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3.操りムチ

「わかった。私に任せて。この星の平和は、私が護る」

「やってくれるか!」

「買い足しの途中なんですよね?」

「帰る途中に襲われて。荷物も失くなっちまった。今日は店じまいだな」

 拓也は店の方へ向かっていく。

「あ、待ってよ」

 後を追うエルザ。

 ……。

 …………。

 ………………。

 私の中華内二階。

 エルザは拓也の娘の部屋に入る。

 仏壇に置かれた遺影を見ると、エルザにそっくりだった。

(小栗さん、私に娘さんの面影を見たんだな)

 エルザはベッドにどっかと腰を下ろした。

「……!?」

 エルザは壁の崩壊と共に瞬時に部屋の隅に移動した。

「貴様だな? 部下のサーベル暴君を可愛がってくれたのは」

 と、先ほどの怪人とは違う姿のそれが、破壊された壁の向こう側で浮いていた。

「なんだあ!?」

 拓也がやってくる。

「エルザがやったのか?」

「あいつ」

 エルザは怪人を指差した。

「人を指差しちゃ、いけねえんだぜえ!?」

 怪人が部屋に入り込む。

「小栗さん、逃げて!」

「逃さねえよ!」

 怪人は逃げようとした拓也をムチでぐるぐる巻きにして捕らえた。

「おい?」

「ああ?」

「小栗さんを放せ」

「いやだね」

 エルザは怪人に向かって手の平を突き出した。

「何する気だ?」

 手の平から光弾が放たれる。

「うお!?」

 ムチから手を放し、受け身で光弾をかわす怪人。

「危ねえんだぜえ!」

 怪人がエルザに接近する。

 エルザは攻撃をまともに食うが、涼しい顔をしていた。

「威勢だけはいいのね」

 エルザは怪人に膝蹴りを浴びせた。

「ぐおえ!」

 くの字に折れ曲がる怪人。

 エルザは怪人を壁の大穴から外へ放り、自分も部屋から出て空中に静止する。

「さあ、どう料理してくれようかしらね?」

「使えぬやつめ」

 拓也を拘束していたムチが外れ、怪人が力を失って地面に落下して人の姿になる。

「人?」

「ひゃあっはっはっは!」

「ん?」

 エルザはムチを見る。

「そいつは俺の操り人形にしか過ぎない。本体はこの俺だ。お前は強い。その体、いただいてやる!」

 ムチがエルザに飛びかかる。

 エルザはムチをすんでのところでかわした。

「普通ものが飛んできたら掴むだろう!?」

「いや、あんたに乗っ取られると思ったら、避けるべきだと」

「ええい! 俺を掴め!」

「嫌だよ」

「ならば!」

 ムチはエルザから離れる。

「待ちなさい!」

 後を追うエルザ。

 ムチはどうやら器になる人間を捜しているようだ。

「くらえ! バーストストリーム!」

 エルザはムチに向かって光線を放った。

 光線はムチに当たり、粉々に砕け散った。

 エルザは部屋に戻った。

「あんた空も飛べんのか」

「どうする、これ?」

「知り合いの大工に頼むよ」

 エルザは拓也の部屋で一夜を共に過ごした。


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