバレたんじゃまずいな。絶対なにかしてくるだろ」


 だが、なぜバレた?世界眼ワールドアイはバレやすいのだろうか。だが、ステータスプレートに書いてある感じだとまずバレることは無い。


 なんせ、《《隠密》》だからな。だから、バレることはないはずなのだが……


「隠密を見破ったか?いや、それは無いだろ。もしそういう魔法を使えばすぐにわかるし、隠密を見破れるなら俺が逃げた場所もわかるはず……」


 いや、待てよ。確か、俺がこの世界に介入した理由がアーサーの手下から襲われたからだ。だが、なぜ俺がそこにいるとわかった?俺は世界眼ワールドアイは詰んだっていなかったぞ。


 だったら、もっと別の方法で見つけているはずだ。例えば、俺の生活していた状況を調べるとかな。


 だが、そんなことでいれば俺がすぐに気づくし、他の人が見ればただの変態だ。


 そもそも、なぜ俺とヴィヴィアン達の関係もバレている?あの時見てたのだろうか。だが、それなら視線に気づく。


 それに、なんでガウェインの居場所が掴めない?俺を見つけた能力で見つけられるはずだ。だが、ガウェインは見つけられなかった。


 なにか条件でもあるのだろうか。それとも、そう言った能力の魔法か……


「ま、考えても無駄なことは考えなくてもいいか」


 このままだと俺達は総攻撃を食らってしまう。だが、今外に出るのは危ない。俺を狙っているからと言って俺が外に出たとしても奏達を狙われれば終わりだ。


 まず、どういう魔法で俺達を感知したのか考えないといけない。恐らくだが、魔力感知だろう。俺の世界眼ワールドアイを感知したのだ。他に考えられない。


 だが、なぜガウェインはこんち出来ないのだろうか。なにか条件や魔法があるのかもしれない。


 確か、ガウェインは剣で攻撃していたはず……あ、そういう事か。


 あの時ガウェインはヴィヴィアンの不可視化の魔法を使って俺に接近したんじゃない。あいつ自身の魔法を使って接近したのか。


 だから、気配も魔力も何も感じなかった。なんせ、何かを感じれば俺のオートで発動する魔法が消しているはずだしな。


 だとしたら、それと同じ状況を作りさえすればあいつの追跡から逃れることが出来るということだ。


 さっき手に入れたこの目を使うか。


「”空間眼スペースアイ”」


 空間を移動する目。解放条件はとにかく長い距離移動すること。この目を使えば1度行ったことがある場所なら転移することが出来る。


 しかし、この作りかえられた世界ではこの目で行ける場所は少ない。だが、この目の能力はそれだけじゃない。時眼クロニクルアイと一緒に使えば新たな目となる。


 やるのは初めてだがな。理論上は出来る。いずれ俺が手に入れたらやろうと思っていた魔法だ。


 真耶は1度目を瞑り魔力を溜め始めた。そして、ある程度溜まると左目を見開く。すると、その目には正方形が2つ重なるように浮かんでいた。その重なる正方形は向きが違い、いくつかの三角形を作り出している。


 そして、真耶はさらに時眼クロニクルアイを発動させた。すると、深緑色の光が洞窟内を覆う。そして、真耶は左目の力でどこかに転移した。


 その場所は、全く同じ場所。でも、別の場所。見えてる風景は同じでもいる場所がさっきとは違う。


 そう、真耶が転移した場所は、時空間だった。


「フフフ……成功したな。時空間転移魔法って所かな」


 真耶はそう言ってその場に座り込んだ。これで絶対に安全だ。なんせ、時空間に干渉できる力を奴らは持っていない。唯一持っているとしたら、ここにいるヴィヴィアンくらいだろう。


 そう思うと急に疲れが流れ込んできた。久しぶりに眠い。真耶は奏達の横に布団を敷いてある。真耶はそこまで行って久しぶりの長い眠りについた。


 そして1時間後……


「ん……むにゃむにゃ……まぁくぅん……しゅきぃ……」


 突如真耶の耳にそんな声が聞こえる。そして、何者かが真耶の体に抱きついてきた。


 多分奏だろう。なら気にしなくても……いや気にした方が良いな。今気がついたが、俺の布団に全員いる。そしてなぜだか全員裸だ。


 あ、でも馬車を操縦する人だけ普通に寝ている。さすがにむさいおっさんに抱きつかれたら俺は死ぬ。


 まぁ、それは置いといて、早くこの状況を打開せねば。さっきから奏達が俺のズボンを脱がし始めたぞ。


 ……はぁ、こいつらは俺の苦労を知らんのか。仕方ない。1人ずつ襲うか?いや、それはまずいだろ。


「……はぁ、どうしようか……え?」


 むんずと何かが顔の前に落ちてきた。目の前が真っ暗になる。感触的に誰かの体の一部だろうが……寝相悪すぎだろ。てか、俺の顔の横に太ももが見える。


 てことは……いや、考えないでおこう。


「どうしようかな……痛っ!」


 おい!誰か俺の腕噛んだだろ!


 そう思って顔を横に向けたいが、踏んず蹴られていて避けられない。仕方がない。


 真耶は、左目の力で一旦その場から少し離れた場所に転移した。


「……はぁ、俺の布団……」


 真耶は少し呆れながら布団を見つめると、奏達の元まで歩いていきしゃがみ込んだ。そして、頭を撫でる。


 可愛い寝顔で寝てやがる。こんな可愛い寝顔で俺を弾き出したのかよ。


 真耶は少し視線を下に向けて奏の胸に手を触れた。久しぶりに奏の胸を揉んだ気がする。日本にいた頃は日課になっていたはずなのだがな。


 この世界に来てなんだか俺も変わった気がする。


「まぁ、嘘つきにはなったな。だったら、いずれはこの仮面も外さなければならない。でもそれは、世界をもう一度創り変えた時だけどな」


 真耶のその言葉は暗い洞窟の中に少しの間こだました。そして、真耶は再び眠気に苛まれ、奏達の上に倒れ込むように深い眠りについた。

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ