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83.些細

 

「寒っー。私も夢依ちゃんみたいにタイツ履こうかな」


 私と綾さんの誕生日から一ヶ月弱。本格的に冬になり出して吹く風が肌に刺さる中、私は正直綾さんの生足エロいし結構好きなんだけどなと歩きながら眺めつつも、


「綾のタイツ姿、見てみたいです!」


 綾さんがタイツを履いている姿も良いなと思って、視線を上げて返すと、


「ふふっ。なら、夢依。後で貸してよ」


 予想外の答えが返ってきて、私は一瞬戸惑いながらも笑って言う。


「良いですよ。貸してあげます」


「ほ、本当に良いの?」


「綾なら全然良いですよ?」


「そこまで言われたら……後で貸してね」


「はい!」


 ぎゅっと手を更に握って綾さんに返事をし、校門を潜り靴を履き替え教室へ。


「おはよー」


「おはよ?絵音、由依、なんかあったの?」


「お、おはようございます」


 教室に入ってすぐ、いつもより元気がない絵音さんの挨拶が聞こえて、私達も思わず心配になって小さな声で挨拶を返すと、悲しそうに唇を尖らせた絵音さんが近寄って来る。


「ねぇねぇ、聞いてよ綾、夢依ちゃん。由依がね、酷いんだよ?」


「あっ、おい。別にわざとじゃねーって」


 それに少し遅れて、由依さんが焦って居心地悪そうにやって来て、


「本当に何があったの?」


 綾さんが心配を通り越して焦りながら聞くと、絵音さんは何故か私をぎゅっと抱きしめて肩の上に顔を乗せ、瞳を震わしながら言う。


「昨日、遊びに行こうって約束して待ち合わせしたのに……由依が遅刻したの」


「えっ、嘘?そんな事あるの?由依」


 絵音さんの言葉に綾さんは心の底から驚いたように声を出し由依さんに視線を移すと、申し訳無さそうに由依さんは訳を言う。


「ちょっと眠くなって寝たら、約束の時間に遅れたんだ。ごめんって、絵音」


「私、二時間ぐらい待ったんだよ?なんかその後も、ちょっと冷たかったし……」


 今にも泣きそうな絵音さんが私の首筋に顔を埋め、それを見て本当に申し訳無さそうに由依さんは視線を下に向ける。


 そんな、嫌な空気と言ったら申し訳ないけど、居心地の悪い雰囲気の中で私は良い言葉はないかと考えながら、絵音さんの手を撫でてあげていると、


「由依。絵音にちゃんと謝った?」


 綾さんの優しくて綺麗な声が響き、少し空気が変わる。


「ああ、何度もちゃんと謝ったぜ?絵音、本当にごめんな」


「由依の事だから本当にわざとじゃないと思うけど、絵音、許してあげないの?」


 由依さんの謝罪と綾さんの声に絵音さんは顔を少し上げて、


「わ、私の事、嫌いになったとかじゃ、ない……よね?」


 視線を彷徨わせたながら、今にも崩れそうな弱い声で確かめるように聞くと、


「そんな訳ない」


 由依さんはなんの迷いもなく答え、その答えを聞いて、絵音さんはほんの少し微笑んで私から離れ、


「なら、私の事を好きって言って?そしたら、許す」


 調子を取り戻したように絵音さんらしいことを言う。それに私と綾さんは安心して、


「なっ……絵音、好きだぜ」


 由依さんは一瞬恥ずかしがりながらも、しっかり好きと口にし、絵音さんはとびっきり嬉しそうに笑う。


「えへへ。ねぇ、今日皆でお弁当食べよ?」


 その声と言葉に綾さんも私も、


「良いよ、絵音」


「いっ、一緒に食べましょう!」


 笑って言葉を返した。

文化祭編始まりです!初っ端文化祭とは関係のない話ですが、ちゃんと文化祭しますからね?


それと、79.沢山のおめでとうと、80.ケーキの直し終わりましたので、お時間があれば読み直してみてください。80話の方は結構変わりました。絵音が幸せそうです。


面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

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