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両親は悪役貴族、娘の私は悪役令嬢…よね?  作者: 葦原 さくら
プロローグ
2/41

五歳の誕生日02

誕生日会も早めのお開きとなり、私は自室のバルコニーから外を眺めていた。

明後日には、親戚のお家に行って久々の顔合わせするみたい。

そう考えると、憂鬱で仕方がないのだけど。

私はまだ五歳の子供で、聞き分けの良い子としての設定を、貫かなきゃいけない。

じいやとばあやには、バレてしまって…甘えまくっているけれど。

…一番バレたくなかったのは、じいやとばあやの孫に当たる男の子。

名前はルーイで、私の五つ年上。

じいやとばあやの孫と言う事で、この屋敷に出入りを許されている。

この家の、未来の執事候補だとオースティンが笑いながら言っていた。

…だって、オースティンとサラの子供でもあるから。

シャノンにしてみれば、可愛くない甥っ子…とでも言うのだろう。

彼奴は生意気にも程がある!

って憤慨していたくらいだもの。


(…でも、何故か憎めないのよね…)


そりゃ…私にも生意気な口を叩くけれど、それは私が五歳の女の子としか知らなかったから。

私の中身を知ってから、ルーイは少しだけ私に対する態度を変えた。


「――また考え事をしてるんですか?お嬢様…?」


開きっぱなしの扉をノックしながら、片腕を組んで此方の様子を伺っているルーイ。

…イケメンだからか、そんな姿も絵になる。 十歳なのにね?


「おはよう、ルーイ。今日は早いのね?」

「質問に答えてませんね。…何を考えてた?」


真剣な表情のまま、私の目を真っ直ぐに捉えるルーイ。

十歳の子供が、こんな表情をするなんて…。


「貴方の事を考えていたのよ、ルーイ。私の事を知っているのは、じいやとばあやを除ければ、貴方だけだから。サラとオースティンに話すと思っていたけど、話さなかったみたいね?」


私の答えに少し表情を綻ばせるけど、すぐに怪訝な表情に変えてしまった。


「…俺は、お前からすれば口の軽い奴に見えていたのか?」


(あらあら、口調が戻っちゃってるわよ? もう、仕方のない子ね…)


「そうじゃないわ、信用してるもの。…けど、私の話を信用してくれた事に驚いてはいるわ」


あんな途方もない話を、じいやとばあやだけでなく、ルーイまで信じてくれるなんて。

私からすれば、信じられないもの。こんな話。


「アリス、眉間に皺が寄ってるぞ」


眉間の皺を指で指され、ぐりぐりと遊ばれる。

…ルーイは豆腐の角で良いから、頭を打てば良いんじゃないだろうか。

イケメンなんだから、そんな事しないでよ。

おばさん勘違いしてしまうし、照れてしまうじゃないの。

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