159.四人の秘密基地
夜道を四人で歩きながら、夏祭りの時に綾と私が花火を見た秘密基地へと向かう。
「ねぇ!元日は一月一日の事で、元旦は一月一日の午前の事って知ってた?」
「流石にそれぐらいは知ってるよ」
「私も知ってるぞ」
「絵音、私も」
由依さんと手を繋ぎながら前を歩く絵音さんが振り返り、元気良く聞いてきた質問に皆知っていると反応すると、絵音さんは面白くなさそうに唇を尖らせる。
「ちぇー。そこは、初めて知った!とか、絵音すごーい!って反応してよ」
「はいはい。絵音凄いな」
「ふふっ、絵音の方が今は由依よりお姉さんなのに、これじゃ逆だね」
不貞腐れている絵音さんの頭を、優しく撫でる由依さんを見て綾が笑いながら感想を溢す。
確かに由依さんの誕生日は二月二日なので、絵音さんは少しの間だけお姉さんって事になる。けど、全然そうは見えなくて、思わず思ったまんまの事を口にする。
「絵音って、妹っぽいよね」
すると綾が笑って、絵音さんをいじるように話しかける。
「確かに。絵音ちゃん、お姉ちゃんは優しい?」
「なっ!綾って時々私に酷いよね?まあ、由依は優しいよ」
綾に怒りながらも、由依さんには笑って返した絵音さんに、綾は予想していなかった反応だったのか目を見開いた後、
「愛されてるね、お姉ちゃん」
今度は由依さんを軽くいじった。
◆
「到着っ!」
秘密基地へと着いたのがのんびり歩いた事もあって、四時過ぎ。日の出の時間は丁度七時なので、大体三時間暇になる。
でもそれは毎年の事のようで、
「ねぇ!今年の抱負を決めよ!」
毎年長々と会話をするんだとか。それに今年は私も混じり、四人で石のベンチに座って止まることなく会話をする。
「なら私は、ずっと夢依といる事かな」
「私も、綾とずっといる事」
「ふふっ、ありがとう」
「すぐイチャイチャするんだから。もっと真面目に考えようよ?」
ぎゅっとくっ付きお互いに寒いので温め合う私達に、絵音さんはちょっと呆れたように言ってきて、綾が絵音さんに問う。
「なら、絵音の今年の抱負は何?」
すると絵音さんは待ってましたとばかりに笑い、
「私の今年の抱負は、由依とずっと一緒にいる事です!」
私達と大して変わらないことを宣言して、由依さんにぎゅっとくっ付き、平然と笑う。
それに綾はジト目になりながらも、
「由依は?」
まだ抱負を言っていない由依さんに振ると、
「まあ、今年も四人で遊ぶ事だな……はぁ、それと……」
一旦言葉を区切って頭を掻いた後、仕方なさそうに抱負を口にした。
「絵音とずっと一緒にいる事だ」
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