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モブオタクの異世界戦記  作者: 五三竜
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第113話 休息

 自分のステータスプレートには自分の次のレベルまでの必要経験値が書かれてある。それを見ると、驚くことが書いてあった。


 なんと、真耶が次のレベルまでに必要な経験値の量は3億なのだ。これは、実質カンストみたいなもの。絶対に集まることは無い。


「ん?」


 さらに、もう1つ驚くことが書いてあった。


「フッ、面白いものだな」


 真耶はそう呟いて少し目を押えた。


「あれ?まーくんその目……」


「気づいたか?面白そうだったから使ってみようと思ったが……今はやめておくか。いつか見せるよ」


 真耶はそう言ってステータスプレートをしまった。そして、静かに馬車の外を見つめると深い眠りについた。


 ━━それから2時間後……


「まーくん……まーくん!休憩だよ!」


「ん?あぁ、休憩か……て、俺はずっと休憩してたぞ」


「そうじゃなくて、もう夜だから野営するの!」


 奏はそう言ってプンプンする。起きて外に出ると、そこは大きな岩がある草原だった。どうやらそこには洞窟があり、皆はそこで野営するらしい。


 馬車を操縦する人は馬から降りると馬を引き連れて洞窟の前まで動かした。そして、馬車で洞窟の穴を塞いだ。


 真耶はそれを見届けると静かに当たりを見渡す。確かに、ここで野営するならこの場所が最適だろう。


「あんちゃん、洞窟の中に入ってくれ」


 馬車を操縦する人はそう言って手招きを指してきた。恐らくなにかするつもりだろう。真耶は言われた通り洞窟の中に入った。その洞窟の中は思ったより広く、バレーくらいなら容易に出来そうだ。


 そんなことを考えていると、馬車を操縦する人がバックの中から魔道具を2つ取り出す。そして、洞窟の中と外に1つずつ投げた。


 すると、洞窟の中には青色結界が、外には赤い結界が張られた。神眼で見ると、それは魔物よけの結界だった。二重構造にしているらしい。


「マヤ様、カナデ様、私が張りましょうか?」


「いや、良い。魔力は温存しておけ。……あ、あと、フェアリルにはプレゼントがあるよ」


「なんでしょうか?」


 真耶の言葉にフェアリルは首を傾げる。真耶はバックの中を見て中に手を入れると剣を取り出した。


「お前にこの剣をあげるよ。もし魔物が襲ってきたらそれで倒せ。名前は……どうしたい?」


「……決めて貰えますか?」


「いいぜ。それなら、”妖精麗剣ようせいれいけんハートフルナイト”だ」


 そう言って剣をフェアリルに渡した。フェアリルは最初はおもそうだったが慣れてきたようで、あまり問題にはならなかった。


 だが、今考えてみると妖精剣は重さや攻撃力といった重量級の武器ではなく素早さ重視の軽量級の武器だったはずだ。


 だから、この剣はフェアリルからしてみれば使いにくいかもしれない。いや、そうに違いない。


「フェアリル、スマンがちょっと貸してくれ」


「え?良いですよ」


 真耶はフェアリルから剣を借りると魔法を唱えた。


「何してるんですか?」


「この剣の重さを変えている。この剣自体のステータスの文字を書き換えてるんだ」


「文字を書き換える?」


「あぁ、神眼で見るとこの剣のステータスが見れるんだよ。でだ、神眼を使えばそのステータスに直接干渉出来るわけだ」


 そう言ってどんどん軽量化していく。妖精剣と同じくらいの重さに変更すると、フェアリルに渡してどんな感じか聞いてみた。


「どうだ?」


「しっくりきます……まるで体に初めから馴染んでるみたいです」


 どうやら満足したらしい。かなり高評価を貰えた。だが、気に入ったからと言ってこんな狭い中でブンブン振り回さないで欲しい。


 それに、なんだかこの結界の外にめちゃくちゃ魔物がいる気がする。気配をビンビンに感じるんだが……


「本当にこの結界は大丈夫なのか?」


「やっぱり私が張りましょうか?」


「……いや、良い。俺が張ってみる」


「え!?ま、まーくん結界が張れるの!?」


「わからん。だが、やってみる価値はあるだろ。この先結界を張るのは必須だ。俺が張れたらこの先楽だろ」


「まぁ、そうですね」


 なんだかあまり反応が良くない。絶対に出来ないと思っている。ここは成功させてマウントを取ってやろうじゃないか。


 だが、どうやって結界を張るんだよ。結界の構成物質とかなんなのか全くわからんぞ。魔力を壁みたいにすれば良いのだろうか。


「……」


 真耶は静かにステータスプレートを見た。そこに書かれてあるのは自分のステータスとスキルだけ。だが、その中にいい物を見つけた。


時喰ときぐい……これって魔物にも使えるんだな」


 そう小さく呟くと右目を見開いた。その目には時計の模様が浮かんでいる。真耶は地面に手を付きその時計の針を少し動かした。


 すると、薄い深緑色の光が真耶達を覆う。その光は、謎の文字が周りを公転しており、さらに時計の模様が浮かんでいる。真耶はその深緑色の光をどんどん薄くしていき洞窟を覆い囲む壁のようにした。そして、さらに神眼を使い魔力の壁を作る。これで完成だ。


「名付けて、”クロノヴァント”だ」


 そう言って真耶は不敵な笑みを浮かべた。その目には金色こんじきに輝く時計が浮かんでいた。

読んでいただきありがとうございます。

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