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[主人公たち!]  作者: 狼の野郎
夜空の星空に捧げる五重奏
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夜空の星空に捧げる五重奏10

ソフィアは牛の化け物サガンから目を離すことなくルディアにしか聞こえない程度の声で話を掛けた


「ルディアは悪魔を知ってるか?」


ルディアもその声を聴き、目を合わせることなく言葉を返す


「吸血鬼とか魔王とかは知ってますが悪魔は流石に」


「だったらどうするかなぁ…悪魔を剝がすのはできないしな」


「剝がすのに何かしら必要なんですね」


「そうだな、悪魔を払うのは魔術でどうのこうのできるわけじゃないからな契約うんぬんかんぬんだからな」


「契約?契約って何ですか?」


「あー知らないのかよ?そうだな平たく言うんだったら生物と関係を結び。力を分け与えるって行為だな、それを契約つって悪魔はそのあたりが得意だったはず」


「そうなんですね、……なるほど」


牛の化け物サガンと目が合った、目が合っても人間ではないため何を考えているかが分からない、


彼女?いや彼の思考は何を考えているのだろう


悪魔は何を考えているのだろうか?世界の破滅とかでしょうか?はは、あのドラゴンとかではないんですからそれはないと思いませんが、ありえるんですかね


「もう大丈夫ですか?大丈夫ならば始めましょう?」


「礼儀正しいんですね、賊のようにルールなんて無用だなんて言って仕掛けるもんだと思っていましたよ」


「ふふ、こちらも一応は王族の末席に座らせて頂いておりますゆえに、それに魔王様方に不敬な態度は取れませんよ」


「良かったじゃないですか、ソフィアさん敬われていますよ、このまま従えたらどうですか?」


何を考えているのか分からないがルディアの言葉にソフィアの反応が一瞬だけ遅れた


「……あ?いやだよ、というか誰が魔王だ、悪役じゃねーか」


「魔の者を統治していれば魔の王ってだけで悪役ってわけじゃないと思いますがね」


「魔の上でも人の上でも上に立ったらならばそいつは王様だ、魔の王じゃなくて魔が王なんだろ」


「そんなのどっちでもいいですよ、私からしたらどっちも変わりませんから」


「ふふ、本当に貴方方は面白い御方たちだ、だからこそスパイスを入れたくなる」


「あー?」


「スパイスを入れるだけでも料理というものは大きく変わりますからね、ではここで一つ、今現状私の姿は牛のように見えているのかもしれませんがこれはあくまで仮の姿なんです、借り物の上に張り付けているだけに過ぎません、詰まるところを言うと貴方たちが出会ったお昼頃の母親思いの少女は今は私の奥深くで眠りについています」


ルディアはだからどうしたなんて言えなかった、この悪魔は本当にめんどくさい事を言ったと素直に思った


「……………。」


「……………。」


「そうしてもう一つお伝えしましょう、彼女の容態を寝ていると表現しましたがそれとはまた少しばかり異なる点がありまして、厳密に伝えるのであれば、そうですね、思考は海の奥深くに沈んでいますが精神は生きています」


サガリが続ける、同時に牛の顔で笑顔を見せた


「私を通じて辛い事や楽しい事、悲しい事、などの気持ちや熱いやら寒いなどの感覚なども共有されますね、勿論痛みなどもです」


そして最後にこの牛は言葉を重ねた、ルディアとソフィアが考えているものを問題とするならばその問題の答え合わせをするように言葉を吐いた


「この世界の人間は案外図太いので先ほどの攻撃では響いていないので安心してくださいね」


「クソが」


ソフィアが小さく悪態をつき、ルディアは両腕を組みながらその現状をもう一度俯瞰し、ため息がでそうな口を閉じた


「てめぇは何でそんな情報を私たちに渡す」


「ん?わかりませんか?」


「お前に攻撃を多くは加えられないことは分かった、これからの戦闘に縛りがあるのも分かった、だがそれを伝える意味がわからない、どう考えても先の事項を私たちに伝えるメリットがお前にあるのか?」


「そうですね、端的に言うのでしたら勝つためです、格上の二人に勝つために、勝負に負けたくないので戦略を練っただけです」


「はぁ、格上と感じているのでしたら諦めてその身体から出て行って欲しいんですが」


「私にもプライドというものは存在しておりますし、やるべき事がありますから」


サガンの返答にルディアは一つめんどうくさそうにため息をついた


「さてこれで全てが終わりましたかね………魔術は展開してありますのですでに会場は整っております、夜の明かりは今が一番輝いて居おります。オーディエンスは居ませんが星たちが我々が奏でる音たちを聞いてくれるでしょう。さぁさぁ魔王様方!挑ませていただきます!」


虚空から牛の悪魔サガンは自分の身長と同等程度の長さをもった禍々しい斧を取り出し、地面を抉るように斧を振り構えた、そして全ての行動を終えた牛は夜空に向かって吠えた、空気が震え、大気が震え、心が震えるような咆哮だった


それがもう一度開戦の合図と化した

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