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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
プロローグ
4/41

閑話 アリスお嬢様との出会い

じいちゃんとばあちゃんに連れられて、将来俺が使える事になるお嬢様とやらを見に来た。

その時の感想、一言で言うと可愛い。

毛先に少しクセのある綺麗な金髪、ぱっちりとした二重にサファイア色の瞳、長めの睫毛、子供のわりにはスッとした鼻筋に、さくらんぼのように赤い小さな唇。

人形とも見間違うような容姿の、小さな女の子。


「どうだ、可愛いであろう?」

「アリス様と言って、三歳になられたばかりなのよ」

「じいや、ばあや、そのおにいちゃんはだあれ?」


ばあちゃんがアリスに説明をして、じいちゃんが俺にアリスの事を説明してくれた。


「アリス様とお兄様方は、仲があまり良くないのだ。だから、お前が面倒を見て差し上げなさい」


(俺が、アリスの…?)


男の俺が、アリスを見られると思ってるのか?じいちゃんは。


「わたし、アリス。よろしくね、ルーにいさま!」


とびっきりの笑顔で俺を兄様と呼ぶアリス。

キュン。…なんだこれ、ときめいたぞ。

アリスの可愛さに、ときめいてしまったぞ。

じいちゃんを見ると、アリスの可愛さに見悶えている。


「…あー、アリス。俺の事はルーイで良いからな」


きょとんとした顔で頷く姿も、また可愛らしい。


「アリスのことも、アリスってよんでね!ルーイ!」

「アリス様、呼び捨てを許すなど…」

「いいの!じいや、ばあや、ルーイ、おにわいこ!」


小さく柔らかな手が、俺の手を取る。

庭に行くと、調えられた赤バラたちに出迎えられ、その圧巻さに驚いた。

そんな俺にもっと驚く事を言ったのは、紛れもなくアリス本人だった。


「ルーイ、わたしだけのひつじさんになってね!」


急に言われて理解出来なかったが、専属執事になれと言う事なのか?


「まぁ、アリス様…。“ひつじ”ではなく、“しつじ”ですよ。ルーイ、今日からビシビシ鍛えるかな!」

「じいちゃん、羨ましがるなよ」


良いな良いな!と思ってるのバレバレだかんな。

アリスは嬉しいのか、明るい笑顔で俺を見ている。

…はぁ、執事になる気はなかったんだけどな…。

アリスがこんな顔をしながら俺を見るんだ、少しくらい頑張ってみるのも良いか。


「じいや、ルーイにやさしくしてね!アリス、ルーイがだいすきだから!」


…あっ、じいちゃんのオーラがメラメラと燃えてる。

ばあちゃん、笑ってないでじいちゃん止めて。

ヤキモチ妬いてんのバレバレじゃねぇか。

この日から俺はアリスに惚れ、じいちゃんのスパルタな日々が始まったのは、言うまでもない。

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