145.空っぽになった欲
意識が飛んでから一分と経たずに私は意識が戻り少しそのまま休憩した後、綾と隣同士肩を寄せ合って、今は露天風呂にゆっくりと浸かっている。
「夢依、やり過ぎちゃった。ごめんね」
「別に謝らなくても良いよ。綾、もうムラムラしてない?」
「うん。今はすっごい幸せ」
心地良さそうに返事をした綾がお湯の中で手をぎゅっと繋いでくれたまま、私の首筋に顔を擦り付けて甘えてくる。
「ふふっ、なら良かった」
そんな仕草に私も綾の顔に頬を擦り付けて、しばらくの間イチャイチャした後、
「そろそろ出る?」
「うん。綾、出よ」
この後も行きたい所があって、のぼせてはいけないので綾と一緒に温泉を出て、
「えいっ!」
「んっ」
いつもの様に綾に頭をわしゃわしゃと拭いてもらい、
「綾、お返し」
「ふふっ」
私も綾の頭を拭いてお互いに体を拭き合った後、服を着直して、
「ゆっくりしよ、綾」
「良いよ。なんか甘い物でも食べよっか」
温泉以外にもこの建物の中にはご飯を食べれる場所があって、そこでのんびりとまた休憩をする。
「ご飯以外にも、和菓子がいっぱい」
「本当だ。あっ、私栗ようかん食べたいな」
「ふふっ、なら私も同じのにするよ」
なんとなく気分でサクッと決めると、綾も同じ物にして注文を済ませてくれ、
「ねぇ、夢依。この後どうするの?」
いつも通り綾との会話が始まる。
「次に行く場所が最後だよ」
「もう最後か、早いね。急がなくてもいいの?」
「うん。日が沈んで、暗くなった時ぐらいに着ければ良いから」
「そっか……今日、雪降るのかな?」
デートの終わりが見えてちょっと寂しそうに返事をした綾は、曇ってはいるけどまだ雪は降っていない外に視線を移して、そんな事を聞いてくる。
だから私は、時間を確認するついでにスマホで天気予報を見てみると、
「夕方から降るみたいだよ。ほら」
「本当だ。ふふっ、今年はホワイトクリスマスだね」
夕方から朝にかけて雪が降る予報で、綾は私のスマホの画面を見て嬉しそうに微笑む。
そんな姿に、
「綾、可愛いね」
やっぱり綾は寂しそうにしてるよりも笑顔が似合うので正直な感想を溢すと、
「夢依って、時々不意にずるい事言うよね。ねぇ、大好き」
綾は更に嬉しそうに笑い私の頭を撫でてきて、その感触を味わっていると、
「お待たせしました」
頼んだ栗ようかん二つがやって来た。
「ごゆっくりどうぞ」
そして、店員さんがテーブルに置いて去って行く。
「ふふっ。夢依、恥ずかしかった?ごめんね」
その間、私はずっと頭を撫でられていて、ちょっと恥ずかしがったからか綾が謝ってくるけど、私は首を横に振って、
「ちょ、ちょっとだけね。でも、それ以上に嬉しいから、謝らないで」
綾に笑いかけた後、手を合わせて一緒に栗ようかんを食べ始めた。
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