72.昔の私へ
お泊まり会が終わった後、何度か綾さんと遊びに行って、あっという間に夏休みが終わった。
そして新学期になり、綾さんと待ち合わせをして学校に行き、旧校舎の裏でお弁当を食べ、いつもの場所で別れて家に帰るそんな生活に戻った。
でも、少し前とは変わった事があって、学校帰り時々絵音さんと由依さんも合わせた四人で遊ぶようになったり、夜に綾さんと寝るまで電話をするようになった事。
きっと去年の私が知ったら、目を丸くして驚いてくれるぐらいには、友達も出来て高校生活を楽しんでいると思う。
けど最近なんだか少し気がかりで、なんか忘れている気がする。
なんだったけ……
『夢依?夢依ー』
「あっ、はい!」
『返事してよ、寂しいじゃん』
「す、すいません、綾」
いつものように夜、ベットに寝っ転がって綾さんと電話をしている途中も、思わず考えてしまって謝ると、心配そうに綾さんが聞いてくる。
『なんかあったの?』
その言葉に私は些細な事だし言おうか迷いつつも、綾さんに心配はかけたくないので、思い切って話してみる。
「あ、あの、しょうもない事なんですけど、最近なんか忘れてるような事がある気がして……」
『忘れてる事?絵音の浴衣を返してない、とか?』
「い、いえ、もう返しましたよ」
『んー、じゃなんだろう……体育祭の時使ったハチマキを返してないとか?』
「そ、それは流石に昔過ぎます。返しましたし、よく出てきましたね」
『だって、夏休み明けて絵音が体育委員に返してたからね。怒られてたよ?どうして今返してくるんですか?あと一人絵音さんだったんですね。なんで言わなかったんですか?って』
「す、凄く、絵音さんらしいですね」
簡単に想像できる綾さんの話を聞いて笑っていると、全然思い出そうとしても出てこなかったのに、何故か不意に頭の中に出てくる。
「あっ!」
『どうしたの?』
「お、思い出しました。忘れてた事。私、屋上でお弁当が食べたいんです」
『ふふっ。夢依、可愛すぎ』
「す、すいません。しょうもない事で……」
『ううん、全然良いよ。なら明日、絵音と由依も誘って屋上でお弁当を食べよっか』
「は、はい!」
綾さんの言葉に大きく頷いて、明日が楽しみになって笑うと、
『思い出せて良かったね、夢依。ねぇ、もうちょっと話す?』
綾さんも安心した様に、少し眠たそうな声で聞いてきて、ちょっと迷った後言葉を返す。
「き、今日はもう、寝ましょう。綾」
すると電話の向こうから、うんと小さく聞こえて、
「夢依、大好きだよ」
綾さんが優しくて綺麗な声で、寝る前のいつもの言葉をかけてくれたので、目を瞑って、
「私もです、綾。大好き……」
「ふふっ……おやすみ」
「おやすみ、なさい……綾」
お互いにゆっくりと眠りに落ちた。
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