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[主人公たち!]  作者: 狼の野郎
前日譚 夢を見て空を見る少女 
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夢を見て空を見る少女40

ルディアはアルの足に挟まりながら、アルはルディアを足で挟みながら、後ろから抱き合うような形で花たちの上に二人はぺたりと座り、花弁たちの舞を眺めていた


「ルディアは魔法や魔術に関して考えたことはあるか?」


「ないですね、どこまで行っても便利な道具ぐらいの感覚しか持っていないですね」


「だろうなぁ、まぁ大体の人は便利に使える道具ぐらいにしか考えてないだろうな、じゃあもう一つだけ、ルディアは魔法や魔術を一番最初に開発した人を知ってるか?」


「…‥知りませんね、アルさんは知ってるんですか?というかいるんですか?」


「ふっふっふ‥‥私も一切知らないんだなそれが」


「知らないんですか…」


「歴史学者とかじゃないからな、その辺は全く知らないな、あ~あぁ、でもあれか、歴史学者でも分からないかもな」


「どうしてですか?」


ルディアとアルはゆっくりと問答を続ける


目の前の幻想的な光景を目に焼き付けながら


「だってさ魔法は世界を飛ぶことができるんだぜ?そう考えると、この世界の人間が魔法や魔術を開発したとは限らないだろ?開発したのが平行世界の人間かも知れないし、ずーっと遠い世界の住人かもしれない、はたまた私たちが届かないところにある世界の住人かもしれない、一周回ってこの世界の人が初めに開発したのかもしれないな」


アルはゆっくりと続ける


「話が少し逸れたな‥‥ま、魔法や魔術っていう技術があるんだったらさ、知らない世界の住人だか平行世界の人だか、とおーい世界の住人の誰かが開発したってことだろ?」


「そうですね、自然発生する物でもありませんしね」


「だろ?だったらさ、その初めに作った人が考える魔法の存在意義って何なんだろう?って考えたんだよ、何を思って魔法なんてものを作ったんだろうって思ったんだよ、ルディアは何だと思う?」


「何なんでしょうね、昔の人の気持ちは良く分かりませんね」


「だろうね、私にも絶対的な正解は分からない、だけどさ、私は一つだけ正解に近いと思っているものは一つだけあるんだよ」


アルはゆっくりと続ける


「最初に魔法を開発した人間はきっと、人を笑顔にしたい、人に笑顔を与えたい、人に心の底から笑っていて欲しいっていう優しい思いで作られたと思うんだ」


アルはゆっくりと続ける


その間も魔法で作られた花たちは幻想的に素敵に、心に残る様に踊り続ける


「なんでですか?」


ルディアの澄んだ声をがアルの耳に届く


それは疑問の声、なぜそう思ったのか、と馬鹿にするわけでもなく、ただ単純の疑問をぶつけられている声だった


アルは少しだけ貯めた後ににやりとルディアに笑顔を見せながら言葉を紡いだ


「魔法の存在意義っていう、空白の解答欄に一つの答えを与えてもいいんだったら、”人の笑顔のため”って書いたら素敵だろ?」


「…‥‥‥‥‥‥ふふふ、そうですね、素敵ですね」


無茶苦茶な解答だった、だがそれがアルさんらしいとも感じられた


「だからさ、私はさ、魔法は人を笑顔にするために存在してるって思ってるんだ、まぁだから私はあまり戦闘とかは得意ではないんだけどね」


「良い考えじゃないですか、魔術が、魔法が人の笑顔のために存在しているか‥‥オーローンさんは何を思ったんでしょうね」


「さぁね、ただ私と同じような解答になるんじゃないか?」


「そうですね、きっとそうですね」


いつの間にか花弁の舞は終わっていた


花たちも疲れたのか風に身体を預けて右へ左へゆらゆらと揺れているだけだった


だがそれでも花が一面に広がっているだけでも幻想的な光景だ


「アルさん、私もその考え貰ってもいいですか?」


「考えって?」


「魔術の存在意義です、人を笑顔にするために魔術が存在している、そんな素敵な考えだからこそ私もその考えを抱いて生きていきたいんです、私もアルさんみたいに‥‥この綺麗な…幻想的な物を作りたいから、私も人を笑顔にできる魔術を作りたいから…」


「あぁ全然いいぜ、持ってけ持ってけ、ただ・‥‥そうだな‥‥‥じゃあ一つだけ条件を付けさせてくれ」


「条件?」


「そそ、条件だ、いいか?」


「私にはその条件を飲むしか選択肢は残っていませんよ」


「その心意気よーし!じゃあ言うぞ~…・‥‥‥ルディア、その”魔法”が完成したら、最初に私に見せてくれ、私はずーと君の近くににいるからさ」


アルはにっこりと笑い、ポンと一つ、頭に手を乗せる


「…‥泣かせに来ているんですか…なんなんですか…本当に‥‥えぇ…えぇ…最初にアルさんに見せますよ、人を笑顔にできるような”魔法”を、きっと、絶対に」


「よし、約束したからな、楽しみだな」


「楽しみにしといてください!」


銀髪の少女は太陽のような笑顔を見せる


お互いの話は終わった


物語は一区切りとかした


どちらかが言ったのか分からないが、立ちあがり二人は吸血鬼の国へと歩きだしていた


二人が住んでいる魔道具店へと


仲良く二人、手を繋ぎながら‥‥‥帰路につく




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