昇格試験
ギルドに行くと、受付の人が話しかけてきた。
「申し訳ありません。この間言うのを忘れてたのですが、北条さんはDランク依頼を達成されたので、Dランクへの昇格試験が受けられます」
「昇格試験、ですか?」
「はい、Eランクの魔物20体、Dランクの魔物2体のどちらと戦って勝利するか、Dランクの審査員の方と勝負して認められれば、Dランクに昇格ができます」
「そうなんですね。それって、いつでもできるんですか?」
「はい、ギルドの休業日以外なら、いつでもできます」
受けてみようかな……
もっと稼げるかもしれないし。
「じゃあ、受けてみます」
「では、どの方法でしょうか?」
「う〜ん…… Dランク魔物2体で」
「分かりました。あの広場の前で、少々お待ち下さい」
へ〜〜、あの広場、何のためにあるんだろうと思ったら、このためなんだな。
10分くらい待った頃、
「お待たせしました。準備が出来ましたので、広場にお入り下さい」
俺は言われた通りに広場に入る。
居たのはオークが2体。
「終わりましたら、この扉から出てきて下さい。では、ご健闘をお祈りいたします」
受付の人はそう言って、広場と建物を結ぶ扉を閉めた。
「オークなら早く終わるかもな ーーアイアンランス 顕現ーー」
俺はすぐに槍を出し、オーク達と向かい合う。
「グガァ!」
「グギャァ!」
2体まとめて襲いかかってきたので、後ろに下がって距離をとり、
1体目の心臓付近に槍を刺す。
それでそのオークは動かなくなり、俺はもう1体のオークに注意を向ける。
「グガァ!」
そいつは足元の石を拾い、投げてこようとする。
「やばっ! ーーアイアンシールド 顕現ーー」
盾を出し、そこに身を隠す。
何回も連続して、オークは石を投げてくる。
石が無くなったのか、投げてこなくなる。
「ーーアイアンランス 顕現ーー」
消えた槍をまた出し、攻撃に備える。
「グガアァァ!」
オークは全速力で突進してきた。
「槍相手にそれは悪手だぞ」
俺は決め台詞的なことを吐きながら、オークの太ももに槍を突き刺し、
足を切断する。
オークは力尽き、崩れ落ちる。
よし、これで昇格だな。
扉を開ける。
「終わったのですか?」
「はい」
「分かりました。確認をしますので、もう少々お待ち下さい」
そう言って、扉に入っていく。
受付の人が直接確認するんだな〜〜
と思いながら待っていると、すぐにその人は出てきた。
「オーク2体の討伐を確認しましたので、昇格が出来ます。冒険者カードをお出しください」
「え〜と…… はい、お願いします」
「はい。…………これで、昇格が完了しました。Cランクの依頼まで受けられる様になりましたので、受けてみて下さい」
「はい、ありがとうございました」
昇格って簡単なんだな。
いやまぁ、Dランクだけかもしれないけど。
今は…… まだ11時か……
早速Cランク依頼受けてみようかな。