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第10章 ダーク・ディモン、罠なんかに鼻も引っかけない

"「図書館の平面図ってあるか?」

ダークは組分けカードを取り出し、魔力を注ぎ込んだ。

彼の意図を感知したのか、カードの表面に図書館の平面図が表示される。


聖マリアン学院の図書館は全部で一階建てだが、どの本棚も恐ろしく高い。

学院は物理的隔離という方式を採用しており、より深遠な知識が書かれた本ほど、上の方に置かれているのだ。

飛行能力でもなければ、そんな難解な本には到底手が届かない。

だが、ダークの使い魔には翼がある——これぞアドバンテージ!

本来「フクロウ」の代わりを務めるはずの使い魔なのに、大半の学生の使い魔には翼がなく、飛べないというのは、なんとも皮肉な話だ。


ダークは図書館の平面図上で【使い魔】と記されたエリアを見つけると、すぐさまそちらへ向かった。


使い魔が通常の魔導精霊と異なる点は、魔導カードの外に長時間存在でき、その間、主人の魔力を追加で消費しないことだ。

魔導精霊はそうはいかない。どれほど強力な魔導精霊であろうと、その存在には時間制限がある。

その制限時間を超えると、自身の魔力を消費し始め、魔力がゼロになると消滅してしまうのだ。

しかも、魔導精霊の知能レベルは2。使い魔よりさらに半段階低く、低級ゴーレム並みだ。


図書館があまりにも広いため、ダークは平面図を頼りにしていたものの、【使い魔】のラベルがある本棚を見つけるまでに、10分近くかかってしまった。

この本棚一列、すべてが使い魔関連の資料で埋め尽くされている!


「ここから先は、自力で探せってことか?」

ダークは思わず天を仰いだ。

本棚は、てっぺんが見えないほど高い。

「聳え立つ」という表現を使いたくなるほどだ!

この一つの本棚だけで、一体何冊の本が収められていることやら!


「これ、どうやって見つけりゃいいんだよ? まさか、また司書のところに戻って聞かなきゃならんのか?」

「クソッ、宿題やるだけでパラメータ+1のリスクを負わなきゃならんとか、やってられるか!」

ダークは、そんな割に合わないことは断じてごめんだと思った!


だから彼は心を落ち着け、下から順にゆっくりと探していくことにした。

小悪魔獣は悪魔種に属する。ならば、悪魔種関連の書籍だけを探せばいいはずだ。


しかし、すぐに気づいた。この本棚にある本は、『特殊な魔導精霊——使い魔』だの、『使い魔と精霊の語られざる物語』だの、『初級使い魔製造ガイド』だの、『使い魔製造のために学ぶべき101の重点』だの、そんなんばっかりだ!


「もしかして……俺、場所を間違えたか?」

ダークは自分の思考が袋小路にはまり込んでいる可能性に気づいた。

小悪魔獣の情報は、【使い魔】コーナーではなく、直接、魔導カードか魔導精霊のコーナーで探すべきだったのだ!

しかも、できれば大量の目次が載っている『精霊図鑑』みたいなやつがいい!


そう思い至ると、ダークの行動は早かった。すぐさま組分けカードを開き、魔導精霊の専門コーナーを探す!

……結果、掛かっていた【魔導精霊】のラベルが付いた本棚は、なんと数十列にも及んでいた!


「はいはい、今度は上だけじゃなくて、前方も見えなくなりましたよっと……」

ダークはため息をつき、果てしない探索の旅へと足を踏み出したのだった。


……


実に30分もの時間を費やし、ダークは何千何万という本の中から、隅っこに追いやられていた一冊——『深淵を歩む者』を発見した!

ほとんど絶望しかけていた心が途端に活気づき、彼は急いでその指二本分の厚さはある本を引き抜き、ぱらぱらとページをめくった。


目次がある!

2ページ目からが目次で、そこには千種類以上もの悪魔が記載されていた!


ダークはその本を閲覧室へ持って行かず、本棚の前に立ったまま読み始めた。

再び1ページ目に戻ると、短い一文が目に飛び込んできた。


【深淵を歩み、深淵を覗き込め。】


読み飛ばそうと思った矢先、不意に視界が揺らぎ、その文字列が奇妙に震えだした。そして、見たこともないはずなのに、なぜか理解できる別の文字へと変化したのだ——


「この感じ……秘古文か?」


秘古文だ。

この魔文は非常に特殊で、暗号レベルは1から12まで存在し、対応する序列の魔族の血統を持つ者でなければ解読できない。

この世界においても、唯一無二の暗号化方式だ!


ダークは自分の今の血統が何番目の序列に該当するのか、この魔文の暗号レベルがいくつなのかも、全く知らない。

だが、それがこの文字列を理解する妨げにはならなかった。


【霧を払い、真実を照らせ。満月が汝を導くだろう。】


……


ダークはぱちくりと瞬きすると、ふん、と鼻で笑い、さっさと目次ページへと進んだ。

そしてアルファベット順に【小悪魔獣】という悪魔種の図鑑項目を見つけ出した。


しょせんは一年生の最初の授業の宿題だ。シルフ教授は、単に図書館での資料の探し方を学んでほしかっただけなんじゃないか、とダークは推測した。

なぜなら、この図鑑には小悪魔獣に関する詳細情報がはっきりと書かれており、ただ書き写すだけで宿題が完成するからだ。


彼は紙とペンを取り出し、素早く情報を書き写していく。


小悪魔獣である。

図鑑では、魔族でしぶとく生き延びている、と記述されている。

上位種は存在しない!


もし魔導精霊として扱うならば。

小悪魔獣は50。


一方、使い魔としての場合、小悪魔獣】を標準装備している。

基本的に、大半の使い魔はこのデータであり、手紙の送受信を得意とし、フクロウやカッコー鳥の代わりを務めることができる。


ダークは素早く資料の書き写しを終えると、何事もなかったかのようにその『深淵を歩む者』を本棚に戻した。

そして近くにあった『魔導精霊選集』という本を手に取り、閲覧室へと入っていった。


魔導論も魔薬学も宿題はなかった。今日の午後から寝るまでの時間は、完全に自由だ。

新入生たちは、宿題が終わると学院内をぶらぶら散策したり、談話室でちょっとしたゲームに興じたりするのが好きらしい。

中には、思いっきり遊んでから宿題に取り掛かるタイプもいるようだ。


ダークには城を散策する気も、他人と過度に関わる気もさらさらない。図書館がおそらく、彼にとって最も居心地の良い場所だろう。

部屋の隅にあるティーセットで、香りを中和した特製紅茶を淹れ、隅のテーブルに置く。それから『魔導精霊選集』を開き、「娯楽雑誌を読む」くらいの軽い気持ちでページをめくる。


ダークは、こういう『仏』ライフこそが自分に最も合っている、としみじみ感じていた。

広大な聖マリアン学院の中で、ほんの少しでも安心できるのは、この小さな片隅だけなのだ。

実に、素晴らしい。

大罪パラメータは増加しないどころか、【憤怒】と【怠惰】がそれぞれ1ポイントずつ減少したのだから。"


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