112.乾杯!
学校を出る準備が終わってぞろぞろとクラスの皆で学校を出て、打ち上げ会場で予め予約しているらしいカラオケ屋へと歩いて向かう。
「楽しみだね、夢依」
「そうだね。けど私、カラオケに行った事ないから、ちょっと不安」
「大丈夫だよ。私と一緒に歌お?」
「うん!」
集団の後ろの方で私と綾は手繋いで会話をしながらイチャついていると、前にいる絵音さんがいきなり振り返って、
「ねぇ、夢依ちゃん!綾だけじゃなくて私にもタメ口で話しかけてよー」
手を合わせて甘えるようにお願いしてきたので、私は少し話題に迷いつつもタメ口で言葉を返す。
「えっーと……絵音。本当に何でも奢ってくれる?」
「わー、可愛いー!良いよ良いよ!宝石でも家でも、何でも買ってあげる!」
私の言葉に絵音さんは子供のように目を輝かせて興奮し、私の頭を撫でながら返事を待ってくれるけど、正直自分で聞いたくせに今ぱっと買って欲しい物が思い付かないので、
「ふふっ、ならまた今度お願いするね」
「夢依ちゃん……ヤバいね!由依!綾!なんかヤバい!可愛い!ヤバい!」
取り敢えず誤魔化すように笑って先延ばしにすると、絵音さんが周りを気にせずはしゃぎ出して、由依さんを揺さぶり出す。
それに由依さんは慣れたように揺らされながら、
「こんなに夢依が変わるなんてな。成長したな、本当に」
優しく褒めてくれ、それが嬉しくて私も笑うと、拗ねたらしい綾が急に絵音さんと由依さんから距離が空くようにぎゅっと私を抱きしめて、
「もう終わり。夢依は私のだから」
そう宣言し、私を抱きしめたまま歩き続ける。そんな光景に由依さんは微笑んで、
「綾は結構エロくなったね……いてっ!」
絵音さんは余計な一言を放った。
◆
「皆〜、ここだよ〜」
絵音さんが綾に叩かれてからほんの数分で到着したカラオケ屋に皆で入り、ぱぱっと一応打ち上げの理事らしい音々さんが店員さんと話をして、
「こっちだって〜」
紙をもらった音々さんが案内してくれ、大きな部屋へと入る。
「わー、広いね。こんなに広い部屋は初めて」
「久々のカラオケ、超楽しみ!」
部屋に入ってすぐ皆慣れたように適当に荷物を置くけど、私は大きなテーブルに大きなソファ。そして大きなテレビに驚きながら部屋全体を見渡し少し呆けた後、綾に手を引かれてソファーに座り荷物を置く。
そのタイミングで音々さんが
「取り敢えず飲み放題だから~、飲み物用意して乾杯しよ〜」
理事らしくそう言って、グループの中の気が使える人達が立ち上がる。
「飲み物何がいいですか?私、持って来ます」
「流石体育委員!私は……」
「由依はいつもと一緒でメロンソーダだよね?綾と夢依ちゃんはどうする?」
「私はコーラにするよ」
「なら、私もコーラで」
絵音さんの質問に綾と合わせると、やれやれという様な顔をした後、
「綾と夢依ちゃん、暗いからってイチャ付き過ぎちゃ駄目だからね?じゃ、ちょっと待ってて」
絵音さんは早々にくっ付き合う私達を見てそう言って、飲み物を取りに部屋を出る。
そして、絵音さん含め皆が帰ってきて……
「全員揃ったね〜。じゃ〜、乾杯〜!」
「「「乾杯ー!!!」」」
皆で一斉にコップを合わせて乾杯し、クラスの皆との打ち上げが始まった。
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