2:上手くなりたい!上手くなりたい!上手くなりたい!!
早速、ブクマしていただき有難うございます。
励みになります。
頑張ります。
「クソッたれぇぇぇ!!」
迫り来る三匹のゴブリンに対して、萎みそうになる心を奮い立たせながら、ヤケクソとばかりにこちらからも打って出る。
この体では逃げることも不可能だろう。
まごまごしていれば先ほどの繰り返しだ。
ゴブリンなどモブだ。
小学生三人が襲ってきたところで、本気でぶつかれば負ける気はしねぇ!
殺す
ゼッテェ殺してやる!!
距離にして10m。
横並びで迫り来る三匹のゴブリンは、中央のヤツだけがナイフを所持している。
オレは棍棒を握りしめたまま、痛む体を無視して走り出す。
「おおおぉぉ!!!」
咆哮をあげながら接敵する中央のゴブリンへと向かって、思いっ切り棍棒を振り下ろした。
ゴギィッ
リーチの差が、見事ゴブリンの鎖骨付近を捉える。
棍棒越しに骨を砕くイヤな感触を感じた。
オレはダッシュからの振り下ろしで、体の制御が取れず、その勢いのままで打ち付けた中央のゴブリンに、のし掛かるように倒れ込む。
逆にその行動がフェイントとなったようで、両脇のゴブリンは振り返り、たたらを踏む。
「くっ、、は、早くっ」
倒れた痛みなど無視して、ゴブリンが握っていたナイフを探す。
いまだ握られていたそのゴブリンの腕を掴み、噛みつき、強引にそのナイフを奪い取る。
その間、背中や肩を残りの二匹に引っかかれ、殴られはしたが、絶対に優先順位を間違えたりはしない。
オレは奪い取ったそのナイフを、押し倒したこのゴブリンの鳩尾へと、素早く突き立てた。
「ゴギャァァ!」
叫ぶゴブリンを無視して、ナイフを抜き、今度はオレの左横にいたゴブリンへと、タックルを仕掛けるように飛びかかる。
そしてゴブリンのわき腹を、右斜め下から肋骨の下を通すように、ナイフで突き上げる。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」
悶えるゴブリンを革靴で蹴り飛ばし、最後に残ったゴブリンへと対峙する。
アドレナリン全開で、完全にゲリオン化しているオレに対して、ゴブリンの表情からは怯えの色が見える。
ここからは呆気なかった。
踏み込み、ヤクザがドスを突き刺すように、ゴブリンの腹めがけてオレの体ごとぶつかり、確実にナイフを突き刺す。
「はぁ、はぁ・・・くっそぉ、なんなんだよぉぉ!!」
何度も滅多刺しにして確実に止めをさし、膝をついたまま、空へと向かって理不尽なこの状況に怒声をあげる。
******
ピコーン♪
******
頭の中でチャイムが鳴る。
「っ!?」
驚き、周囲を見渡すがなにも変化はない。
そして、立ち上がろうとして気が付いた。
体中の痛みが消えている。
慌てて体中をチェックするが、全ての傷が消え、むしろ軽く感じる。
「これは、、、もしかしてレベルアップ回復というヤツか?」
ぬるいRPGでよくある仕様だ。
レベルアップと同時にHP/MP全回復。
こんなに嬉しいことはない・・・
そして、さらにこれで確定した。
はい、二次元体験入りました。
しゃあっ!
キタコレ!!
そして、なにコレ?
いいよね?
もう確定でいいよね?
「・・・・・・」
3秒ほど葛藤・・・
はい、受け入れました!
理解しましたっ!!
オレ、ヤル、ココデ、ガンバル。
はい、喜んでっ!
前向きだよ~
状況受け入れてるよぉ~
適応力パッねぇよぉ~
あらヤダっ・・・申し子?
うっしゃしゃしゃしゃ
やったるでぇ
あとは、この世界の仕様について検証しなければ。
これでスキルや魔法が無いってことはあり得ないだろ。
体が回復し、少し余裕が出たところで死にかけたリスクより、期待値が上回った。
さぁ、スタートです。
いきなりゴブゴブでしたが、ここからが本当の異世界転移です。
考察するぞぉ~
ステータスとか、スキルや魔法やら・・・
まずは、ステータスが出るのかどうかから、腰を据えてジックリ試してやるぜ♪
って、決意してたら11時の方角よりゴブリンが二匹、こちらへと走って来た。
「おい、エンカウント率、高すぎだろ・・・」
そして、次の曲が始まるのです。