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12:行動の果てには結果という答えが待っている。例外は無い。








 想像以上に街の様子は活気に溢れていた。


 おきまりの中世ヨーロッパ的な町並みに、少し現代チックな要素を含んだ服装の人々が往来している。


 (あっ、エルフ・・・キレイだな。あっ、あれは猫ミミやんけぇ!どうなってんだよ!どうなってんだよぉ・・・マジやぞぉここ!!)


 テンションは一気に5、25、50にまで上がる!


 銃を片手にボロボロのYシャツで、同じくビリビリのスラックス姿。

 危ない浮浪者のような格好で、自身のシンクロ率が上がり過ぎてゲリオン化していることなど気にもせず、キョロキョロとおのぼりさんで街を進む。


 <なぁジュンペイはん、めっちゃ見られてるで。ちょっとは自粛し>

 サポ助が冷静に忠告する。


 おじいさんとは街の入り口で、すぐに別れた。

 異世界丸出しの幻想的な風景に、我を忘れていたようだ。

 たしかに、安心するのはまだ早いな。


 初号機なみに曲がった猫背を伸ばし、人通りから外れ、タバコに火をつけて落ち着きを取り戻す。


 <ほんなら、ジュンペイはん。ちょっと今の内に、ボクのスペックと今後の在り方について相談しよか。まずはこれ見てみ>



============

LV21 ジュンペイ 32歳

クラス:なし

職業: 無職

フィジカル:E

メンタル:D

称号:[招かれざる者][ジャイアントキリング]

   [対集団×20]

固有仕様:[最適化]

     [サポートシステム(劣化版)」

固有スキル:[リロード]

ポイント:590P

スキル:

装備:デザートイーグル50AE

   ボロボロのYシャツ

   ビリビリのスラックス

   殺傷能力のある革靴

============



 ステータス画面が表示される。

 いろいろフザケた表記はあるが、自覚があるのでツッコまないでおく。


 (サポ助、ステータスがどうかしたか?)


 <まぁ焦りな。確認からや。まず前提として理解しといてもらいたいのは、ボクはアンタや。こっちの世界来てゴブゴブと戦ったことも、イシュタルさんに振られたことも知ってる。地球での記憶も共有してる。やから最初にFランクのスキルをポイントで取ろうとしてたんも知ってる訳や>


 「ふぅー・・・マジか。ちょっと恥ずかしい」

 思わず独り言を呟いてしまう。


 <なにテレてんねん。今更や。アンタのフェチや同僚のトモミさんのブラ線ばっかり見てたんも知ってるわ。そんなことより話し続けるで。まずあの操作でスキル取得するのは割高なんや。普通の人等は[クラス]を受けて、それにあったスキルを無意識にポイント振って取得してるの。クラスの縛りなく自由にスキル選べるのは魅力やけど、その分ポイントが割高っちゅう訳やね>


 「ふぅー・・・急に有能になりだしたね、サポ助くん。お、あのエルフの娘、めっちゃキレイ」


 <確かにキレイやけど、さっきゴキブリみたいにジュンペイはんのこと見てたで。つか、今は集中してや。結構大事なこと話してるから。やから分かると思うけどスキル取るには、クラスを利用した方がええんよ。よっぽど欲しいイレギュラーがない限り、あの取り方は止めといた方がええ。そこまではいいな?>


 うん、理解した。


 <OKや。ほんでここからが本題やねんけど、ボクな、システム的なところ覗けるねん。さらにジュンペイはんが振りまっくて廃棄処分になった高ランクのスキルあったやろ?もちろん劣化版やからその欠片やけど少々理解してんねん。つまり、似たようなの作れそうなんや>


 「マジで!オマエめちゃめちゃ優秀!!」

 思わず、声に出して叫んでしまう。


 <アホっ、めっちゃ見られてる。ちょっと場所移そか、憲兵呼ばれたら面倒や。つか、いい加減、脳内会話に慣れやジュンペイはん。歩きながら話すで。まぁボクの言い方も悪かったわ。上げといてなんやけど、そんな万能でもないんよ。ここでいう作れそうていうのは[モデリング][空間収納][魔力無限][飛翔][時間停止][不老不死][神出鬼没][万物創造][森羅万象][アカシックレコード]の足掛かり的なヒントを得た、っていう程度なんよ。模造品やすでにあるスキルを作れる訳ではない。さらに制作するのもタダやない。ポイントも使うし、依り代となる神格も必要や>



 オレは近くの公園に移動していた。

 屋台が出ていたので、コーヒーとホットドックのような物を購入し、人気のないベンチに腰を下ろした。



 で、いまいち内容が見えてこないんだけど、

 つまりはどういうことなんだ、サポ助?


 <うん、分かってる。取り敢えず経緯を知っといてもらいたかってん。要約すると依り代となるのは[称号]。ジュンペイはんは[招かれざる者][ジャイキリ][対集団×20]がある。称号はなにかを成し遂げた時につくトロフィーみたいなもんや。けど、これには神格となるエネルギーがあんねん。やからそれを利用する>


 モグモグモグ・・・

 美味ぇな、これ。

 なるほど・・・

 称号の数だけ制作チャンスがある。

 そして、もしかしたらそのトロフィー獲得難易度によって、神格エネルギーに違いがでてきたりもするのかな?


 <流石ジュンペイはん、飲み込み早いね。その通り。称号の位が高ければ、制作スキルで出来ることが増えるちゅう訳やね。ほんで次の問題やけど、さっきも言った通り、何でも自由に作れる訳やない。あくまで廃棄処分したスキルのヒントを利用するだけやから、そこの臭いのするモンしか作られへん>


 それは例えば[時間停止]なら時間にまつわる感じのスキルってことか?


 <うん、間違えてないよ。けど、あんま期待はせんといてや。基が劣化のうえに、人族が扱える程度のモンやから、名前ほどのとんでもないスキルが作れる訳やないんよ>


 なるほど・・・けど、それならランクが下のスキルで、現存のモノがすでにあるんじゃねぇか?たしか複製は出来ないんだよな?


 <良いところに気が付いたね。そこで次の話しになるんよ。最初にも言った通り、ボクはジュンペイはんの記憶を共有してる。つまり、地球での記憶があるんよ。やからそれを利用して、本来人族が使えんスキルを、オリジナルとは名ばかりの、パクったスキルが作れるっちゅう訳や>


 急にセコなったな・・・いまいちメリットが見えないぞ。パクったところで、どんな旨味があるんだ?


 <まぁ確かにアイデア次第って意味ならその通りや。けどな、例で言うなら[飛翔]ってあったやん。あれな、この世界では、機能しているしていないに関わらず、羽がないと絶対に入らんスキルなんよ。地球の知識みたいに魔力や気なんかで、人が自由に飛ぶなんてことは絶対に出来ひんのね。でも考えてみ?それをパクって人族が扱えるようにしたら、この世界の理を曲げた、ユニークスキルが作れるっちゅう訳よ。つまり舞空術やね。あと別件やけど、地球の知識に寄せて作ったスキルって意味なら[リロード]なんかが、まさにそうやで>


 さすがイシュタル、我が女神。愛してるよぉ~。

 なら、解説的にまとめると、現存のスキルなら同じ効果でも、オレがそうだったように、種族制限とかでシステム的に凍結されるが、パクったモンならシステム的にあり得なくとも、その効果だけを抽出できると。


 <そや。けど、そこで最初の問題が発生すんねん。分かりやすくするために、舞空術とか言ったけど、ホンマにそのレベルで飛べるようにしようと思ったら、膨大なポイントと、かなり神格の高い称号が必要やねん。つまり現実味は全く無いのね。ついでにこの話しの延長上で、現実味を入れて言うなら、精々、落下スピード弱めるとか、チョ~ト浮いてる?くらいかな>


 ダメじゃん

 あんま意味ねぇじゃん


 <だからアイデアが大事なんよね。長々と説明したけど、超簡潔にすると、

 ①廃棄処分したスキルの臭い

 ②凄い効果は無理

 ③制作するには称号とポイントが必要

  こんな感じや。

  それを踏まえて、いまジュンペイはんには三つの称号がある。

  分かりやすく神格をランク的に表すと、

 [招かれざる者]Sランク 結構なモンが作れる。

 [ジャイキリ]Bランク そこそこやね。

 [対集団×20]Cランク 悪いモンにはならんやろう

  って、感じやね。

  こいつらに、廃棄処分したスキルの、なにを掛け合わせて、どんな能力にするのかで、善し悪しは決まる。

  もう一回出しとくね。

 [モデリング][空間収納][魔力無限]

 [飛翔][時間停止][不老不死][神出鬼没]

 [万物創造][森羅万象][アカシックレコード]

  さて、ジュンペイはん。

  もちろん、今すぐ決めるもんと違うからゆっくり考、、、>


 「サポ助・・・考える時間なんて必要ない。もう方向性は決まってる。地球でのオレを知ってんなら分かっているはずだ。

  オレが望む力は、、、、」







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