狂った少女は夜に照らされ静かな笑みを浮かべる13
友達を見送った後に起きる少しばかりの余韻に浸った後、ダリアがルディアに向かって声を掛けた
「さてと、今日は解散でいっかな」
「え?いいんですか?ツバメさんから情報を貰ったからこれからと思いましたが」
「えぇまぁ、一通りの情報は貰ったね、だけど、これ以上護衛に関しては必要ないかな、そこまで危ない所にも行かないし、それに少しばかり日が落ち始めちゃってるし」
「こちらはお金を受け取っているので酷使されてもかまわないんですが‥‥まぁダリアさんが言うのであれば」
「うん、それで大丈夫かな‥‥無駄足になりそうな所に連れて行くのにも気が引くからね」
「無駄足?」
「うん、無駄足・‥‥‥ま、いっか。今から行こうとしてるのは殺人未遂鬼の被害者のところなんだけど、多分、無駄足になるかな~って」
「それはどうしてですか?被害者であるのであれば何かしらの情報は手に入るのでは?」
「う~んとね、先ずツバメさんとの情報交換の内容を話すとね、被害者やら、襲われた場所うやら時間帯の情報は得られたんだけど、ツバメさんの口からは殺人未遂鬼の情報が一切出なかったの、一切、何一つとも‥‥彼女が意図的に情報を隠している可能性は考慮はできるけども、国の声を聞いていても目立った情報は出てこないんだよ」
「そうですね、私も”存在がいる”と言う事だけしか知りませんね」
「でしょ、それでね、ここまで殺人未遂鬼の情報が出てこないってことは勿論被害者からの情報なんて期待できないだよね~」
「そうなんですね・‥‥‥‥‥やっぱりあれなんですかね。後ろからぐさりってやられたからこそ情報がでないとかなんですかね?」
「ん~その可能性があるのも否定できないけども、どちらかというと記憶を弄られているんじゃないかと思ってるんだ、あんまり確信はないけどね」
「なるほど、だったら魔術ね」
「そうだね、うん、うん、多分ね・‥‥多分…‥ま、だから大丈夫よ、危ない所も行かないしね」
「わかりました、ではここで解散ですね・‥‥気を付けてくださいね」
「ありがと‥‥じゃあまたね」
ルディアはダリアの後姿を見送る
人二人戦闘ができる路地で一人、ルディアはただただ自分の目線の高さにある傷跡にゆっくりと触れる
ただただ目についた傷に触れた、好奇心だけでその傷に触れる
その傷には何もなかった、魔力すら載っていないし、特別何かあるわけではない、だただた何かしらの武器で作られた傷だった
その行動に飽きたのか彼女は「今日の夕飯は何にしようか」とのんびりと考えながら帰り道を歩き始めた
お日様は徐々に徐々に落ち始めていた、夜は必ず訪れる。
前回の区切りがいい所で区切ったつもりが、次の話を考えるとここで区切ったほうがいいと思いまして‥‥非常に短くなっておりやす




