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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
第一章
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従兄襲来01

私の誕生日も、もう既に昨日の事。

親戚のお家に行く前日、朝からなにやらバタバタと忙しそうにしているメイドや執事たち。

私の着替えのお世話をしてくれてるアンリに、何事なのかと問い掛ける。

すると、私の望んでいない答えが返ってきた。


「…お嬢様には大変申し上げにくいのですが、お嬢様が起きられる少し前に、スティーブ様がお越しになりました。私共もなにも聞かされていなかった事から、急にお越しになったとの事で…。お嬢様は居ないのかと言われ、今は客間にてお待ち頂いております。あの…お嬢様、大丈夫ですか?」


表情が引き釣るとは、まさにこの事だと思う。

顔がひくひくっと動くんだもの。 …なにがしたいの、あの従兄は!


(大丈夫な訳がない!此方は関わりたくないって思ってるのに、なんであっちは関わりに来るの?なに、嫌がらせ?)


着替えを急ぎ、客間で待っている従兄の元に急ぐ。


「あぁ、やっと起きたのか?寝坊助なんだな、アリスは」


(あんたが来るのが早いのよ!此方は朝ご飯もまだなんだからね!?)


「スティーブ兄様こそ、お早いお越しですね。…親族が集まるのは、明日と聞いてますが。日にちと場所を間違われたのですか?と言うより、叔父様の家ですから、間違う筈もありませんよね?何故、この家にいらっしゃるのですか?」


スティーブはやれやれと言わんばかりに肩を竦め、此方(こちら)をチラリと見る。


「俺はただ、一足先に誕生日プレゼントを届けに来たんだよ。…其処に置いてあるのが、父様たちからのプレゼントだよ」


帽子、ドレス、靴のセットだよ。 …叔父様たちの所は男ばかり。

弟であるお父様の所は、私と兄たちだから。

娘が欲しかったと、また溢されるんだろうな…と頭の片隅で思う。


「では、用件は済んだのですね?…ならば、お引き取り下さい。叔父様たちが心配なさいますよ?」

「執事長に言ってきたから大丈夫だ。それに、今日は此処に泊まって、明日一緒に戻れば効率も良いだろ?」


(こんにゃろ…!言うに事書いて、効率が良い!?寝言は寝て言うものよ!)


静かな怒りで震えていると、側に控えていたアンリが割って入ってくれた。


「お話中失礼致します。スティーブ様、旦那様と奥様にはお話になられたのでしょうか?」


そうよ!お父様とお母様の許可がないと、いくらスティーブでも勝手に泊まる事は出来ないわ。

…お父様とお母様の事だから、普通に許可をおろしそうよね。

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