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それでも竜は・・・ ~幻想世界の就業日誌~  作者: 富田ホッケ
第零章 それはそれは突然に
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0-2

 有給休暇の申請を決意して、今日は寝ようとしてみましたが、・・・眠くない。

 まあ、眠れない夜なんてものは誰にでもあるでしょう。それでも明日はやってきます。ええ、明日の仕事はやってくるのです。

 ならば寝なきゃいけません。

 そんな時は、ビールでも飲んでベットの中で目を閉じれば、あら不思議、いつの間にやら朝になってたりするのです。


 そうと決まれば話は早い。まずは冷蔵庫・・・ないね。まあ仕方がない、無いものはないんだから。

 若干心残りですが、大丈夫。ベットに潜り込んでしまいましょう。


 うん、まあ無いよね。ベットもまあ、ないよね。仕方がありません、何故なら僕は今、『森』の中にいるのだから・・・


-------------------------


 状況を整理しましょう。

 『僕』の名前は『佐々ささき 大和やまと』35歳。独身。

 そこそこの大学を卒業後、都内の中堅商社に就職し、営業一筋14年。そろそろ『課長』の文字が見えてきました。

 趣味は読書とサッカー観戦。たまに釣りになんかにも行きますが、どちらかといえばインドア派かな。

 最近の悩みは近所の奥様に「お見合いでもしてみない?」なんて言われること・・・


「お主、何をぶつぶつ言っておるのだ?」

「あ、まあ、状況整理、いや、確認ですかね・・・」


 うむ。記憶はしっかりしているようです。

 さっきまでは靄がかかっていたような感覚でしたが、今ではスッキリ。周りもよく見えます。


-------------------------


 天を摩するほどの巨木に色づく深緑の葉が風に揺らめき、木漏れ日が、敷き詰められたような萌黄色の野に光のモザイクをかたち創る。遠く水の声。鳥のさわめき。真綿色の花々が白銀に輝き、妖精たちを照らしだす・・・


 ・・・ん・・・妖精?オレ今、妖精って言った?


 おっといけません。思わず一人称が・・・確認せねば。隆々と佇む巨木に身を隠し、白い花の上を今度は注意深く・・・そこはかとなく犯罪臭がしますが、気にしたら負けです。


 状況確認。そう、状況確認です。覗き!ダメ!!ゼッタイ!!!

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