学校の怪談
はじめてホラー小説というものをかいてみました
「ねぇ、ユキ知ってる?」
「なにを?」
「あれだよ、いま噂のうちの高校にまつわる怪談!」
「えっ知らない。」
「あのね丁度いまとおなじぐらいか少し遅いかな……とにかく夕暮れ時だったんだって……。」
七月十八日 水曜日
三日前のニュースではやっとのこと梅雨明けが報道された。
例年より五日ぐらいおそい梅雨明けとなり、 いよいよ夏本番というわけだ。
多くの高校生達は明後日七月二十日海の日を待ちわびていることだろうが、 その前に乗り越えなければならない壁『期末試験』があった。
今は丁度期末試験の三日目、明日が終われば夏休みなのだ。
「ねぇ実そろそろ帰らない?」
「うーんもう少しだけ待って」
「はいはい、優等生の実はいい成績とらなきゃだもんね」
おどけた口調で言うのは実の腐れ縁というかなんというかまぁそんな感じの幼い頃からの友人である。
期末試験の三日目の放課後二人は二年一組の教室で勉強をしていた。
普段なら校庭から聞こえる運動部の掛け声も、 校内のあちこちから聞こえる吹奏楽部の音色、放課後遅くまで残っておしゃべりやはしゃいでいる生徒もおらず校舎は静寂を保っていた。
時刻は六時五十分。
完全下校の七時が迫っていることから既に勉強のためにと残っている生徒も帰っていた。
「よし。お待たせ晴香、帰ろっか。」
「帰ろっかじゃないよ、まったく」
「ごめんごめん」
そういった時だった。
ガラガラガラ
教室のドアが音を立てて開いた。
「見回りの先生かな?」
「えー怖いー実見てきてよ~」
「もう仕方ないなぁ。」
「えっ……。」
「どしたの?」
「誰もいないよ……」
「またまたそんなこといって~おどかそうたってそうはいかないよ。」
「ほんとに誰もいないんだって!!!」
「えっ……、いやでもだれかのいたずらかも! と、とりあえずもう出よ?ね?」
「うん……そうだね。」
二人が歩く音だけが校内に響き渡る。
コツコツコツコツ
コツコツコツコツ
コツコツコツコツ
「ねぇ晴香……。」
「だめっ何も言わないで。」
さっきからおかしい、 私達は二人だけのはずなのに足音がもう一つある。
私達があるくたびにワンテンポ遅れて歩いている。
晴香もきずいているとおもうけど多分気づかないふりしてるんだとおもう。
「やっと昇降口だね、 早く行こう。」
「うん。」
私達が昇降口につく頃にはもう足音はしなくなっていた。
だってさっきからずっと晴香の背中には黒くて長い髪をした女の人がずっと乗っかってるから。
きっと晴香は気づかない振りしてるんだよね……?
「っていう話!!!怖かった??」
「こわいよこわい!それでさその晴香さん?はどうなったの?」
「それがねそのあと行方不明になったとかでいまもこの校内にいるんじゃないかっていわれてるの」
「もうこわいなぁほんとに。てかもうそろそろ帰ろうよ!! 鳥肌たってきた。」
ふと机の上においてあるスマートフォンを見る。
日時は七月十八日 水曜日 18:50
ガラガラガラガラ
教室のドアが音を立てて開いた。