157.年越しそば
「夢依、夢依。起きて」
綾の優しい声と頬を指先で突かれる感触に、意識が覚醒して目を覚ます。
「んっ……綾、おはよ」
私は寝る前の事を思い出しながら取り敢えず目の前で微笑む綾に挨拶をして、すぐに、
「綾、ごめん」
綾の腕で私はよだれを垂らしている事に気が付き、慌て起き上がり口元を手で拭う。
すると綾は腕に垂れた私のよだれ舐めて、楽しそうに言ってくる。
「ふふっ。おはよ、夢依。別に気にしなくても良いのに。それに、そんな事よりもうちょっとで年越しだよ」
綾の言葉を聞いて、そういえばそうだったと私は辺りを見渡し、絵音さんの家である事と、皆起きている事を確認し、自分のスマホで時間を見ると時刻は十時半。
お風呂から上がってイチャつき出したのが大体六時ぐらいで、結構寝たなと思っていると、
「おはよ、夢依ちゃん。すっごく寝顔可愛かったね。もうちょっとしたら年越しそば食べるけど、そばは平気?」
起きた私に気が付いて、近くにいる絵音さんが優しく話しかけてきたので、私は頷く。
「うん。そばは普通に食べれるよ」
「なら良かった。ふぅー、私もちょっと寝てたから、体動かそ」
私の返事に絵音さんは笑い、軽くストレッチを始めたので、私ももう寝ないようにソフィアに腰掛けると、綾も隣にやって来て体重をかけられる。
その感触に、私は綾に体重をかけ返してお互いに寄り添い、
「夢依、もう眠くない?」
「うん、大丈夫。それよりも綾は?」
「私も、さっきまで寝てたから平気だよ。夢依の寝顔もっと見たかったな」
しばらく綾と会話をしていると、絵音さんと由依さんが立ち上がる。
「由依、そろそろそば茹でよ」
「そうだな」
そして二人で料理を始めて、段々と良い匂いが漂い出し、
「そろそろ出来そうだね。座っとこ」
「うん」
私達は私達でいつもの椅子に座り、そばが出来るのを少しの間待つと、
「へいお待ち!」
絵音さんと由依さんがそばを運んできて、私達は四人でテーブルを囲む。
「絵音、由依。ありがとう」
「私からも、ありがとう」
「えへへ、どういたしまして。ちなみに来年は綾と夢依ちゃんだからね?」
「分かった、覚えておくよ。それじゃ、食べよ」
綾の言葉に皆で手を合わせて挨拶をし、一斉に食べ始める。
「美味しいね」
「うん、すっごく美味しい」
「でしょでしょ?私と由依が愛を込めて作ったからね!」
「取り敢えず口に合って良かったよ」
綾と私の反応に絵音さんは自慢げに笑い、由依さんは胸をなで下ろし笑う。
そんな二人に綾と私は笑いながら、仲良く会話をしてそばを食べていった。
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