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71.またねを君に

 食器やら鍋やら料理に使ったものを全て流しに置いて、洗い物をお母さんに丸投げした綾さんは私と一緒に部屋に入るなり、


「あ、あの、綾さん?」


 私をベットに押し倒して、甘えるように言ってくる。


「夢依。ちょっとだけ、このままがいい」


 最近慣れた綾さんの声と行動に私は頭を撫でてあげ、お泊り会をしたここ数日で、物凄く甘えてくるようになったなと思いながら、頷く。


「分かりました」


「ありがとう、夢依」


 お礼と共に、ぎゅっと抱きしめられて足を絡められ、私も綾さんと同じ様に目を瞑る。


 それから気が付けばお互いに寝てしまい、起きると時間は夕方の五時で、


「お、起きて下さい、綾」


 私が体を揺すって起こそうとすると、案の定更に抱きしめられて身動きが取れなくなる。


「あ、綾……」


 私はまた襲われてしまうのかと少しドキドキしていると、いつもとは違ってごそごそと動いて私の耳元に顔を埋め、か弱い少女が囁いてくる。


「夢依、帰らないで……寂しいよ」


 私はその言葉に、返せる言葉がなくって黙っていると、綾さんは更に甘えるように、悲しそうに言葉を続ける。


「夢依と、ずっと一緒が良いの……離れたくないよ」


 絵音さんの言葉通り、本当は甘えん坊で寂しがり屋な綾さんに私は何か言葉を返さないとと思い、ずっと考えていた事を言う。


「綾。夜、私と電話しませんか?綾が寂しくないように綾が寝るまで、私頑張って話しますから」


 今までずっとメッセージだけだったけど、 綾さんとなら恥ずかしくなんてもうないし、私も夜、綾さんの、好きな人の声が聞きたい。


「……夢依」


 私の言葉から少し間を置いて、綾さんは私の名前を呼んで体を起こす。


 そして目を合わせて、


「私の事、好き?」


 今更ながらの質問をしてきたので、すぐに答える。


「好きですよ」


 すると綾さんは首を横に振って、一瞬意味が掴めない言葉を返してくる。


「こんな、私でも好き?」


 私はその言葉に、当たり前ですよと言おうとしたけど、多分綾さんが欲しい言葉とは、聞いている事とは違うと理解して、私は笑って答える。


「いつもの綾も、甘えん坊で寂しがり屋な綾も、どっちも私の大好きな綾ですよ。愛してます、綾」


「……夢依、私もだよ」


 また、私の胸に顔を埋めた綾さんの頭を撫でてあげ、少し経つと、


「夢依、ありがとう。送るよ」


 どこか吹っ切れた様に、何も怖いものがない可愛い笑みを浮かべる綾さんにそう言われた。


 ◆


 荷物を纏めて、綾さんの家を出て、駅まで手を繋いで一緒に向かう。


 それから電車に乗って揺られ、学校から一番近い駅に降り、いつも待ち合わせしている場所まで、まだ全然明るい夏の空の下を歩く。


「夢依、楽しかった?」


「す、凄く楽しかったです」


「なら良かった。また泊まりに来てね」


「は、はい!もちろんです」


「ふふっ。可愛いね、夢依」


「あ、綾だって可愛いですよ」


「夢依も言い返すようになったね」


 どこか嬉しそうに笑う綾さんに私も笑って、あっという間に学校を通り過ぎて行く。


「まだもうちょっと夏休みあるから、暇なら遊ぼうね」


「ぜ、絶対、遊びに行きましょう!」


 一歩また一歩と待ち合わせの場所に近付き、お互い無意識に手をぎゅっと握る。


 そして、


「……夢依、またね」


 綾さんが寂しそうにそう言い、手を離そうとしたので、


「あ、あの……綾」


 私は我慢出来ず、綾さんの手を逃さないように握り、もう片方を綾さんの頬に置いて、


「「……んっ♡」」


 少し強引にキスをする。それから、何度も何度もくっ付き合っては離れ、お互いに荒い息の中、


「「……ぷはっ♡」」


 唾液の糸を引きながら離れ、私は溶けた顔のまま言う。


「綾。寂しい時は、いつでも電話して下さいね」


「うん。毎日してもいい?」


「はい、毎日して下さい」


「やった。夢依……またね」


「また会いましょう、綾」


 どちらからともなく最後に抱きしめ合った後、綾さんは笑って帰って行く。その背中を私は最後まで見送って、家へと帰った。

夏休み編終わりです!次は幕間二です。幕間は短いですのでお楽しみに!


それにしても、まさか70話を超えるとは。びっくりです!それにそれに、皆さんに沢山読んで頂けててまして、すごく嬉しいです!


これからの綾と夢依は大分イチャコラするので、二人をよろしくお願いします!


面白い、続きが読みたい、そう思った方はぜひブックマーク!それと、

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よろしくお願いします。

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