20.心の中の秘事
トイレから戻って来た由依さんと絵音さんと一緒にしばし話をした後、午後の部が始まり、最初の二人三脚が始まる。
「綾と夢依ちゃんは借り物競走だよね?それが終わったら、三年生のリレーがあって閉会式して、終わり。意外と速いね」
絵音さんがプログラムを眺めて、この後の事を言ってくれ、私は少し不安になる。
変な物を借りないといけなくなる、とかそんな事ありませんように……
「ねぇ、夢依ちゃん。変な物借りないといけなくなったら、私に言ってね」
「えっ?あっ、はい」
心を読まれたかと思ってドキッとしたけど、私はなんとか頷く。
すると絵音さんは顎に手を当てて何か考え、笑って言う。
「やっぱり夢依ちゃんを見ると、ちょっとからかいたくなる。ねっ、綾」
「全然そんな事ないよ」
「そんな……賛同を得られないなんて……あっ、由依は夢依ちゃんの事、子猫みたいとか思ってそう」
「なっ、そんな事ねーよ」
「綾。絶対思ってるよね、今の反応」
「由依とはやっぱり意見が合うね」
「だっ、だから、違うからな!」
珍しく慌てる由依さんに、雨宮さんと絵音さんはニヤニヤしながら笑っている。
それにしても私の事子猫だなんて……どこが似てるんだろう。私、可愛くないのに……
「綾は動物に例えたら、ウサギぽいよね」
「絵音はサルだろ?」
「由依ゴリラ、いたっ!いたっ!ごめんって!」
絵音さんと由依さんが少し揉めだして、ちらっと雨宮さんを見ると手を繋がれて耳元で囁かれる。
「夢依ちゃん、頑張ろうね。借り物競走」
「は、はいっ!もちろんです!」
「ふふっ、夢依ちゃん可愛い」
笑顔を浮かべて離れたはずの雨宮さんがほんの少しだけ寂しく見えて、私が目を見開くと同時、
「綾、夢依ちゃん。借り物競走始まるよ!」
絵音さんの声が聞こえて、
「最後だね。張り切って行こう!」
雨宮さんはとっても楽しそうに、私の手を引いてくれ、借り物競走が始まった。
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