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白い花

作者: 静綴 詩文


入院して一ヶ月、身に覚えのない友人からお見舞い品が届くようになった。

いつも一輪の白い花と果物が届けられた。


白い部屋に一人、最近は家族の見舞いもなくなり一人の時間が増えていた。その差出人が誰でももう正直どうでもよかった。


まだこんな自分を心配してくれる人がいる

この事実がただつづいて欲しかった。


差出人不明のお見舞い品は不定期に送られてくる。


ここ最近ついに話すことも難しくなってきた。

そしたら口文字というのを練習することになった。


そうすると介護士さんがつきっきりでそばにいるようになった。

そんなある日また例のお見舞い品がきた。


介護者さんがそれを見るなり

「あらきれいな花ですねイヌホウズキですよねたしか」

イヌホウズキその名前をきいて分かった。


差出人はおそらく元カノだ。

僕が病院で筋萎縮性側索硬化症という病気を診断されてすぐに別れを告げた彼女だ。


彼女は付き合った当初

「もし浮気したらあんたにイヌホウズキの花を渡すからね」

と言っていた


「なんで?」

と僕が聞き返すと


「花言葉が嘘つきって言うからだよ」

そういって彼女ははにかんで笑っていた。


あぁあの嘘はもうばれてしまっていたんだな。


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