十六話
ほぼ進んでません
セシリアとルナマリアが帝都に向けて出発してから3日、私はこの世界について知らないことが多すぎるのでこの三日間、街の図書館に通い歴史やこの世界の国々について調べていた。
この世界は四つの大陸とその周りに大小さまざまな島があるらしい、その中で私が今いる大陸はエアリース大陸と言い、エアリース大陸で暮らしているのは人族と多様な亜人族たちだ。
エアリース大陸には様々な国がありその中でも大陸中央部のバルムン帝国とナキア聖王国が一番大きい国のようでこの両国は長い間、戦をしていたらしいがここ十年は休戦状態のようだ。
バルムン帝国はこの防衛都市ライラックが所属していてセシリアとルナマリアが今帝国の中心である帝都に向かっている。
バルムン帝国はその歴史が千年以上も続き歴代の皇帝も有能な者が多くその治世はとてもいいようだ。国の国教は実力至上主義で有能な者なら人種や貴賤問わず登用している。
対するナキア聖王国は本よるとバルムン帝国より古い時代から存在しているらしいが正確な年代はわからないらしい、そんな聖王国は国の教えてとして人族至上主義を説いていて亜人族に対して差別をしている、国の中枢は歴史のある貴族が占めており平民などは仕官することが出来ないらしい
帝国と聖王国が長い間戦っていた理由は聖王国が自国にいた亜人族を迫害し耐えきれなくなった亜人族が帝国に移住したことがきっかけで聖王国側は帝国が聖王国の民をさらったと難癖つけて軍を進め帝国側はそんな聖王国の理不尽な進軍に抵抗するため軍を展開した。
聖王国側はこの進軍で帝国の領土を占領するつもりだったらしいが帝国側は進軍してくる聖王国軍を国境の砦で撃退して逆に聖王国に進軍したらしい。
戦いは帝国が圧倒的に有利ですぐに決着がつくと思われていたらしいが聖王国側は自国が不利とさとると帝国に近接している他の国も巻き込み帝国が聖王国領内に進軍出来なくして戦線を膠着状態にして長い間帝国との戦を続けていた。
そんな帝国と聖王国が停戦をしているのは聖王国側が長年の戦で民草が疲れているのを理由に停戦を呼び掛けたようだ。元は聖王国側が戦を起こしたのに身勝手な話だが帝国も民が疲弊しているのはわかっていたのでこの話しに応じて停戦したのだ。
そんな帝国のなかで最南東の辺境にこの防衛都市ライラックがあり更に先に進むとエアリース大陸の南東の大半を占める魔の森が広がっている、魔の森はとても広くて森の最奥に行き着いた者は誰もおらず奥地には古代文明の遺跡があるだとか巨万の財宝があるだとか様々な噂がある。
この三日間で分かったことはまとめると聖王国はクソ野郎ということだった。
図書館での情報収集を終えた私は次にギルドのクエストを受けるために依頼書を確認しにギルドに来ていた。セシリアとルナマリアが帝都から戻ってくるまでに少しでもランクを上げておきたいのだ。
~ギルド依頼掲示板前~
掲示板には街の住人や役人から森のモンスターの討伐や薬草などの採取、後は街でのお手伝いなど様々な依頼書が発行されている。
「取り敢えず街に居るよりは森でなにかする依頼なら他の冒険者に絡まれることも少ないだろうし討伐系の依頼があるといいが……っとその前に少し待たないとな」
掲示板の前には今日も依頼を受けに多くの冒険者が集まっており、そんな冒険者の人混みを少し離れた場所でアイリスは人が減るのを待つことに、
暫くすると依頼を受けた者から出ていき掲示板の前にはまだ依頼を受けていない冒険者が2.3人がいる程度になった。
「そろそろ良いか、さてどんな依頼があるか……」
掲示板を覗くと様々な依頼書がありそのなかで自分が今のランクで受けられる依頼書を見繕う、ギルドに入りたてのGランクで受けられるのはこんな感じの依頼だった。
G-ランク依頼
街の清掃活動のお手伝い
迷い猫の捜索
宅配のお手伝い
薬草採取
はぐれゴブリンの討伐
ets……
「やはり最初のランクだとこんな依頼しかないか……ゲームの頃は最初からギルドには行かずにモンスターを狩っていたからわからないが冒険ものの小説にあるような初心者向けの依頼か」
依頼書は余り難しい物は無い、いくつかある討伐系の依頼も複数人で受けるように指定されている。この指定は冒険者に成り立ての初心者が一人で依頼を受けて無駄死にしないようするのと魔物だろうとも命を奪うにはためらってしまう者もいるために隙をつかれて大怪我をする者もいるのでその隙を作らせないように複数人での行動をするようにギルドが依頼にこのような条件をつけている。
このような初心者用の依頼についている条件はランクを上げるとなくなる。
「………討伐系は他の冒険者との行動が必要か……しかし、セシリア達以外に知り合いの冒険者はいないし……」
掲示板の前で依頼書をにらむこと数分、ふと一枚の依頼書に目を止める。その依頼書はこんな内容だ。
G+ランク依頼
草原の調査
最近森と反対に広がる草原で森にしか現れない魔物を見かけたと言う情報が入ったので調査をお願いします。ギルドより
報酬 中銅貨 十五枚
この依頼は今日張り出された物みたいだが、ギルドからの依頼なのに誰も受けようとしないのか残っている。
「平原か……森は一人で行けないなら平原でもいいか……」
そうと決まればさっそく依頼書を受付に持っていくことに、受付には他の冒険者の対応を終えたナタリアがいたので彼女の所に依頼書を持っていく
「すまないが、この依頼を受けたいのだが……」
「はいは~い、ちょっとまって……ってアイリス!貴方どこにいたのよ。セシリア達から貴方を面倒みてって頼まれているのに肝心の貴方が来ないんじゃ二人に対して任せといてって言った私が恥ずかしいじゃない!」
「………私はそんなこと知らないのだか………」
「なにか!」
「……………………いや………別に……」
依頼を受けようとナタリアの所に依頼書をもってきただけなのに何故かナタリアに知らないことで理不尽に怒られること10分、ナタリアはようやく落ち着いたのかアイリスが手に持っている依頼書に気づく
「ったく……あら、その依頼書は…」
「……この依頼を受けたいのだか……」
そっとナタリアの前に依頼書を置くと彼女は依頼書を確認してこちらに視線をもどす。
「この依頼は街を森とは反対側の北側に出てもらい三時間ほど歩いた場所で森にしか出ないオークがいたと言う情報がギルドに寄せられたのでその調査をギルドからの依頼として出したのだけど………誰も受けようとしないよね~」
はぁ~、とため息をつきながらナタリアは説明を続ける。
「依頼の内容的に三時間歩いて一定の調査をしてくるだけなんだけどその調査基準が余りはっきりとしてないのよ、ただ行って調べてきましたーなんて言われても信用できないし、そもそも情報自体が勘違いだったなんたよくあることで、だけど本当だったら一大事になるから無視もできないし………とまぁいろいろめんどうが多い依頼だから報償金も少ないし冒険者は受けようとしない依頼なのよ。そんな依頼だけど本当に受けるの?」
なにやら面倒が多いみたいだがそんな依頼なら他の冒険者に会う可能性は少ないだろうと考えて私は余りのオススメしないと表情に出ているナタリアに受けることを伝える。
「…構わんよ。この辺りの探索ついでとギルドからの依頼なら少しはランク上げの足しになるだろう。」
「確かにギルドからの依頼は評価が他の依頼よりも多いけど、この依頼自体が達成されない事が多いからオススメしないけど……まぁ貴方が受けたいと言うなら別に条件はないから受けられるわ。」
そのあとはギルドカードをナタリアに渡し、依頼を受けていることをカードに記録してギルドを出て依頼地である平原を目指すことに、
次は平原で戦闘するかな?




