表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[主人公たち!]  作者: 狼の野郎
夜空の星空に捧げる五重奏
106/109

夜空の星空に捧げる五重奏23

夜の独房の中で綺麗な音色が聞こえてくる、声は明らかに幼いどこまでも幼く聞こえるが、だがその歌を聞いているとどこか妖艶な雰囲気を感じ取ることができた


アルが独房の前へと音もなく立つ


「やぁ昼ぶりだな」


どんな言葉をかければいいかわからなかった


「あぁ!お姉さんだ、助けに来てくれの?」


「あーあーまぁまぁ‥‥うーん」


アルは歯切れの悪い返事を返す、その様子を見てアヤノは不思議がりながら首をかしげた、それは少女らしい少女のような振る舞いをする紛うこと無き少女であった


だからこそ人は騙されてしまうのであろう、だからこそ人は本質を見間違えてしまうのであろう、本物は何か、ということを


「どうしたの?助けてくれないの?………。」


アルの目の前、ある程度整備されている独房の奥には今にも泣きそうな顔をした少女がそこにいた


少女の気持ちをトレースするならばそれが正解だろう、そのように振る舞い、そのように演技し、そのように動作をする


それは言ってしまえば自動人形さながらの決まった動作にしか見えなかった


さぞ苦しいだろうな


「なぁそれで楽しいか?」


「……何を言ってるの?お姉ちゃん」


「そんな窮屈な皮を被っていて楽しいのかって聞いてるんだ」


「おっと、先に言っとくが私はどっちの味方でもないぜ?火の粉が降りかかれば屠るぐらいのことはするがな」


「……………」


アヤノは口を開き言葉を紡ごうとした、その顔は酷く大人びていた


だがお前ではない、私がお話をしたいのはお前ではない


その顔をしたお前ではないのだ


アルはアヤノの目を除く、奥底にあるであろうその人物の目を


「お前と話したいって誰が言ったんだ?私はアヤノと話したいって言ったんだが?ルディアに負けた悪魔さん?」


「……………。」


また顔が変わる、大人びていた顔からまた変わった、全てがつまらなそうな顔、全てに興味がなさそうな顔、煌びやかな未来に夢を見ていたような少女の顔ではなく、嫌なほどに大人びていた少女の顔でもない


ただただ興味が薄く、何も見ていない少女の顔がそこにあった


「何故分かった?どこで分かった?お前とはお昼しか喋ってないぞ」


「いや私は気づいてはないぞ、情報があっただけだ」


アルはいつも通りに普段通りに魔術を使用して独房に侵入し壁にもたれあぐらをかいた


「まぁどーせ時間はあるんだ、ゆっくりと喋ろうぜ?時間が無くなったら伸ばせばいいしな」


けたけたと笑いながらアルはアヤノに伝えた、そこには緊張感なんてものはなく、本来の姿を見れて嬉しいのかはたまた楽しいのかアルは上機嫌に言葉にしていた


配信やってて楽しくてね、やれんくね。まぁのんびりと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ