41.可愛い部屋
雨宮さんと話をしながら電車を降りて、始めてきた程良く都会な静かな街の中を歩いて行く。
「もうちょっとで着くからね」
「は、はい」
「緊張してる?」
「あっ、はい、初めてなので、お泊まり会」
「そっか。でも大丈夫だよ。親二人共いないから」
「えっ?」
雨宮さんの言葉に私は驚いた声をあげると、雨宮さんは笑いながら首を傾げて聞いてくる。
「どうしたの?」
「い、いえ、大丈夫なんですか?」
「まあ、良くあることだからね。十八日、夢依が帰る日にもしかしたらお母さんが帰ってくるかもだけど」
「そ、そうなんですか……寂しく、ないんですか?」
「寂しいよ。でも、今日は夢依がいるから、凄く楽しみ」
凄く寂しい目を一瞬した雨宮さんは、それでも私の手をぎゅっと更に握って、楽しそうに笑う。
その顔に私はドキッとしながらも笑い、
「わ、私も楽しみです!」
頷いて言葉を返した。
◆
「着いたよ。ここが私の家」
「ひ、広いですね……」
私の家よりも広い、雨宮さんの三階建ての家に思わず言葉を漏らすと、
「そうかな?絵音の家の方が大きいよ。ほら、入ろう」
上には上がいるらしく、私は雨宮さんに手を引かれて中へと入る。
人が居ない、それが一発で分かる雰囲気に私が一瞬足を止めると、
「私の家にようこそ、夢依」
雨宮さんの嬉しそうな声が聞こえて、
「お、お邪魔します」
靴を脱いで中へ。
「まずは、私の部屋に行こっか」
「は、はい!」
雨宮さんに言われるがまま、私は緊張しながら、一階にあるらしい雨宮さんの部屋へと案内され……
「ここが私の部屋だよ。ちょっと狭いかな?」
結構な広さで、ぬいぐるみなんかの可愛い物が沢山置いてある雨宮さんらしい、雨宮さんの匂いがする部屋に入る。
「た、沢山、可愛い物が、ありますね」
初めて見る人の部屋をちょっと不審に見回しながら、軽く感想を零すと雨宮さんは笑って、
「そうでしょ。世界で一番可愛い夢依もいる、私の自慢の部屋だよ」
いきなり自慢してきて、私は恥ずかしくって顔を赤くしながらも、
「う、羨ましいです……」
なんとか言葉を返すと、
「ふふっ、荷物好きな所に置いてね」
雨宮さんは得意げに笑い、言われた通り邪魔にならない所に荷物を置く。
それから、
「それじゃ、他の部屋も案内するよ」
雨宮さんに連れられて、色々な部屋を案内される。
まず各階にトイレがあり、三階はお母さんとお父さんの部屋。二階はキッチンやリビング、お風呂と色々あり、お母さんの服が入っている大きなクローゼットも。
そして一階に戻り、雨宮さんの服が入った大きなクローゼットを見せてもらい、
「ゆっくりしよっか」
私は再び雨宮さんの部屋へと戻った。
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