13.体育委員
「はい。今日のロングホームルームは、全員リレーの順番と体育祭の個人競技をみんなで仲良く決める時間です。あとは体育委員、よろ」
いつもやる気のない担任の先生が、体育委員に丸投げして教卓の隣に移動すると、体育委員である真面目そうな女子一人が前に出てくる。
「体育祭の個人競技は、借り物競走、障害物競走、パン食い競走、二人三脚の四つ。全員どれか一つやらないといけません。このクラスは三十二人なので定員はそれぞれ八人です。それではまず、やりたい競技に名前を書きに来て下さい」
ハキハキと体育委員が言葉を言い終わると同時、みんな友達と相談しながら立ち上がって、黒板に名前を書いていく。
「夢依ちゃん、何にする?」
「えっーと……人が少なければ何でも……」
「人が少ないのか……ねぇ、パン食い競走人気過ぎじゃない?」
「ほ、本当、凄いですね……」
名前が集中し過ぎな黒板を眺めていると、どこからか質問が体育委員に飛ぶ。
「体育委員さーん、パン食い競走のパンって、何パン?」
「チョココロネとメロンパンです」
「二人三脚って誰と組むの?」
「他のクラスの人で、当日発表です」
「体育委員さんは競技何するの?」
「パン食い競走です」
各々名前を書き終わり黒板の前からだいぶ人がいなくなると同時に、名前が少なくてなおかつ私でも運でどうにかなりそうなものに決める。
「あ、雨宮さん。一緒に、借り物競走、行きませんか?」
「もちろん。行こっか」
雨宮さんと一緒に黒板の前に行くと、絵音さんと目が合って、
「どの競技?」
優しく聞かれたので、なんとか下を向くことなく、
「か、借り物競走、です」
頑張って答えると絵音さんは笑って、雨宮さんに話を振り、
「いいね。綾も一緒?」
「もちろん」
「仲良いねー。私は由依と一緒に最初の戦いをしてくるよ」
何かよく分からない事を言って去っていった。
私はその間にささっと自分の名前を書き、次いで雨宮さんが名前を書く。
「夢依ちゃん、字綺麗だね」
「あっ、ありがとう、ございます」
席に戻る途中いきなり褒められて顔を赤くしながら席に座ると同時、体育委員が前で話し始める。
「パン食い競走の人は、前に出てきてじゃんけんです。負けた人から人がいない所に入って下さいね」
説明を聞き終わり、みんな意気込みながら立ち上がると、絵音さんが言っていた最初の戦いというのが始まった。
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