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15:汚れたと感じたとき分かるわ、それが






 愛とは信じる事じゃない・・・


 疑わない事だ!


 そう、オレは疑わない

 アナタの微笑みを

 アナタのメガネもそのけしからん胸も・・・

 人妻だろうがサブマスだろうが、そんなことはどうでもいい。

 オレはアナタを疑わない。

 オレの中の本当のアナタはオレに話しかけてくれる

 たとえ怯えた表情をして逃げ出したとしても

 オレのメガネはオレに話しかけてくれる


 「はなせぇー」


 オレだけに話しかけてくれる

 その完璧なルックスだけで良いんだ

 性格や設定なんてオレが勝手に決めればいいんだもの

 君はただメガネで笑ってくれれば良いんだ


 「それはホントの君じゃないんだっ!オレは知ってい・・・」


 オレは君を疑わない


 「おいっ、早くそいつを取り押さえろ!!」


 オレだけは・・・




 そこにはもう、ストーカーしかいなかった・・・




 「本当にぃ申し訳ありませんでしたぁぁ!」


 オデコを何度も地面にぶつけ、立派な土下座がそこにあった。


 現実を受け入れらなかったオレの乱心は、最悪の形で爆発していた。

 鬼気迫る必死の謝罪に、なんとかギルド職員よりお許しを得ることが出来た。


 その後も、女性職員から汚物を見るような視線を向けられはしたが、数名の男性職員からは、人目の無い場所で地下組織[眼鏡信仰教]という教団の勧誘を受けた。


 フッ・・・なんとも下らない教団だ・・・


 オレは二つ返事で入団を決意した。


 簡単な手続きを行い、ギルドメンバーとしての登録を終え、賞金を受け取り、同志とアイコンタクトで挨拶を交わしてギルドを後にする。



 建物前は円形場の広場となっており、多くの人が往来している。

 オレもその流れに逆らわず、人混みに紛れて歩き出す。



 さて、

 おい、サポ助。

 そろそろいいぞ。


 <ジュンペイはん、アンタ無茶し過ぎや。暴走すんのもええ加減にしとき!>


 オレは歩きながらタバコに火をつけ、邪魔にならない場所へと移動する。


 「ふぅー・・・オレの夢がそこに居たんだよ・・・そんなことより、どうだ?なにか掴めたか?」


 <アカンね。受付のコンソールには表面的な事務情報しか管理してなかったわ。組織としての規模も実体も、防衛都市としての現在の状況も、それらしい情報は特になしや。けどな、普段、斡旋しているクエストなんかは、基本人助けになるもんばっかりやから、積極的な戦争の犬って感じはせんかったよ。むしろクリーンな感じや>


 「ふぅー・・・それだけ分かれば十分だ。ありがとうサポ助」




 受付で待たされた一人の時間

 オレはサポ助を、受付嬢のノーパソ的な魔道具に侵入させていた。


 サポ助のもう一つの能力、というよりバグに近いのかもしれないが、こいつは[魔力渡り]が出来る。

 オレが魔力を流し込んだ場所に[魔力のプール]があれば、そこに滞在が可能なのだ。

 残念ながら、他人のように意志が存在するような場所に移動することは出来ないが、無機質な条件ならばそれが可能だ。

 もし、この世界が地球のようにネットワークで繋がっていたのなら、チートな存在になれたのかもしれない。

 残念な奴だ・・・


 そして、混乱に乗じてサポ助を回収していた。




 「さて、まずは生活基盤を整えますか」


 街をぶらついて宿をとり、夕食を食って、ゆっくりと生活に馴染んでいくことにする。


 だが、最優先で行わなければならないのは服選びだ。

 こんな見窄らしい格好じゃなんも出来ねぇ。



 しばらく大通りを歩いていると、すぐに服屋は見つかった。

 素材やデザインなどは、地球と比べて上質とは言えないが、この世界独特の良さもあり特に問題はない。

 素材を聞いてみたら、ツルツルした肌着は蜘蛛の糸の加工品だった。

 ・・・シルクだと思おう

 これでも金はたんまりある!

 壁の修繕費用を差し引かれはしたが、それでも一千万くらいはあるのだ。

 なにこれ?

 リッチマンじゃん

 改めて考えてみると、かなりの成功者?

 まぁけど、服のラインナップ見て分かったけど、安物のゴワゴワでは無理だ。

 その辺の落差が半端ない。

 つまり、オレが満足出来る生活レベルは、この世界ではかなり金が掛かるのだろう。

 キレイな布団で寝たいしね。

 ゆえに、浮かれポンチではいられない。

 スタートとしては上々だけど。



 「まいどあり!」


 オレはいくつかの基本的な服と、昔より憧れていたアイテムを選択することにした。


 膝下まである長いフード付きのマント。

 一見すると怪しさ満点の魔法使い。


 後々プロテクター系の防具は整えるとして、まずは外見から。


 深くフードを被り、街の中を歩いていく。

 タバコに火を付け、そのまま歩きタバコで歩を進める。


 「ふぅー・・・」


 現代でこんなカッコで歩いていると、職務質問の対象となるのだろう。


 でも、分かるよね?

 一度はしてみたいよね?


 どこか格好良くなった気がして、タバコの吸い方も三割り増しくらいでカッコ付けになってしまう。


 さて、これからのテーマとしたいのはやはり自分設計だ。


 以前結論を出したように、優先すべきは有用スキル取得を最優先としたい。

 そうなるといよいよ職業クランで洗礼を受ける必要がある。

 クラス変更は、大金さえ支払えば上書き洗礼も自由に行うことが出来るらしい。

 その際取得したスキルの引継は出来るのだから、金持ちになったオレは上書き洗礼をしまくって、便利なスキルホルダーを目指すつもりでいる。

 回復、隠密系、初級魔法、各種耐性

 この辺りは最低押さえておきたい。




 「明日は、職業クランとやらへ行ってみますか」







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