12.傍ら
高校から家に帰り、いつも通り過ごして珍しくゲームが区切りの良い所まで終わったので、スマホを見てみると時刻はまだ九時半。
雨宮さんからは大体十時ぐらいにメッセージが届くので、三十分暇になる。
私はゲームをやろうか少し悩み、ここでまたやると日付を超えるまでやらないと止まらないと思い、電気を消してベットへ。
『雨宮さん。今、大丈夫ですか?』
スマホでメッセージを迷いなく打ったは良いものの、今本当に送っても大丈夫だろうかと不意に悩んでしまい、中々送れない。
「迷惑じゃ……でも、メッセージだし……送っても、大丈夫……いや……」
そうこうしているうちに数分経ち、どうしようかと寝返りを打った時、送信ボタンに思わず触れてしまいメッセージを送ってしまう。
「あっ……」
私はどうすれば良いのか分からず固まっていると、すぐに既読がついて、
『夢依ちゃんからなんて珍しいね。なんかあった?それとも暇なだけ?』
返信が来たので私はドキドキしながら、
『暇なだけです』
またメッセージを送ると、
『なら話そっか。ねぇ、夢依ちゃん。今何してるの?』
雨宮さんは文句を言うことなくいつも通り返事をしてくれたので、私は安心して会話をする。
『ベットの中に潜ってます』
『もう?早いね。私は今お風呂だよ。自撮りの写真いる?撮るよ?』
「えっ?」
雨宮さんからのメッセージに私は素で声が漏れて、顔を赤くしながら少しあたふたし、
『遠慮しときます』
当たり障りのないお断りのメッセージを返す。時々雨宮さんは大胆になる。欲しいって言ってたら、撮って送ってくれたんだろうか……
『丁重に断られちゃった。まあ、仕方ないか。そういえば夢依ちゃんって、さっきまで何してた?』
なんだか体育の時と同じで少しだけ残念に思いながらも、それから私は雨宮さんと一時間半ほど喋ってゆっくりと眠った。
◆
お風呂の自撮りを断って、少し残念に思ってから三日が経った。
「おはよ!」
「お、おはようございます」
今日は、クラスで体育祭の事について色々と決めるらしい。
「な、何、決めるんですかね?」
「リレーの順番とか、そんな事じゃないかな?もしさ、個人競技も決めるんだったら同じのにしよ、だめ?」
「も、もちろん良いです!」
手を繋ぐことが当たり前になって、雨宮さんの前では恥ずかしさがあまりなくなった。
けれど、変わりに何か違う感情が心の中に芽生えて、
「夢依ちゃん、今日も可愛いね」
雨宮さんにドキッとしながら校門を潜った。
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