152.ありがとうの積み重ね
「じゃまずは私から開けるね!一つ目はこれ!夢依ちゃんの!」
皆それぞれ誕生日プレゼントを渡し、最初に絵音さんが一つずつプレゼントを開けていく。
「これは、入浴剤?凄いいっぱいある!ありがとう、夢依ちゃん」
「ふふっ。その、由依と一緒にお風呂に入る時に使ってね」
「もちろん!毎日一緒だから……いてっ!」
「綾と夢依。良くない方向に変わった気がするのは、私だけか?」
私があげた色々な入浴剤のセットを物色している嬉しそうな絵音さんを叩いて、ちょっと寂しい瞳を向けてくる由依さんにそこまでじゃないはずと思っていると、絵音さんは気にせずに二つ目へ。
「次は何かなー……わっ、ピアスだ!可愛い。ありがとう、綾」
「ふふっ、どういたしまして」
二つ目の綾が送った金色で紫色の宝石が埋め込まれているフープピアスを早速耳に付け、楽しそうに頷いた絵音さんは最後のプレゼントを開ける。
「最後は由依からだね。じゃん!えへへ、ありがとう、由依」
「大事に使えよ」
「当たり前だよ!由依からのプレゼントも、皆からのプレゼントも一生大事にするもん!」
由依さんからのプレゼントである可愛い柄が入った木の櫛で嬉しそうに髪を何度か梳いた後、大事に仕舞った絵音さんを見て、今度は由依さんがプレゼントを開けていく。
「まずは綾のからか。これは……おい」
「着てみて、由依」
「嫌だ」
綾からの服のプレゼントを見るなり、ささっと仕舞おうとした由依さんに、察した絵音さんと綾に事前に言われていたので私からもお願いをする。
「由依、着てよ!」
「由依、私からも着て欲しいな」
すると、由依さんは表情を引き攣らせてからすぐ、仕方なさそうにため息を吐いて、
「今日だけだからな」
なんとか頷いてくれ由依さんは違う部屋に消えたかと思うと、一瞬で戻ってきて綾からの黒色の肩出しセーターを着た姿を見せてくれる。
「可愛いね、由依。似合ってるよ」
「凄く可愛い」
「由依ー!」
「おい、やめろ。引っ付くな。マジでなんでこうなったんだよ」
恥ずかしそうに暴れる由依さんに、ぎゅっとくっ付いたままの絵音さん。
二人共相変わらず仲が良いなと眺めていると、由依さんは引き剥がすのを諦めて次のプレゼントへ。
「はぁー。まともな物であってくれよ、夢依……これ、絵音とお揃いのピアスか?」
「うん。綾とせっかくだしお揃いのプレゼントを渡そうって、選んだの」
私の言葉を聞いてどこかふっと優しく笑った由依さんに、引っ付いている絵音さんがまた騒ぎ出す。
「そうだったんだ!超嬉しい、由依付けて!付けて!いてっ!」
「そんな騒ぐな、付けるから……ありがとな夢依、綾。大事にするよ」
絵音さんのとは色だけが違う銀色のフープピアスを付けてお礼を言ってくる由依さんに、凄い色気があるなと思っていると、
「由依、今凄いエロいお姉さんだね!いてっ!」
「ふふっ。本当だね、凄くエッチ。それと二人共喜んでくれて良かった」
どうやら皆同じ事を思っているらしく、似たような感想が飛んで、由依さんは照れながらも最後のプレゼントを開ける。
「ありがとな、絵音」
「えへへ、どういたしまして!」
絵音さんのプレゼントはハンドクリームで、由依さんのお礼に絵音さんが自慢げに言葉を返すと、
「ご飯食べるか」
由依さんがまだ少し恥ずかしそうにしながらもそう言ってきて、私達は笑いながら席についた。
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