美琴はモテるかモテないか
「と言っても、何を買えばいいんだ?」
恋愛経験が無い俺には、高1の女子が欲しいもの何て分からんぞ。
「アクセサリーとかか? う〜ん、でも、この金額じゃ安いやつになるしな……」
アクセサリーがダメなら…… 服?
いや、俺オシャレとか良く分からんし。
香水かな?
どるちぇあんどがっ○ーなでも買ってみようか……
これも無理だな。
「美琴のことだし、食材かな」
そうと決まれば、美琴にメールだ。
[今日の晩ご飯何? 食材買って帰ろうと思う]
[今日はカレーにしようかな]
[ルーはある?]
[ある。具材買ってきて]
[分かった]
「ありがと]
カレーね……
人参と、玉ねぎと、ジャガイモと……
牛肉いるかな?
せっかくお金があるんだし、買っとくか。
チョコレートを入れると美味しくなるって、聞いたことあるけど……
まぁ、どうせ失敗するしいらないか。
あ、そうだ。
これも買って帰ろう。
美琴の大好物だし、喜ぶだろうな。
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「ただいま〜〜。買ってきたよ〜〜」
「あ、お帰り」
「ほれ、具材だ」
「人参と、玉ねぎと、ジャガイモと…… 牛肉?」
お、びっくりしてるな。
「結構良いやつ買ってきた。20万円稼いだからな」
「お兄ちゃん…… 人殺した?」
「は? どゆこと?」
「だって……そんな大金人でも殺さないと手に入らなくない?」
「いやまあ、確かに魔物は殺したけど…… 今日の依頼Dランクだったし」
「ふーーん」
美琴が俺に疑いの視線を向けてくる。
「いや、少なくとも人は殺してない!」
「なら良いや」
はぁ、何で俺ってこんなに疑われるの?
実の妹に。
カレーのいい匂い。
「最近カレー食べてなかったからな〜〜」
「そういえばそうだね。大体…… 3週間くらい? 正確には分からないけど」
「そんなに食べてなかったっけ?」
「うん」
そりゃカレーが恋しくなるわな。
カレーが出来上がった。
「やっぱりカレーは美味しいな」
「お肉が入ってるしね」
「前はカレーに牛肉なんて勿体ないとか思ってたもんな」
「それ! あって豚肉っていう感じ。あ、そだ。お兄ちゃんて冒険者でしょ?」
「ああ、そうだが?」
「彼女できた?」
「…… ふっ、晩年モテない男に彼女ができるとでも?」
「え〜〜、できてないの〜〜?」
「あったりめぇよ!」
「お兄ちゃん多分モテると思うけどね。優しいし」
「それだけでモテたら苦労しないよ。そういう美琴は?」
「私もできてないよ!」
「自信ありげに言うことじゃあない」
「だってウチのクラス私よりも可愛い子とか普通にいるんだもん……」
「美琴は十分可愛いと思うぞ。家族補正かかってるかもだけど」
「最後の一言余計だよね」
もう一度言います。
蓮はモテてました。高校で。陰ながら。
え? 筆者?
筆者が…… モテる…… うっ頭が……!