153.ディナー
「クリスマスって何してた?綾、夢依ちゃん!」
ご飯を食べ始めてすぐ、絵音さんがそんな事を楽しそうに聞いてきて、嘘を付く理由も特にないので正直に話す。
「綾とデートに行ったよ」
「良いね!どこに?」
「夏休みに行ったショピングモールの、更に奥に」
「へぇー、何したの?何したの?」
いつもより結構グイグイくる絵音さんに、綾も一緒になって答え、水族館に温泉、そしてイルミネーションを見た事を話し、ホテルに泊まった事も言うと、
「綾と夢依。色々すげーな」
由依さんが少し呆れ気味に感想を溢し、
「流石綾と夢依ちゃん!エロいね!動画は撮らなかったの?いてっ!」
ヤバめの発言を絵音さんはして、由依さんに叩かれる。だけど気にせずに、更に言葉を続ける。
「なら、写真は?」
「えっーとね、これならあるよ」
本当にエッチの時は動画や写真を撮っていないのでないよと答えようとすると、イルミネーションの時私が綾にキスをした、今は綾と私のスマホの待ち受けになっている写真を綾が見せ、
「エッロ!超いい写真じゃん!でも……私もあります!」
私達の写真見て一段とテンションが高くなった絵音さんは、いきなり由依さんと大きな虹色のクリスマスツリーの前でキスをしている写真を見せてきて、
「由依と絵音もエロい事してるね」
「凄くエッチな写真だね」
綾と私が感想を溢すと、絵音さんが由依さんに叩かれる。
「おい、やめろ」
「いてっ!良いじゃん、綾と夢依ちゃんなら。私と二人っきりの時は全然恥ずかしそうにしないのに」
「それとこれとは違うだろ」
「えー、お願い。綾と夢依ちゃんの前ならもっとイチャつこうよ。ねぇ、由依。だめ?」
「なっ、ちょっとだけなら」
「ええへ、やったー!由依、愛してるよ……んっ♡」
話がコロコロと変わって、結局絵音さんが可愛く甘えてイチャつきだしキスを始めた目の前のカップルに、私達は目を合わせて笑った後、
「人のイチャイチャを見るのも、やっぱり良いよね」
「うん。これはこれで楽しい」
私達は甘々カップルのイチャつきを眺めながら、私達もイチャついてご飯を食べた。
◆
「お腹いっぱーい」
ご飯を食べ終わり、テーブルの上を皆で片付けて今はリビングでのんびり休憩中。
「ふふっ、大晦日のこの雰囲気って良いよね」
私の腕枕で寝ている綾が、相変わらずイチャイチャしている絵音さんと由依さんを尻目に、笑って私に話しかけてくれ、
「そうだね。年末年始のだらっとした感じ、私も好き」
初めて友達と過ごす大晦日に、少し感動しながら返すと、
「ねぇ、もう少ししたら全員でお風呂入ろ!」
絵音さんのそんな声が響いて、綾と私と由依さんがばっと絵音さんの方を向く。
するとへらへら笑いながら、
「えへへ、嘘だよ。ごめんね。でも、お風呂は入った方が良いでしょ?」
冗談だと謝ってそれを聞いた綾が、
「そうだね。もう少ししたら、夢依と一緒に入るよ」
そう絵音さんに言葉を返して、すぐに私をぎゅっと抱きしめると、
「お風呂でエッチしよ」
耳元でそんな事を囁かれたので、私は笑って頷いた。
「うん、やろ」