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8:人は一人で勝手に助かるだけ






 普通の生活をしていると、土下座による感謝など受けることはない。

 まして、その数が数十名によるものなど一種の脅迫でしかない。


 「や、やめてください!そんな感謝されるようなことは、頭を上げてください」


 あれから恐る恐る顔を出した村人と合流し、監禁されていた大半の人たちを解放したことで、村の英雄扱いを受けていた。


 お互い恐縮し合い、話が全く進まないので、ご厚意に甘えて一人になれる部屋と食事などを用意してもらうことにした。


 「はぁ~・・・こりゃ有り難いわぁ」


 村長宅の客間。

 だされた食事は、白米、たくわん、味噌汁、野菜の煮付け。

 和食である。

 さらに、食後のコーヒーまで付いていた。

 聞いてみると、一般的な食事であり、質素で申し訳ないと謝られてしまった。

 いやいや、むしろこれは嬉しい誤算です。

 飯マズ世界など、正直ダルいだけです。


 すっかり夜も更け、体も拭いて、後は寝るだけなのだが、どうしても確認したいことが残っている。


 「クタクタだけど、やっと落ち着くことが出来たし、これしなきゃ眠れないよね♪」


 自身のスペック確認である。


 盗賊共を射殺しながら、何度もレベルアップの感触は得ていた。

 それにイシュタルチャンスの時に、高ランクスキルに振りまくった結果も検証していない。

 

 「やっべ、もしかしたら超チート機能入っちゃってたりして」


 オレはステータスを表示する。




============

LV21 川本 淳平 32歳

フィジカル:E

メンタル:D

称号:[招かれざる者][ジャイアントキリング]

   [対集団×20]

固有仕様:[最適化]

固有スキル:[リロード]

ポイント:590P

スキル(劣化版):

[モデリング]使用制限につき、凍結

[空間収納]神・魔 種族固有スキルにつき、凍結

[魔力無限]神族 種族固有スキルにつき、凍結

[飛翔]神・魔・龍 種族固有スキルにつき、凍結

[時間停止]神族 種族固有スキルにつき、凍結

[不老不死]魔族 種族固有スキルにつき、凍結

[神出鬼没]魔族 種族固有スキルにつき、凍結

[万物創造]神族 種族固有スキルにつき、凍結

[森羅万象]神族 種族固有スキルにつき、凍結

[アカシックレコード]神族 種族固有スキルにつき、凍結

============




 「そっちかぁ!」


 まさかの種族縛り。

 どんな劣化機能かと考えること自体が甘かった。


 なんとなく知ってたけど、再確認。

 甘くないぜ、異世界・・・


 そりゃそうさ

 プレステ4のソフトは、プレステ2やウィ~なんかで使用できる訳がない。

 最高ランクのスキルは高位種族のモノで、人族に扱える訳がなかったんだ。


 「ソート機能で、種族別にしなければならなかったのか・・・すっげぇ落とし穴!誰だって落ちるっちゅーねんっ!」


 もういっそ清々しい。

 ここまで全てのスキルが無駄なのなら、開き直るのも容易というものだ。


 オレはタバコに火をつけ、もうスキルは無かったモノとしてレベルアップに注目する。


 レベル2から、一気に21である。

 こんなに上がるものかとも思ったが、称号[ジャイアントキリング]から察するに、かなり格上の存在だったのだろう。

 ヤバかったな(汗

 [対集団×20]というのも、そのままだろう。


 フィジカル、メンタルも順当に1段階上がっている。

 銃撃の反動が、少し軽く感じていたのはこれが原因だろう。


 ポイントは予想より多い。

 こうなると取得法則が分からなくなるが、たぶんレベル10などのところでボーナスポイントでも付くのだろう。

 多い分には問題ない。



 「あれ?そういえば・・・」


 固有使用[最適化]

 イシュタルが現れたことで、この項目はまだチェックしていなかった。

 タッチして説明項目を見る。


 [最適化]

 仕様的不都合を、川本淳平の最適な状態へと変換。

 *言語変換 *ステータス可視化操作


 「・・・こんなところに爆弾が隠れていやがった」


 固有仕様という時点でユニークなのだろう。

 異世界で言葉が通じるのも、こうしてステータス操作が出来ることも、この[最適化]さんのお仕事の結果だったということだ。


 そんな真相に驚いていると、突然別ウィンドーが表示される。


======

取得スキルにバグを多数確認

最適化 実行可能: 許可  ・  不許可

======



 「マジかよ・・・」


 これは凍結中の劣化スキル達を指しているのだろう。

 本来、人族では絶対に取得出来ないカテゴリーを[女神の祝福]というイレギュラーで、考えなしに放り込んだもんだから、システム的にはバグと関知している訳だ。


 「ふぅー・・・どうせ使えないスキルだしな」


 オレは実行を選択した。


=======

 承諾を確認


 最適化実行を開始

 アップデート実行のため、強制スリープモードを開始します

=======




 そこで、オレは気を失った。









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