第7話 レイドル王国
今日はちょっと少ないです。
バレル盗賊団団長バレルを殺した私は洞窟を出ていこうと歩く。
「まだこんな近くにいるのか」
拉致されていた者たちが洞窟を出た場所に集っているのがわかる。
「街まで歩く気力もなかったか……あのエルフはおそらくいないだろう……」
エルフは幻の種族のような言い方をされていた。それはつまり姿を隠しているからであり解放された今となってまだずっと一緒にいるとも思えない。そんなことを考えていると外気探知に森の外からの人が大勢やってくるのがわかる。
「これは……」
私は念のために仙気術「白朧」で姿を隠して洞窟の出口へと向かう。すると洞窟の外にいたのは馬に乗った騎士団だった。その中には商人のセヨシさんがいるためどうやらセヨシさんが連れてきてくれたようだ。
「こんな近くにあのバレル盗賊団がいたとは」
「早くシロウくんを助けに行ってあげてください!?」
「もちろんだ。これだけの人たちを救出した勇敢な青年を我々が救出するぞ!」
「「「おう!!」」」
気合を入れて騎士団が馬を降りて洞窟内へと侵入。その騎士団の横を私は通り過ぎる。
「(あとのことは騎士たちに任せておけばいいだろう)」
こうして私はそのままセヨシさんたちに会うこともなくレイドル王国王都ローレンに向かう。
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一方でバレル盗賊団の拠点の洞窟に侵入した騎士団は
「なっ!?なんだこれは!?」
「団長!こっちにも死体が!」
「こちらもです!」
気合を入れて洞窟に侵入した騎士団は中にある死体の数に驚愕していた。
「すべてが盗賊……まさかバレル盗賊団のすべての死体が……。いや!仮にそこまでの実力があったとしても【炎炙】バレル・クルーガーに勝つことは不可能だ!あいつにはどんな攻撃も炎と共に素通りするスキル『炎化』がある!元アークロア帝国にて将軍の地位にまで上り詰めたその実力は本物!十代後半程度の子供が勝てるような存在では『団長!バレルが死んでいます!』っんなにーーーー!!??」
心から驚愕する団長。実際に確認するため移動するとそこには宴会をしていたらしき多くの盗賊たちの死体と共に首と身体が切り離されているバレルの死体が転がっていた。
「……シロウ・ヴィック……君は一体なにものなんだ……」
しかしシロウが何者かは程なくして知ることになる。
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洞窟のバレル盗賊団の件は騎士団に任せて私は王都ローレンを目指した。
「セヨシさんたちは心配してくれているだろうから申し訳ないけどできる限り注目は避けたい」
途中まで走ったおかげで王都ローレンまで数分で到着。入るときにいくつかの質問をされた。
「王都ローレンにはどんな目的で?」
「観光です。いま世界を旅してまわってるんです」
「世界を?その年で?」
「はい。何度か襲われもしましたけど多少は腕に覚えがあるので大丈夫です」
「ほう?」
その後は身体検査を軽くされてクリア。
「入っていいぞ。ようこそレイドル王国王都ローレンへ」
そうして街中へと入ったが王都ローレンはこの世界で見てきたどの街よりも笑顔にあふれにぎわっていた。
「……これが……王都ローレンか……」
この街での目的は天騎士バルドー・ザイエンと接触し味方に引き込むこと。
「その前にその実力を見る必要があるが……ひとまずは王都ローレンを楽しむとしようか」
そうして私は王都ローレンを練り歩き満喫した。
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約1時間ほど王都ローレンをゆっくりと歩き満喫した私。串焼きを片手にとある大きな商会が目についた。
「……モーマス商会……」
この王都ローレンの中でも特に人が多く建物自体も大きなモーマス商会は世界各地に店舗を有する大商会なのだがこの大商会には裏がある。それはウロボロスが運営する商会であるということ。
「……動き方から見ても素人ではない者が数人。おそらく仙気術を扱える構成員も何人も配置されているだろう……」
しかしそれはわかっているが今回の目的の優先度が高いのは天騎士の見極め。
「暇なときにでも潜入してみるか」
そうして私はその場を後にした。その際にこちらを凝視する視線には気づかないフリをして。
「さて……そろそろ行くとするか」
私は天騎士がいるという第一訓練場へと向かう。少し歩きたどり着いたそこはレイドル王国の騎士の中でも騎士団長や上級騎士など一握りの実力者が天騎士が見守る中訓練をしていた。その様子を建物の屋上から私は建物の上から見ていた。
「騎士のレベルは高いな……だが天騎士は指導しているだけか。それでは意味がない……」
天騎士バルドーの実力を判断するために見ることができないのならば直接体感するしかない。そう思い私は仮面をかぶり正体がわからないようにしてそこへ乗り込むことにした。
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