31.どんな味?
「はい、夢依ちゃん」
雨宮さんに渡された、少し大きな紙袋を受け取って、
「あ、ありがとうございます。お、お返し、です」
私も紙袋を雨宮さんに渡す。
「ふふっ、ありがとう、夢依ちゃん。宝物にするね」
「えっ、そ、そこまでしなくても……」
「よし。夢依ちゃんと綾。イチャイチャはそこまでだ!」
大事に私が渡した紙袋を抱えて、嬉しそうな笑みと言葉を言う雨宮さんを見て、顔を赤くして照れていると、結構な量の服を買った絵音さんと由依さんが。
「絵音、変な事してないで、次は何買いに行くんだ?」
「あっ、待ってね……えっーと、数が多いのは化粧品と歯ブラシとかの日用品。どっちにしよっか?」
「先に化粧品で良いんじゃない?」
「よし、それじゃ化粧品、次に日用品を買いに行こうー!」
◆
とにかく広いショッピングモールの中を、雨宮さんと手を繋ぎながら歩き回り、化粧品、日用品を漏れなく買え、真ん中ぐらいまで上から降りた頃、丁度美味しそうなお店が並ぶフードコートの階に着き、絵音さんがみんなに言う。
「ねぇ、軽くご飯食べよう?どう?」
「そうだな。なんか食うか」
「うん、私もお腹空いた」
「わ、私も、何か食べたいです」
みんな頷いたので、私も頷き言うと絵音さんは嬉しそうに笑って、
「やったね!」
ガッツポーズしながら適当に席を取り、
「荷物番決めよう!じゃんけんね!」
自信満々に手を出してきたので、みんなじゃんけんをする体制に入り、
「「「「じゃんけん、ポン!!」」」」
「えへっ?」
私、雨宮さん、由依さんはパー。変な声を出した絵音さんはグーで一人負けし、
「夢依ちゃん、一緒に何か食べよ」
「は、はい!」
「ふっ、お疲れ」
「えー、真剣に負けたんだけど。ちぇ」
絵音さんはちゃんと一人席に座って荷物番をし、私達は食べたい物を探しに歩き出す。
「夢依ちゃん。今、何か食べたい物ある?」
「そ、そうですね……お米が、食べたいです」
「ふふっ、夢依ちゃん中々ピンポイントで攻めてくるね。ご飯ものなら、カレーとか何かの丼とか、後オムライスとかも?」
「あ、あの、雨宮さんは何か食べたい物、ないんですか?」
ご飯ものの料理を沢山あげてくれる雨宮さんに、私は手を更にぎゅっと握りながら聞くと、雨宮さんは微笑んで私の顔を見ながら、
「夢依ちゃん」
一言そう言われ、私は思わず視線を逸して、顔を赤くする。
「ふふっ、可愛い。でも、本当だよ。夢依ちゃんはいつだって一番だから。ちなみに、二番目はカレーかな」
「なっ、なら……カレー、食べましょう」
「うん、そうしよっか」
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