夜空の星空に捧げる五重奏18
ルディアは周りを見渡す、右を見て、左を見る、上を見て、下を見る。それらの行動を起こして分かったことはただの一つ、ただただ真っ暗だった
前を歩いても、右に歩いても、左に歩いても、後退してもどっちに行ったとしてもその先は見えないでいた
進んでも進んでも目的の物は見えない、だが進むべき道は見えていた
手で鎖を握っていたから、その手を握って目的の位置まで進んでくれていたから
だからこそ進むべき道は見えていた、進むべき場所へと歩を進めることができた、ここが何処か、ここが今何なのか分からないが、今必要なものと繋がっているのであればそれだけで十分だった、考える必要性は無かった
何十歩、何百歩、何千歩、何万歩歩こうが不安という感情は一滴たりとも湧き上がることなく、歩を進められた
秒数という感覚がなくなり、分という感覚なり、時間という感覚がなくなり、右という感覚がなくなり、左という感覚がなくなり、下という感覚がなくなり、上という感覚がなくなり、暗闇だけが身体で感じることができる
それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んだ
黑い、暗い、無明の、漆黒の、闇の、そんな世界を
それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んだ
何にも感じられない世界を、何にも知覚できない世界を、何にも体感できない世界を
それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んだ
風すらないのに後ろに引っ張られるような、立ち止まってしまいそうになりながらも、それでも手にある鎖をただ信じて
それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、それでも歩を進めた、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んで、進んだ
鎖はずっと手を繋いでいてくれた
鎖は絶対に手を離さないでくれていた
鎖はずっと私を認知していてくれた、だからこそ私は崩れることなかった
だからこそ、
だからこそ、だからこそ、見つけることができた
ルディアはバッと目を開く、その目に映るのは煌びやかに光り輝いている夜空と目の前で自身の手から伸びている鎖に繋がれているサガンが同時に目に入ってきた
サガンを固定していた鎖達は既に空中へと粒子となり消えており、サガンもルディアと同様に自由落下を始めていた
星空はただただ静かに物事を見ていた、空に音は存在せず、ただ聞こえてくるのは落下の際に聞こえてくる耳を駆け巡る風の音のみ
ルディアはただ物事を成すことに集中する
もう既に掴んでいる、もう既に固定している、それは形無き物だけれども私が繋げて存在を証明させた
だからそこに”ある”ことがわかる、だからこそ無血で終わることができる
最後の動作を乱暴に雑に大雑把に引き起こす、自由落下を伴いながらルディアは鎖が繋がっている右腕を真後ろに向けて振り払う、鎖はその動作に連鎖をするようにムチのように跳ね上がりサガンの心臓から何かを引っ張りだす
鎖は空中にどす黒いどろどろと溶け続けている球体という何かを先端に絡めとりながら自由落下を始める
ルディアは地面にいるであろう王様に向けて大声で緊迫した声で叫んだ
「本体!!!彼女を!!!」
いつの間にか普通の少女へと変化をしていた彼女を指を指しながら、短く伝えたいことだけを圧縮した言葉を放った
配信楽しんだよな




