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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
第一章
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従兄襲来04

アーノルドの進言に興味を引かれたらしく、お祖父様の頃からある書斎に行く事にしたスティーブ。

良かった、これでレッスンを邪魔されずに済む。


(…なんて思ってしまう私は、大人げないのかしら)


いくらスティーブが気に食わないにしろ、此処まで敵意を剥き出しにしていて良いのかとも思えてくる。


「お嬢様、ダンスの先生がお見えになりました」


アンリに呼ばれ付いていくと、先生と話しているスティーブの姿があるではないか。アンリの笑顔が固まり、アーノルドは申し訳なさそうな顔を此方(こちら)に向けている。


「アリス、先生の許可を貰ったから、俺も行く事にしたよ。それにしても、先生がアリスのダンスの先生だったとは思いもしませんでした」


話の発端から推測すると、この先生はスティーブにも教えていたとわかる。


「アリス様のお父様が、スティーブ様のお父様の弟であられるとは伺っておりました。ですが、此方(こちら)のお屋敷でスティーブ様とお会いするとは。私も思いませんでしたよ」

「先生に教えて貰う期間が短かったからですね。ほら、アリス。行くぞ」


(勝手に話を進めてるんじゃないわよ!私の意見は無視ですか、そうですか)


部屋に着くと、先生は閃いたと言わんばかりの顔でとんでもない事を言ってきた。


「ワルツを一曲、スティーブ様と踊ってみては如何でしょう?私と踊るのも良いですが、折角ですので」


(要らんお世話だわ、先生!)


内心荒ぶってきた私は、気持ちを落ち着けつつやんわりと返す。


「先生の仰っていらっしゃる事もわかりますが、なにぶん始めたばかりで。人と踊れるほど上達しておりません。兄様と踊るのはまたの機会にでも」


先生以外と踊るのは構わない。

うん、全然良いよ。

私もそれなりに踊れるようにはなったからね、練習した甲斐があったから。

はっきりと踊りたくないとは言わないで、遠回しに断ってみる。

先生はそうですか…と渋々納得してくれた。

対するスティーブは少し笑い、私を見て肩を竦めた。


「上達する為に、俺と踊るんだよ。わかってないな、アリスは」


(わかるわよ。わかってるからこそ、遠回しに断ってるのよ!そっちこそわかってないじゃない!)


先生はスティーブの肩を持ち、最終的には私の方が折れると言う事態に。

…えええ、このままスティーブと踊るなんて。

内心でずっと毒を吐き続ける私を知ってか知らずでか。

ニコニコと喰えない笑顔で私を見つめるスティーブ。

…殴り飛ばしたいわ。

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