Cランクの採取依頼
「ん? Cランクの採取依頼?」
俺がCランクの依頼を受けようと依頼用紙を見ていると、採取依頼が目に留まる。
「Cランクに採取なんてあったんだな」
内容は、深緑の森という森にある、
『エリクス』という花を取ってきて欲しいそうだ。
『エリクス』は、あの有名なエリクサーの原料で、特に深緑の森に多く自生しているらしい。
深緑の森はここから北に少し歩いたところにあるのだが、なぜCランクかというと、
そこに生息している魔物が結構強いからだという。
まぁ、強いと言っても、実際はDランク程度らしい。
「報酬すごいな。受けよ」
しかもこれ、採取は10本で報酬が20万円、さらにエリクサー1本付き!
これは受けるしかない!
「これ、受けさせて下さい」
「かしこまりました。……でも、良いんですか?」
「? どういうことですか?」
「確かに、エリクスは深緑の森に多く生えてますけど、多いと言っても他より多いってだけで全然見つからないんです」
「え、そうなんですか……」
「まぁ、依頼達成できなくてもペナルティはありませんし、受けても良いですけど、どうします?」
「受けます。夢を見たいんです」
「そうですか…… 1本も見つからないのが普通なので、見つからなくても気を落とさないで下さいね」
「はい、覚えておきます」
うまい話には裏があるってこういうことなのか?
裏ではないような気もするけど、きっとこういうことなんだろう。
深緑の森は、樹海みたいになっている。
樹海ほど広いわけではないが、雰囲気的に。
もっと整備されてないかと思っていたが、街道も、休憩所もある。
そんなところにエリクスは生えないだろうけど。
というわけで、獣道みたいなところに入り、絶賛迷い中です!
どうしたらいいですか?
「どうしよ……」
完全に迷った。
迷ってお陰でエリクスは5本手に入った。
やったね! 20万円とエリクサーだよ!
……出られれば、だけど。
「方位磁針でも持ってくれば良かった……」
樹海では方位磁針は狂うというが、あれはデマらしい。
「何かいい方法は…… はっ! 思い出した!」
日光と腕時計で方角が分かる方法があった!
ま、腕時計家に置いてきたんですけどね。
「最終手段だ…… 一直線に歩き続けるぞ……」
太陽の位置と、さっき11時だった頃から、大体南と思われる方角に歩き続ける。
体感2時間後……
「や、やっと出られた……」
ついに深緑の森を脱出。
速攻でギルドに行く。
実際は3時間経ってました。
「エリクス見つけました……」
「え⁉︎ よく見つけられましたね?」
「迷っていたら、いつのまにか5本ありました」
「あ、迷ったんですね」
「方位磁針も腕時計も持ち合わせてなくて……」
「次からは気をつけてくださいね?」
「はい、善処します」
そんなこんなで20万円とエリクサーを貰い、帰宅。
「ただいま〜〜」
「お帰り〜〜。今日の晩ご飯もカレーだよ」
「お、2日目のカレーか。あれ美味しいんだよな」
「美味しいよね〜〜。温めるから、待ってて」
「ありがと」
やっぱりカレーは美味しいと思いましたまる
エ○ァ、終わっちゃいましたね。
続いて欲しいな……