124.小さな頃
エスカレーターで上へ上へと上がって行き、七階へ。
そこは、雑貨や小物なんかを売っている小さなお店から大きなお店までがひしめき合っている階で、お店の外にまではみ出した雑貨達がどこか独特な雰囲気を出している。
その中を綾と一緒に歩いてすぐに、
「夢依、ここだよ」
「凄い……綺麗ですね」
クリスマスが近いからか、赤や緑の雑貨が乱雑そうに見えて綺麗に置かれ、天井からも不思議な物が沢山垂れ、ついでにガラスの小物がキラキラ輝いている雑貨屋へと着く。
「お母さんと、小さい頃に時々来てたの。大きくなって久しぶりに人と来たけど、それが夢依でなんかすっごく嬉しい」
中へ入りながら、無邪気な顔で振り返って笑う可愛い綾に私も微笑みを返し、
「せっかくだから、ちょっと見て回ろ?」
「もちろん」
綾と一緒に中の物を物色していく。
「ねぇ、見て夢依。木で出来た蛇」
「うっ、本物みたい」
「夢依、蛇苦手?」
「ちょっとだけ……ひゃ!やめて綾!」
「ふふっ、ごめん。可愛くってつい」
綾がからかう様に本物みたいな蛇のおもちゃを私に近付けて来て、反射的に少し怒ると軽く謝って頭を撫でてくれる。
そんなさっきまでとは違って純粋な綾に、小さかった頃の綾もこんな風に笑ってたのかなと不意に思っていると、
「あっ、アロマキャンドルがいっぱいあるよ、夢依」
私が買おうと決めているクリスマスプレゼントを綾が見つけてくれ、棚に沢山置かれたアロマキャンドルの前へ。
「こんなに種類があるんだ」
形、大きさ、色、柄全部に色々な種類があって、どれも綺麗で端から端まで眺めていると、中に水色のドライフラワーが入っていて、バラの形をしている綾の髪色の様な綺麗な色のアロマキャンドルを見つけて手に取る。
「綺麗だね」
「うん。綾の髪色みたいで、凄く綺麗」
「ふふっ、ありがとう」
褒められて嬉しそうに笑う綾に、私はこれにしようとすぐに決め、
「綾、私これにするよ」
綾に報告すると、
「流石、夢依。センス良いね。じゃ、次は私の番か」
綾は優しく褒めてくれ、私は綾の手をぎゅっと握って小物をまた物色しながら歩いて行く。
それからイチャイチャと会話をしながら歩いていると、
「綾、あったよ」
綾がクリスマスプレゼントにすると言っていた腕時計があって、
「本当だ。どれも可愛くて迷っちゃうね」
私達は近付き、綾が心を躍らせながら腕時計を物色しだす。そんな姿をなんて可愛いんだろうと眺めていると、
「夢依、これ良くない?」
文字盤に星空と金色の三日月が書かれた、腕時計を見せて来て、
「綺麗で、凄く良いと思う」
私も欲しいなと思いながら褒めると、
「ふふっ、ならこれにしよ」
綾は満面の笑みで決め、綾と私のクリスマスプレゼントは決まった。
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